Now Loading...

「ながい黒獅子まつり」大きくて躍動感あふれる|観光経済新聞

更新日:2021/11/19 いなむ
「ながい黒獅子まつり」大きくて躍動感あふれる|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2021年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

大きくて躍動感あふれる

山形県長井市では「黒獅子」という獅子舞が見られる。黒い顔を覆うように垂れ下がる白い髪や鼻ひげが印象的だ。胴体が長く多くの人数で演じるため、「百足(むかで)獅子」と呼ばれることもある。日本全国の獅子舞を取材している私は、地域特有のこの獅子舞をぜひ拝見したいと感じ、2021年5月22日に「ながい黒獅子まつり」を訪れた。

本場で黒獅子を見ると胴体が大きいからか、想像以上の迫力があった。動き始めると躍動感もあり、まるで実際の生き物のようだ。一番の見どころは、獅子と警護が力比べをするシーンである。警護が声を荒げ、獅子の顎下をつかみ、神社へ獅子を導こうとする。最初は獅子が勝って逃げ回る。しかし、最終的には神社に導かれ、獅子頭が祭壇に収められる。最後は提灯の淡い光に照らされた獅子を拝み、厳かな締めくくりとなった。

ところで、黒獅子はなぜ始まったのだろうか。起源は今から約千年前の前9年の役にさかのぼる。源頼義の子・義家は、長井の地を治める安倍貞任の娘・卯の花姫に兵を引くことを持ちかけた。この時、謀略にはまり敗退をしてしまった卯の花姫は、三淵(みふち)渓谷という場所で身を投げた。その時に卯の花姫が竜神となり川を流れる姿を模したのが、長井の黒獅子の起源ともいわれる。源頼義が社殿を再建した總宮神社で最初の獅子舞が行われてから、現在は市内約40カ所の神社に黒獅子が伝わっている。

今回、ながい黒獅子まつりを訪れ、黒獅子が地域にとって特別で重要な存在であることを実感した。お祭り期間にかかわらず、長井駅には黒獅子の獅子頭が飾られ、市内にある町案内の看板には黒獅子のイラストが描かれていた。今回はコロナ禍で縮小開催となってしまったが、本来であれば町中で何時間も獅子が舞い、さまざまな場所で黒獅子が見られただろう。まだ黒獅子を見たことがないという方は、例年5月下旬に開催されているながい黒獅子まつりをぜひ訪れていただきたい。

観光経済新聞のWEB版記事はこちら

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
獅子舞マニアです。ライターやカメラマンをしています。趣味は、獅子舞の鼻を撮影することです。その他クレイジーな祭りにも潜入します。

あわせて読みたい記事