※2021年は新型コロナウイルス蔓延の影響で「上州焼き饅祭」は中止となりました。(いせさき初市は例年より時間を短縮して開催予定)
2022年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。
(2020年12月20日 編集部)
(この記事は2020年1月に公開されたものを再編集しています。2020年12月20日 編集部更新)
群馬・伊勢崎が舞台のお祭り
今回のお祭りの舞台は、群馬県伊勢崎市。群馬県の南部に位置し、利根川を挟み埼玉県と面している市です。市内にある伊勢崎駅は、東武伊勢崎線の起終駅でもあり都内側の同じく起終駅の浅草駅からは二時間前後で来ることができます(写真はJRの看板ですが…。群馬のマスコット「ぐんまちゃん」のイラストがポイントです)。
この伊勢崎で、新年を迎えるのに欠かせないお祭りがあると言うことで行ってきました!そのお祭りの名は「いせさき初市」です!
大量のだるまがお出迎え
いせさき初市は大きく分けて2つの見どころを持っているお祭りです。その1つ目がこちら、だるま市です!
群馬県は高崎だるまをはじめ、だるまになじみの深い県ですが、伊勢崎のお正月にもだるまは欠かせません!通りには多くのだるま屋さんが店を構え威勢のいい声で客さんを呼びかけています!
通り一面だるまで真っ赤になります!お店によってだるまの顔や模様が違うので、お気に入りを見つけて歩くのも楽しいですね!
伊勢崎神社
いせさき初市、2つ目の見どころが行われる場所がこちら、伊勢崎神社です。伊勢崎神社は鎌倉時代の1213年に創建されたと伝えられ、伊勢崎総鎮守として地元の方々に大事にされている神社です。
大正15年に伊勢崎各所の神社が合祀されたため、たくさんの神様が祀られています。ご利益がハンパなさそう!
境内へ入ると多くの方が集まり、何やら煙がもくもくと・・・。
上州焼き饅祭!
上州焼き饅祭!こちらがいせさき初市2つ目の見どころです!
群馬、と言うと名物の1つに「焼きまんじゅう」と言う小麦粉を蒸してつくった饅頭に甘辛い味噌ダレを付けて食べるものがありますが、伊勢崎神社ではこの焼きまんじゅうを神事で扱います!
お昼も過ぎた14時、神前で「福まん神事」を終えた直径55cmの巨大な饅頭が姿を現しました!とにかくでかい!
続いて饅頭に味噌を塗るためのはけ(もはや箒)が登場!
大事に抱えられてきた壺の中身は、もちろんお味噌です!
最後に神事を終えた神主さんと巫女さんが出てきました。巫女を務めているのは伊勢崎市の観光大使でもあるミスひまわりのお二人です!
社殿から出てきた饅頭は4つ。まだ焼き上げることは行いません。まずは2020年ねずみ年の年男、年女による「願い文字の儀」が進められます。朱色の墨で書かれる文字はなんなのでしょうか?
こちらの年男さんが書いた文字は「吉」。めでたい感じがしますね!
「吉」「多」「伝」「笑」と言う文字が登場しました!今年はこのように行きたい、と言う願いを込めて書かれたそうです。
55cmの饅頭を焼き上げる!
願い文字を書かれた饅頭は、いよいよ焼き台へと運ばれていきます。これだけ大きい饅頭が、しっかりと焼きあがるのでしょうか?
じっくりと焼き上げていきます。表面にこんがりと焼き目が付いたところでひっくり返しです!一個5kgあるそうで、4つで20kg。なかなかの重さで持ち上げるのは大変そうですね!
そして焼きまんじゅうに欠かせない、味噌を塗ります!味噌を塗ってくれるのは先ほど登場したミスひまわりのお二人です!
長いはけを機用に動かして味噌を塗っていきます。その様はもはや名人芸!
味噌を塗る様子を横から動画で撮影してみました!勢いのいい塗りっぷりをぜひご覧ください!
いせさき初市名物「上州焼き饅祭」!直径55cm、1個5kgの饅頭に巫女さんが味噌を塗っています!1個から300名分取れると言うのも驚きです。
この神事は鏡開きのようなもので、大きなお饅頭には「お饅頭のように幸せが大きく膨らむように」と言う願いが込められてるんだとか。おいしかったです!#お祭り pic.twitter.com/uOFDFvWHoZ— 高橋佑馬@お祭りライター (@yuma_walking) January 11, 2020
焼き上がった饅頭は「福分け」として参拝客の皆さんへ無料で振舞われます!55kgの饅頭1つから、300人分が取れるんだとか。
早速私も焼きまんじゅうをいただきました!饅頭は小麦粉の素朴な味わいながら、上に塗った甘辛い味噌がマッチしてすごくおいしかったです!
上州焼き饅祭が終わったタイミングで、境内の外では日光猿軍団による芸の披露がはじまりました!正月飾りを着たお猿さんがかわいらしいですね!
お祭りの後は伊勢崎のB級グルメ?
ここからは番外編になりますが、せっかく伊勢崎まで来たのだから伊勢崎のグルメを食べたいっと言うところで、伊勢崎を代表するB級グルメを紹介します。その名も「いせさきもんじゃ」です!
焼きまんじゅうもそうですが、伊勢崎周辺は古くから冬季の二毛作が推奨され、小麦粉文化が発展してきた地域です。粉もんのもんじゃもそう言った背景から食べられてきたようですが、月島や浅草のもんじゃとは一線を画した独自の発展をしてきたのが伊勢崎です。その理由は、なんともんじゃの味付けに「いちごシロップ」と「カレー粉」を使用するところにあります!
ちなみに注文の仕方は「あま」と「から」。「あま」と言うといちごシロップを入れてくれ、「から」と言うとカレー粉を入れてくれます。食べなれてる通な方は、「あまから」と言う両方総取りなもんじゃにして食べている方もいました。独特な風味ですが、これはこれでおいしいです。ぜひ伊勢崎へ行く際はお試しください!
東武からJRへ乗り換えるため、新伊勢崎駅で途中下車し伊勢崎の町を見ながら伊勢崎駅まで歩く。お昼時なので食べ物を調べると、伊勢崎もんじゃなるものがあるとか。
一番有名な島田もんじやきさんへ行き注文すると“あま”から”あまから”の3種がある。あまはイチゴシロップでからはカレー粉と言う珍しさ! pic.twitter.com/WfYtZI6TGp— 高橋佑馬@お祭りライター (@yuma_walking) August 3, 2019
いせさき初市、いかがでしたでしょうか?だるま市に上州焼き饅祭と見どころがたくさんのお祭り。伊勢崎の方はこのお祭りがあることで新年の気合が入るそうです。ちなみにいせさき初市は毎年1月11日に日付固定で行われています。都内からも比較的アクセスしやすいお祭りですので、ぜひ来年は伊勢崎へ来てみてください!