ひなまつりは女の子の成長をお祝いする大切な行事。別名を「桃の節句」ともいいます。
全国の寺社の中には桃の節句を祝して、ひな壇飾りや吊るし飾りを飾ったり、桃の花や草餅をお供えする神事や流しびなの行事を行ったり、法要や祈祷を行ってくれるところも。そして、ひなまつりにちなんだかわいいモチーフを描いた御朱印を限定で頒布してくれる寺社もあります。
この記事では、そんなかわいらしい「ひなまつり限定御朱印」を厳選して5つ、ご紹介します。
目次
鮮やかな地紙に浮かぶ檜扇と切り絵のお雛様
福岡県八女市にあり古くから地域の人々に愛される福島八幡宮では、デザイン性にこだわったさまざまな限定御朱印が人気を集めています。
今年のひなまつり限定御朱印は、八女の切り絵作家「くろくも舎」松原真紀さんとのコラボ御朱印です。繊細な切り絵で表現されているのは、檜扇(ひおうぎ)を背景にした立ち姿の男雛と女雛。付属のトレーシングペーパーは鮮やかなグラデーションで彩色され、切り絵と組み合わせるとまるでステンドグラスのようです。檜扇の左右には赤紐が結ばれており、切り絵の美しさを際立たせています。
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ひなあられ付き!お雛様のイラストがかわいい
太子堂八幡神社は、東京の世田谷区内の10駅を2両編成で結ぶ、東急世田谷線の西太子堂駅近くにあります。御朱印のデザインがどれもかわいらしく、毎月たくさんの種類があるので繰り返し訪れたくなる神社として集印家の間でも有名です。
今年のひなまつり限定御朱印は、ひなあられの小袋が付いています。にっこりスマイルで並ぶ男雛・女雛は、どこか親近感のわく、あどけないかわいらしさ。頂いた瞬間に思わず微笑んでしまいそうです。
【ひなまつり 特別御朱印のおしらせです】
15日よりひなまつり特別御朱印(ひなあられ付き)をお頒ちいたします。
限定数がなくなり次第終了となります。よろしくお願い申し上げます。 pic.twitter.com/RXXDEaysoo
— 太子堂八幡神社 (@taishidohachim1) February 11, 2022
横長サイズを活かして「流しびな」の風習を描く
愛知県一宮市の若宮神明社は、地元で「若宮さん」と親しまれています。大迫力の特大御朱印がいただけることから、御朱印ファンの間でもちょっとした話題の神社です。
ひなまつりにちなんだ今年の特大御朱印は、2月19日~3月21日まで頒布中で、川辺で今まさに流しびなを流そうとしている親子が描かれています。
そもそもひなまつりは「子どもの災厄を祓って、健やかに成長することを祈念する」ことを目的としており、紙で作った「ひな」に自分の厄を移し川に流して厄を祓う流しびなが、現在のひなまつりのルーツともいわれているのです。流しびなの風習について詳しくは下記の記事をご覧ください。
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カラフルな「吊るし雛」と歌詞が印象的
仙台市青葉区桜ヶ岡公園にある櫻岡大神宮は、桜の名所としても人気の「西公園」に隣接する神社です。櫻岡大神宮の御朱印は、神社名にちなんで大きな桜があしらわれたデザインが多く、カラフルで気持ちが明るくなるものばかり。
今年のひなまつり限定御朱印は3月1日~6日までと短期間の頒布で、パステルカラーで「吊るし雛」の様々なモチーフが描かれた間に、「うれしいひなまつり」の3番の歌詞がゆったりとした文字で書かれています。
両親や親戚が、子どもの幸せを願って作った人形飾りを桃の節句に合わせて吊るす「吊るし雛(吊るし飾り)」は、日本の各地で行われている風習。つるし雛のモチーフにはそれぞれ意味が込められていて、例えば鶴亀=長寿、さる=病・災いが去る、団子=食べ物に困らないように、など縁起にまつわるものがあります。つるし雛の風習の詳細や、日本のどこの地域で行われているかは下記の記事をご覧ください。
『ひな祭り限定御朱印』頒布のお知らせです。
頒布期間・令和4年3月1日〜6日
初穂料500円
見開き、紙でのお渡しです。
参拝時マスク着用手の消毒をお願い致します。#櫻岡大神宮 #ひな祭り限定御朱印 #季節限定御朱印 pic.twitter.com/9BK62GIEwV— 櫻岡大神宮 (@sakuragaoka729) February 7, 2022
雛道具のひとつ「御伽犬」にほっこり
千葉県匝瑳市に鎮座し、水の神様をお祀りする椿ノ海水神社(つばきのうみ すいじんじゃ)。今年のひなまつり限定の御朱印は3月14日まで頒布の予定で、モチーフには雛道具のひとつ「御伽犬(おとぎいぬ)」が描かれています。
子どもの顔に犬の体を持つちょっと不思議な御伽犬の起源は、「狛犬」にあります。犬は多産でお産も軽いことから安産の守り神。御伽犬は嫁入り道具となり、お雛様と一緒に飾られるようにもなり、後に犬張子の原型にもなったのだそうです。
御朱印には、左右に一対の御伽犬が描かれ、雛人形とともに雛壇にも飾られるピンク色の「左近の桜」、黄緑と黄色の「右近の橘」が添えられています。御伽犬の和風なかわいらしさにほっこりと心が温まるような御朱印ですね。
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まとめ
ひなまつりは、子どもの健やかな成長を祈る行事。各寺社で色々なデザインの限定御朱印を授与していますが、どれも優しさや慈しみの心がにじみ出ているように感じられます。
眺めているだけで穏やかな気持ちになれるのは、子どもも親も皆の幸せを願う気持ちが込められているからなのかもしれません。ひなまつり時期に寺社に参拝される方は、ひなまつり限定御朱印があったら、ぜひいただいてみてはいかがでしょうか。