茨木神社で開催される「十日戎」
日本の政治の中心は江戸時代に東京に移りましたが、天下の台所は変わることなく大阪が経済をリードし続けています。無数の商人が商売を競う関西地方では各地で、年始に商売繁盛を願う行事が行われています。1月9日から3日間行われる「十日戎」では、軽やかなお囃子に合わせて、「商売繁盛で笹持って来い」と歌われるのです。大阪府茨木市に社殿を構える茨木神社でも、「十日戎」が開催されています。
茨木神社は平安時代の807年、坂上田村磨呂が荊切の里を作ったときに現在の奥宮、天石門別神社が創建されたことに始まると伝えられています。本殿が造営されたのはのちの江戸時代1622年のことです。2022年は本殿創建400年にあたり、修復工事が行われています。
拝殿前に奉納される大マグロ
「十日戎」の3日間、茨木神社の拝殿の前には大きなマグロが奉納されます。鮮度を保つためか、氷漬けの状態です。マグロにお金を貼り付けると福を引き寄せることができると言われています。
バラエティー豊富な縁起物
拝殿前にはマグロの他にも様々なものが奉納されますが、境内はバラエティー豊富な縁起物で溢れます。福笹をはじめ、熊手、福箕、扇、額などに恵比寿様、お多福、大判小判、鯛などがデザインされます。
熊手を使えば福をかき込むことができるでしょう。福箕では福をすくいとることができるでしょう。福笹を受け取るときには福娘が鈴を響かせながら商売繫盛、家内安全を祈ってくれます。
露店が隙間なく並ぶ南と東の参道
茨木神社には拝殿から南と東に参道が設けられています。いずれの参道も「十日戎」の開催日には、露店が隙間なく並びます。
例年の茨木神社の「十日戎」で話題となる鏡割り、餅まきは、2022年は中止となりましたが、福娘による宝恵駕籠(ほえかご)市内巡行は実施されました。本戎の10日の午前中に福娘の乗った宝恵籠が神社から出発し市内を巡行しました。
神社は阪急線の茨木市駅の西約500メートル、JR東海道線の茨木駅の東約800メートルのところに社殿を構えています。阪急線の茨木市駅からは阪急本通のアーケード商店街が、神社の東参道に導いてくれます。
大阪府茨木市の茨木神社では、例年1月9~11日に「十日戎」が開催されています。拝殿の前には大きなマグロが奉納され、参拝者は福を願いお金を貼り付けていきます。境内にはバラエティー豊富な縁起物が溢れ、南と東の参道には露店がぎっしりと軒を連ねます。