どこよりも早い郡上おどりが、銀座の街へやってきた!
素晴らしい晴天と夏の陽気に恵まれた、5月5日の土曜・こどもの日。銀座では、『第12回銀座柳まつり』が開催された。
吹奏楽パレードや、ふるさと観光PR、パフォーミングアートの披露など、さまざまなイベントが行われ、話題の秋田犬とのふれあいコーナーや、「銀座の柳」の苗木プレゼントもあった。
そんな中、最も盛り上がっていたプログラムといえば、間違いなく郡上おどりだろう。日本三大盆踊りの一つであり、「見る踊りでなく参加する踊り」をいち早く楽しもうと、浴衣に下駄の出で立ちで銀座を闊歩する人数の多い様、なんとも壮観であった。
東京近郊はもちろん、各地から集う、踊り狂いの助平たち
岐阜・郡上八幡では、踊りに魅せられた踊り狂いのことを、敬意を込めて「踊り助平」と呼ぶ。
この日の銀座には、首都圏からだけでなく、岐阜や愛知の踊り助平も多く駆けつけ、一瞬ここは郡上八幡ではないか?と目を疑うほどだ。各々再会を喜び、写真を撮る光景が至る所で見受けられる。
時刻は15時、郡上おどり保存会の挨拶の後、お囃子による《かわさき》の演奏とともに踊りが開幕する。
推定200人ほど(筆者イメージ)の踊り子たちと、それを眺めるギャラリーたち。外堀通りに広がる輪は四重五重となり、踊りのスペースを確保することが難しいほどの賑わいとなる。
この日踊ることができた曲は、郡上おどりを代表する《かわさき》と《春駒》を筆頭に、郡上藩主の青山家当主・幸道氏が、出迎えの者へ300文ずつ与え、感動した里人が踊りを披露したことが起源の《三百》、旅芸人が八枚の竹片を連ねて鳴らしつつ唄ったとされる《ヤッチク》、男女の情感豊かな「艶もの」の歌詞が魅力的な《さわぎ》、手毬唄の優雅な身のこなしが印象的な《げんげんばらばら》の6曲。
いわゆる「古調物」とされる《古調かわさき》《猫の子》《甚句》《まつさか》が踊れなかったことはいささか残念だったが、こちらは来たるべきシーズンの楽しみにとっておこう。
熱気は止まらない!戸塚・京都・青山と、踊りの輪は連鎖していく
さて、郡上八幡では7月14日(土)の『おどり発祥祭』を皮切りに、シーズン開幕となるのだが、その前に各地で郡上おどりを楽しめる機会が用意されている。
5月26日(土)には横浜・戸塚大踏切ひろばでの『郡上おどりin戸塚』、6月2日(土)には京都・ゼスト御池地下街御幸町広場での『郡上おどりin京都』、そして6月29日(金)・30日(土)、青山・秩父宮ラグビー場駐車場での『郡上おどりin青山』が開催される。
ぜひ夏の「本番」前に、浴衣を身にまとい、下駄ならしをしてはいかがだろうか。
なお、踊りにハマった方は、ぜひ郡上八幡へ出かけて欲しい。町のいたるところに清らかな水が流れ、城下町の趣き漂う八幡町中での踊りは、生涯忘れられない思い出となるだろう。
こうして郡上八幡へ通うようになり、中には移住する人間も多いのだ。
げに恐ろしき郡上おどりの世界へようこそ!
盆ボヤージュ!