鎌倉・光明寺が舞台
物語もラストスパートを迎えつつある大河ドラマの「鎌倉殿の13人」。その舞台、鎌倉にある浄土宗大本山 光明寺の秋の行事「十夜法要」が10月12日から14日の三日間で開催されています。
光明寺の創立は鎌倉時代の1243年(寛元元年)と言われ、鎌倉幕府第四代の執権 北条経時(北条義時のひ孫)がこの開基に関わったと伝わっているお寺です。境内を見渡すと国の重要文化財の本堂をはじめ、歴史ある建築群が並びその歴史の長さを体感できます。
光明寺は浄土宗のお寺ですが、浄土宗にとって10月から11月にかけて行われる大切な行事があります。それが「お十夜」や「十夜念仏」などとも言われる、「十夜法要」です。こちらは、古くは旧暦の10月5日夜から15日の朝まで十日十夜念仏を唱えていた法要で、その起源がここ光明寺なんです!
浄土宗のホームページによると、
光明寺の第9世観誉祐崇(1426-1509)上人が後土御門天皇に招かれ、宮中で『阿弥陀経』について講義をし、真如堂の僧と共に引声念仏(妙味豊かな節をつけてとなえる念仏)を修しました。天皇はこれに大変感激されて明応4年(1495)の10月、大本山光明寺での「十夜法要」奉修に許可が下されたのです。これが浄土宗における十夜法要の始まりです。
とあり、今では全国の浄土宗寺院で十夜法要が行われるようになったとされています。ではここからは、十夜法要の様子を見ていってみましょう!
練行列と日中法要
2022年は10月12日から14日の三日間で行われている、光明寺の十夜法要。後半二日間は様々な行事が行われていきますが、その中でも見どころなものの一つが、練行列です!その練行列がたどり着く先が本堂ですが、本堂は現在2028年までの改装期間のため、今年の到着点は開山堂となっています。その開山堂の目前へとやってきました!
本来であれば14時半の開始に向けて練行列がやってくるはずでしたが、雨天のため外での行列が中止に。ですが信徒の皆さまの御詠歌が美しく響く中、僧侶の皆さまの行列が進んできました!
※本来は近隣の九品寺から100mにも及ぶ練行列が進んでくる予定でした。なお例年行われる献茶も今年は中止となっています。
開山堂の側面では雅楽の生演奏が行われており、独特な雰囲気が醸成されています。
その間にも、どんどん僧侶の皆さまが開山堂の中へ。
御導師様も後方からご登場です。
鎌倉、光明寺で十夜法要が開催されています。
雨のため外での練行列は中止になりましたが、日中法要に向けた行列が開山堂へとやってきました。御詠歌が歌われる中での光景で美しいですね!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/aknwOnKIkD— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) October 13, 2022
行列が堂内へ入った後は、厳かに日中法要が執り行われていきました。
仏賛歌に合わせた稚児礼讃舞
十夜法要のもう一つの見どころが、稚児礼賛舞です!こちらは日も暮れた夕刻の18時半から開山堂で実施されます。時間になり、子どもたちがカラフルな衣装に身を纏い登場しました!
仏賛歌に合わせて舞が行われ、美しい光景です!この稚児は天童稚児と呼ばれ、舞を行い阿弥陀様のご利益をいただくことで、健康に育つと言う祈りが込められています。
中央では散華を行う場面も。
浄めの華が撒かれていきます。
光明寺の十夜法要。一日目のフィナーレを飾るのは稚児礼賛舞です!
仏賛歌が流れる中、美しい舞ですね!#鎌倉 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/CkSS8PanQl— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) October 13, 2022
山門の特別拝観、限定御朱印
十夜法要に合わせ、神奈川県の重要文化財へ指定されている山門への特別拝観も開催されているんです!この山門は江戸時代末期の1847年(弘化4年)に建立されたもので、高さが約20mもあるその姿は圧巻。また山号である「天照山」の額は後花園天皇から1436年(永享8年)に直筆で賜ったものになっていますので、ぜひご注目ください!
登ってみると、山門楼上には釈迦三尊、四天王、十六羅漢が安置されていました。
像から振り返って外を眺めると、目前には材木座海岸や由比ヶ浜の景色が広がります。天気が良ければ江ノ島をはじめ、遠くは富士山まで眺められるそうです。材木座海岸は鎌倉時代の主要な港でしたが、海運が盛んだった当時、海からこの大きな山門が見える光景は船乗りにとって素晴らしいものだったに違いありません。
また山門の袂では双盤念仏の披露も随時実施。双盤念仏とは、鉦を叩きながら唱える念仏のことで、こちらも十夜法要と共に光明寺からはじまったと伝えられています。独特の声調と鉦の音が魅力的ですね。
鎌倉の光明寺で十夜法要が行われています!山門の下では、じもとのかたによって行われる双盤念仏を見ることもできますよ。独特のリズム、盛り上がり方は見応えがあります!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/iLePEa1vxR
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) October 13, 2022
そして限定御朱印の授与も、十夜法要に合わせて行われています。今年からはじまったと言う切り絵のかわいらしい御朱印から、通常の御朱印に「十夜法要奉修」の文字入れがされた4種の特別なものまであり要チェックです!
ちなみに切り絵の御朱印にデザインされているお堂と蓮池は、開山堂の奥に臨むこともできました。ユニークな蓮ローソクの奉納も行うことができます!
お祭りグルメも手に入る
行事やお祭りへ来た際は、露店で提供されるグルメも楽しみたいですよね。光明寺の参道や境内には、十夜法要に合わせてたくさんの露店が並ぶんですよ!
稚児礼賛舞が終わる19時頃になると、地元の子どもたちでこの賑わい。目当てのお店を見つけたいですね!
焼きそばやお好み焼きなど、定番のお祭りグルメも手に入ります!
イカ焼きや焼き鳥と言うのも、飲める大人にはたまらないラインナップですねえ。
山門の下では漬物も並びます。これがなかなかにそそられるんです!
金魚すくいや射的、ダーツなど、遊べる露店もありました。
ぜひ十夜法要へ来た際は、お好みの露店も探していってください!
周辺情報・アクセス
光明寺の裏山へと登ると、こちらには開基に関わった北条経時のお墓があります。十夜法要と合わせて、お参りに行ってみてはいかがでしょうか?
またその途中には、光明寺越しに由比ヶ浜や江ノ島、晴れていれば富士山まで見渡せる展望台もありおすすめです。
■光明寺へのアクセス
・JR鎌倉駅 東口バス停(京浜急行バス7番のりば)より逗子駅行きに乗車し10分弱、光明寺前バス停で下車し徒歩1分
・JR鎌倉駅東口より徒歩約25分(約2km)
※行事当日の詳しい情報は、光明寺さんのホームページやSNSなどをご確認ください。