2023年10月23日から25日の三日間、京都府亀山市で「亀岡祭」が開催されます!
「丹波の祇園祭」とも呼ばれるこの祭。この記事では、京都在住の写真家・佐々木美佳さんによる最終日本祭の現地レポートとともに、2023年の開催情報をお届けします!
◆明智光秀ゆかりの地!京都府亀岡市
亀岡は京都駅からJR嵯峨野線の快速で約20分。嵐山の先に亀岡駅があります。
明智光秀は丹波亀山城の初代城主です。2020年大河ドラマ「麒麟がくる」の主役でもある光秀。
現在、「光秀公のまち亀岡」は京都スタジアム「サンガスタジアム by Kyocera」が建設されており、京都スタジアム内特設会場では、「麒麟がくる京都大河ドラマ館」のオープンが予定されているなど、近年、注目の場所です。
◆丹波の祇園祭「亀岡祭」亀岡最大の秋祭り
「丹波の祇園祭」と呼ばれている亀岡最大の秋祭り「亀岡祭」。
「古代、亀岡の盆地が泥湖であった頃、出雲大神が、八神と黒柄岳に神集いされて一葉の船に乗り、一把の鍬を持って浮田(請田)の狭を切り開き、湖水を干拓して肥沃な農地とした。里人はこの神の徳をたたえ、また、使った鍬が山積みしたことにより、鍬山神社と名付けお祀りをしたのが、当社の始まりである。和銅2年(709)に社殿がはじめて建てられた。」※神話(社伝) 亀岡市神職会 昭和60年発行「亀岡神社誌」より抜粋
そんな京都府登録無形民俗文化財・亀岡市指定無形民俗文化財の「亀岡祭山鉾行事」は、鍬山神社の鍬山宮・八幡宮二社の例祭です。
こちらの記事では、1か月に渡る亀岡祭の本祭の【山鉾巡行】をご紹介いたします!
◆無形文化財の「くじ取り」
このくじ取り式は亀岡市の無形民俗文化財に指定されています。
山鉾巡行の当日、亀岡市長が奉行役となり、扇でくじ札の紐をほどいたり、結んだりする独特な所作で「くじ改め」。
順番争いをなくすために行われる くじ取りは亀岡市制55周年、丹波亀山城築城400年を記念して約140年ぶりに復活しました。
◆本祭・山鉾巡行での11基をご紹介!
丹波亀岡城下町は京格子、虫籠窓の商家や町家と城下町の風情を残しており、細い道や曲がった道がたくさんあります。
その中で大きな山鉾が巡行していく姿は迫力満点。曲がり角での辻回しでは歓声があがります。
京都の祇園祭との大きな違いは女性も山鉾に乗り、音頭取りを行うこと。子供たちも多く参加しており、地域に根付いた祭を身近に感じることができます。
この記事では令和元年の順番で山鉾巡行をご紹介いたします。
くじ取らず 「翁山鉾」三宅町
能楽「式三番」に由来する白色尉と黒色尉がご神体。
「式三番」が能楽の催しの最初に演じられることから、山鉾巡行では「くじとらず」で一番です。
前懸幕は西陣織で作られており、三国志の主人公、劉備・関羽・張飛を描いた「桃園の結義」。
直径145㎝の大きな車輪で、一番長い距離を走行する翁山鉾は形原(かたはら)神社に向かいます。
「浦島山」呉服町
ご神体は浦島太郎。
胴幕は「玉取り獅子」文様の完全な状態の織物。ほとんどの朝鮮毛綴が裁断した縦継ぎのため、動く美術館の名にふさわしい姿を見ることができます。
中国・清朝時代の水引も大変、貴重なものです。
「稲荷山」新町・旅籠町
ご神体は「稲荷神の倉稲魂(うかのみたま)」が天秤棒で稲穂を背負った姿。
見送り幕は、西陣織の「虎に仙人図」。旧前懸幕「浅葱地雲龍文様繻珍綿」は中国清朝の皇族が使用するほどの一品でした。
「羽衣山鉾」西竪町・東竪町
