東京・神田明神で行われることは、神社と聞いて想像する枠を完全に超えている。アニメとのコラボ、江戸東京夜市、妖怪に、奉納プロレス!?
そんな神田明神に、和のあかりの祭典「江戸東京あかり展 produced by 日本あかり博」がやって来ます。開催期間は2019年12月7日から2020年2月9日までの3か月間。
なぜ、神田明神で?今までとどこが違うの?その秘密を仕掛け人である株式会社CoCoRoの清原社長に徹底取材しました。
目次
神社であかり展!?「江戸東京あかり展 produced by 日本あかり博」は、ここが違う!
「日本あかり博」は、日本の伝統工芸とあかりの演出による幻想的な世界を体験できる展覧会として、多くの観客を魅了してきました。
そんなイベントが神社で行われる?神社でそんなことできるの?これは気になりますね。
開催されるのは、東京の総鎮守、神田明神に昨年オープンした文化交流館 地下1階 EDOCCO STUDIO。
今回神田明神にて行われる本展覧会では、日本全国のクリエイターが集結。「アート」「祭り」「デザイン」「職人」「テクノロジー」といった5つのジャンルが“あかり”を通じて1つになります。
今回の特徴は、忠臣蔵で有名な吉良上野介をモチーフにしたストーリー展開となっていること。稀代の悪役として認識される吉良の苦悩に迫ります。
見逃せないのは、参加者の呼びかけに作品が呼応したり、観る人の選択でストーリー展開が変わるアナログ×インタラクティブアート。観客は吉良と一緒に魑魅魍魎ひしめく不思議なあかりの空間を進んでいきます。さあ、あなたの選択はどういうラストに繋がるか!?
ちょうど忠臣蔵の舞台となった冬の時期。神社だからこそ感じられる、底知れぬ地のパワーも味方につける、一大歴史エンターテインメントです!
アナログとデジタルが交差する!体験型展覧会「江戸東京あかり展」のレポート記事はこちらから
カルチャーも最初はサブカルチャー。革新を続ける神田明神
現在創建1300年記念事業を行う神田明神。その一環として昨年文化交流会館をオープンしたほか、毎月様々なお祭りが開催される江戸東京夜市、アニメとのコラボ、アニソン盆踊り、アイドルのライブ、さらにはプロレスまで、何でもありの懐の深さ。
例えば、獅子舞一つとっても、通常、それぞれの神社の獅子舞をほかの神社で奉納することはできません。ところが、神田明神では「なんでもウェルカム!」
このスタンスは今に始まったことではありません。江戸文化の中心として、様々な文化を受け入れてきたのです。歌舞伎も能も、現在伝統芸能とされるものは、すべて革新から生まれました。元宮司の大鳥居さんも、「サブカルがカルチャーになる。今やっていることが1000年後の伝統になる」と語られます。
祭り好きにはお馴染みの神田祭も、始まったのは神田明神の1300年の歴史の中では比較的新しい江戸時代。それも、江戸幕府の庇護を受けたり、道路事情により山車祭りから神輿へと形を変えたりしながら、現在の形へ。江戸三大祭に数えられる「伝統」となったのです。
神田明神の革新性が、次の伝統を作り出す。常にその最先端を走り続ける神田明神、かっこよすぎます!
神社を盛り上げるのは運命!?仕掛け人 株式会社CoCoRo清原社長
そんな革新的な神田明神の事業を支えるのは、神田明神文化交流館 EDOCCO STUDIOの運営を行う株式会社CoCoRo。代表の清原社長にお話を伺うと、開口一番「こんなことができるのは、僕しかいないよ」と。
おっと、すごい自信、とびっくりしましたが、経歴を伺って納得。
清原社長は大分県の神社の家系のご出身。子どものころから神社のしきたりの中で育ち、大学では神主となる資格を取得しました。卒業後、ご実家の神社は親戚が継がれていたので、ご本人は別の神社に奉職されたとのこと。
ところがその後、京都で貿易会社、東京でクレジットカードのプロモーション会社を起業。イベントやエンターテイメントにも従事したという異色の経歴です。
その清原氏が2018年、神田明神と出会った!
会社経営とイベント運営の手腕を買われ、株式会社CoCoRo社長に抜擢された清原氏は、「神社とビジネスを行き来できる、日本で唯一の人」。神社の年中行事やしきたりはもちろん、ここまではOK、これはダメという線引きが分かるだけでなく、神社の持つ資源をいかにビジネスとして活用し、神社と周辺が潤い、伝統を残していけるか、それを考え、実現できるのです。
神田明神で毎月開催されている #江戸東京夜市。本日は阿波踊りの #和樂連 さんが参加者を交えて境内を練り歩きました!19時からまたやりますので、秋葉原・御茶ノ水周辺の人はぜひ神田明神へ! pic.twitter.com/gEqo9oO7Wf
— オマツリジャパン (@omatsurijapan) December 1, 2019
神田明神で定期開催されているお祭り「江戸東京夜市」では、境内で参加者を巻き込んだ阿波踊りも実施。外国人観光客が楽しんでいる様子も見られました。
本アート展の企画制作・演出は株式会社オフィスミゴト。このプロジェクトが始動したのは今年7月。大掛かりなイベントとしてはかなりの短期間です。清原社長は「今どきのオープンイノベーションだからこそ実現できた」と言います。CoCoRoが本展覧会を主催し、オフィスミゴトが作品をディレクション、そして神田明神が柔軟な姿勢で後押し。この3つの力が合わさって出来上がったこのアート展、見逃せません!
革新の積み重ねが伝統になる。柔軟な姿勢が、短期間でのプロジェクト実行を可能にする。株式会社CoCoRoの試みは、後継者不足、人不足に悩む全国の祭りや神社にとって、ひとつのロールモデルとなるのではないでしょうか。
開催日程 :2019年12月7日(土)〜2020年2月9日(日)
会場場所 :神田明神文化交流館 BF1 EDOCCO STUDIO
時間 :月〜木:10:00 〜 19:00(最終入場18:30)金〜日祝及び1/1〜1/3:10:00 〜 20:00(最終入場19:30)
入場料 :一般 前売り1,300円/当日1,500円 小中高生 一律1,000円(税込み) 未就学児無料
公式サイト :http://edotokyoakari.com/
「江戸東京あかり展」開催概要や出展クリエイターなど基本情報はこちらから
「江戸東京あかり展」が開催される神田明神周辺はオススメスポット満載!
「江戸東京あかり展 produced by 日本あかり博」に行ったら、ぜひその周辺も探索してみてください。
神田明神境内で行われるお祭り「江戸東京夜市」は、開催期間も被るので同時に楽しむことができます。また、周辺には美味しいお食事や、おすすめの観光スポットなども盛り沢山です。
ぜひ1日かけて「江戸東京あかり展」と併せて神田周辺をお楽しみください。
※当記事におきまして、「日本あかり博」開催実績について誤った表記がありましたため、該当部分を本文より削除いたしました。
誤りがあった表記は以下になります。
これまでもすみだ水族館・東京タワー・東京湾納涼船・ホテル雅叙園東京ほか、ロンドンでのジャパンエキスポでも開催された「日本あかり博」。
関係者のみなさま、読者のみなさまにご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。(2019/12/8 編集部)