日本には四季それぞれの魅力があります。その季節にしか顔を出すことがない花は美しくも儚いものです。一瞬一瞬、精一杯に咲き誇る花たちをカメラのフィルムに残したくはありませんか?
本稿では、花の個性を最大限に引き出す撮影方法を伝授!とあるコツを抑えておくだけで初心者でも完成度の高い写真が撮れるかも?!SNSに上がっている花の映え写真と併せてご紹介!
バラ
バラの特徴は、渦を巻くように重なる花びらの形です。あえてボケを活かしてバラの花びらにクローズアップして先端にピントを合わせるときらびやかに写ります。ゴージャスなバラの特徴を引き出すのであれば、花が開ききる前がベストタイミングといえるでしょう。
バラの代名詞である深紅のバラは、色が抜けがちなので露出を暗めに調整しましょう。バラの繊細さを表現したい場合は、前ボケなどを利用してふんわりとしたイメージに仕上げるのもおすすめです。満開のバラを背景にピントを合わせ、つぼみの状態のバラを手前に写すのも趣がありますね。
チューリップ
チューリップは、花壇の区画ごとに同じ種類のチューリップが植えられていることが多い品種です。違う色のチューリップが植えられた境目を狙うことで、複数の色のチューリップをフレームに収められます。
天気が良い日には青空を背景に入れましょう。広角レンズで空を見上げるようなアングルでチューリップが背伸びをしているような写真が撮れます。配置に留意した構図を作れば、整然と並んだチューリップの姿を効果的に捉えることができるでしょう。チューリップは縦に長い植物です。縦構図を意識することで全体的にバランスが良いチューリップを撮ることができます。
芝桜
芝桜はその名の通り、地面を芝のように覆いつくしながら咲く花のことです。花畑全体が見渡せる少し高めのポジションでカメラを構えれば、満開に咲く鮮やかな芝桜を美しく収めることができます。地形によって芝桜の見え方は変わります。広角レンズを使った撮影では、なだらかな丘一面に咲く芝桜の曲線美をフィルムに残すことができるでしょう。
究極の芝桜スポット「富士本栖湖」では、富士山と湖をバックに濃いピンク色の芝桜とのコラボレーションが実現。まるで絵画のような写真を撮ることができます。
ネモフィラ
ゴールデンウィークの時期になると青い群生が映えるネモフィラが見頃を迎えます。ネモフィラは広角レンズで撮っても良し、望遠レンズで狙うのもおすすめです。天気が良い日にはローアングルで青空を入れましょう。ネモフィラ:青空が1:1となる対比が理想的です。順光になるように撮影することでネモフィラの小さくも可憐な姿を収めることができます。
一面真っ青なパノラマも素敵ですが、大きな木を入れてアクセントにすることでネモフィラの清々しい青色をより表現することができるでしょう。
あじさい
あじさいの花は皆さんの幼少期の頃から馴染みのある花かと思われます。撮影するタイミングは、曇りの日もしくは日陰に咲いているあじさいを狙いましょう。撮影ポイントは、正面からでなく角度をつけて手前の花に寄るようにして撮影すると奥行きが出ます。
あじさいの雰囲気が一番楽しめるのは、雨の日か雨上がりのタイミングです。木漏れ日の中でまとまって咲くしっとりとしたあじさいを撮ることができます。水たまりに映るあじさい、ハート型のあじさいを発見できればSNS映えする写真になること間違いなしです!
ふじ
「万葉集」にも歌われている日本古来の花木であるふじの花は、日本の奥ゆかしさを表現する花です。近づきやすい藤棚は広角レンズで広がりを出して、画面下に1/5程度のスペースを空けておくと垂れ下がる花の形状を生かした写真を撮ることができます。
たくさんのふじの花の中から一本だけにフォーカスしてピントを合わせて撮影すると、他のふじの花の薄紫色が背景へと変化します。少し引いて横からのアングルに変えると、ふじの花の滝のように流れる躍動感を表現することが可能です。
ポピー
ポピーは、鮮やかな赤色、オレンジや黄色などの暖色系の大群衆で春の到来を知らせてくれます。細長い茎が特徴のポピーは、一枚一枚の花びらが大きく風が吹くと左右に揺られ撮影のタイミングを図るのが難しいです。風が止んだタイミングを狙いましょう。
ポピーは、ひとつの株にたくさんの花がつくのでボリューム感が出ますが、何も考えずにシャッターを押すとごちゃごちゃした一枚になりがちです。花畑から飛び出した一、二輪のポピーの花にピントを合わせましょう。まばらに咲いているポピーの場合は、太陽と青空を背景に撮影するのがおすすめです。空を見上げる一輪のポピーに照準を当てることで逆光気味になった花びらの透けたポピーが撮れます。
まとめ
花には人々の心を惹き付ける魅力があります。目線を下げる、仲間外れにフォーカスする、あえて逆光にするなど、ちょっとしたコツを抑えることでSNS映えする鮮やかな写真が出来上がります。それぞれの花の特徴を最大限に引き出す撮影方法でプロ顔負けの写真を撮りましょう!