ご神体は謡曲「羽衣」の天女と漁夫。可愛い天女が「くじ改め」にも登場します。
平成14年に130年ぶりに山鉾が復活し、懸想品は手作りのものが飾られています。
山鉾は亀岡祭の中で最大の大きさです。
「難波山鉾」矢田町・京町・上矢田町
渡来人の学者で能楽「難波」の主人公「王仁(わに)」がご神体。
10年間、「町中が、えいやえいやと、引山に、なおすも神のちからなりけり」と町内の人々が質素倹約して建造した山鉾です。
「三輪山鉾」本町
三輪山鉾は現存する中で一番古い山鉾です。
ご神体は奈良県三輪山麓にある大神神社の祭神「大物主大神(おおものぬしのおおかみ)。
山鉾には能楽「三輪」の女神像と三ツ鳥居(みつとりい)が祀られています。
くじ改めが終わると、山鉾に向かって扇で合図を送り、音頭取りのかけ声と舞により、ゆっくりと大きな山鉾が動き出します。
「武内山鉾」紺屋町
ご神体は神功皇后が宇佐宮で安産された応神天皇を武内宿禰(たけのうちのすくね)が抱いた姿。
祇園祭の蟷螂山の部材を使った山鉾です。中国清朝の皇族が使うような見送り幕を飾りつけ、最後まで美しい姿を魅せてくれます。
「蛭子山」塩屋町
やさしく微笑み鯛を釣り上げた恵比寿様がご神体。
鎖国時代に大型綴錦(つづれにしき)11枚もの数を揃えています。前掛けは「宝」の文字の金刺繍。西陣大型綴の見送幕は三人のオランダ人の姿を描いています。
「高砂山鉾」柳町
ご神体は謡曲「高砂」の人形「尉(じょう)」と「姥(うば)」。
1825(文政8)年に曳き山となり、前掛けはそのときの名残の「寿」の文字が入っています。
胴幕は蝶や蝙蝠等の幾何学模様が入った中国甘粛省の織物。
「八幡山鉾」西町
御神体は八幡宮。
亀山祭の中でこの八幡山鉾だけが造営記録が残っており、平成の大修理を終え、豪華絢爛な美しい姿を見ることができます。
城下町の細い道で辻回しができるように車輪を浮かして回す構造になっています。
「鍬山鉾」北町 くわやまほこ
ご神体は丹波の開拓神「鍬山大明神」。細い路地でぐるりと回転したり、屋根が跳ね上がる仕掛けがあります。
「くじ改め」の場所の辺りで辻回しを披露すると歓声があがりました。
◆亀岡祭 スケジュール
10月23日 宵々山 10月24日 宵宮 10月25日 本祭 ※荒天中止
亀岡駅の観光案内所で「亀岡祭パンフレット」をいただけます。山鉾巡行の場所や交通規制マップもついている優れモノです。亀岡祭に来る際にはぜひいただいて行きましょう!
主なスケジュール
10月1日 氏子領境八箇所御斎(おいみの)榊立て/吉符入り(鍬山神社)
10月5日 くじ取り式 (亀岡市役所)
10月18日 御神輿飾り (鍬山神社)
10月20日 神幸祭(おいで祭り) (形原神社御旅所)
会所飾り(各山鉾町) あんどん設置(各山鉾町)
10月23日 【宵々山】山鉾ライトアップ&夜店 朝から山鉾建て あんどん設置
山鉾スタンプラリー お神酒、甘酒のふるまい
10月24日 【宵宮】山鉾ライトアップ&夜店 (形原神社御旅所)
山鉾スタンプラリー お神酒、甘酒のふるまい
10月25日 10:00~13:00 【本祭】旧城下町一帯を山鉾巡行
還幸祭 午前中【大祭】(氏子町一帯) 午後【御神輿お山入り】(鍬山神社)
10月26日 御神輿仕舞い (鍬山神社)
10月31日 神事済奉告祭 (鍬山神社)
2023年の開催情報!
日時:2023年10月23日(月)、24日(火)、25日(水)
場所:亀岡市街