鬼鎮神社の豆まきのかけ声は「福は内、鬼は内、悪魔そと」
一般的に「鬼」は、怖い、悪いなど、ネガティブなイメージをもってしまうことでしょう。節分でも、「鬼は外」と叫ばれてしまいます。ところが、埼玉県北部の武蔵嵐山には「鬼」を大切に祀る神社があります。鬼鎮神社でも、毎年2月3日に節分祭が行われています。豆まきのときのかけ声は、「福は内、鬼は内、悪魔そと」なのです。
主役の「鬼」が境内に溢れる鬼鎮神社
鬼鎮神社は、東武東上線の武蔵嵐山駅の北東約800メートルのところに社殿を構えています。1182年頃、鎌倉幕府の御家人であった畠山重忠が鎌倉街道沿いに菅谷館を建造した際に、鬼門に厄除けとして創建されたと伝えられています。
「鬼」は敬遠されることが多いのですが、鬼鎮神社の主役は「鬼」です。境内のいたるところに「鬼」の姿が描かれています。「鬼」は強さを象徴するため、古くから武将や軍人などに勝利の神様として崇められていたのです。
本殿の脇には、金棒まで準備されています。
年男たちに混じって福豆をまく赤鬼、青鬼
鬼鎮神社でも節分に豆まきが行われています。例年15:00頃から始まります。開始時間直前には境内は大勢の人で埋め尽くされます。
「鬼」を敬う鬼鎮神社の豆まきでは「鬼は外」とは言えません。年男たちは「福は内、鬼は内、悪魔そと」と唱えながら豆をまきます。そればかりか年男たちに混じって、赤鬼と青鬼が豆をまきます。鬼が豆をまく節分なんて、他のどこで見られるのでしょう。鬼鎮神社では勝利の神様は内、いや傍にいてくれないと、強くはなれないと考えているのかもしれません。さらに、鬼鎮神社では福豆ばかりでなくミカン、団子、お菓子などがまかれます。
豆まきで歳の数の福豆がゲットできなくても、本殿に行けば誰と争うこともなく福豆を頂くことができます。また、豆まき終了後の境内は福豆だらけです。これを拾う人の姿を数多く見かけます。
赤鬼、青鬼と並んで記念撮影して引き寄せる福
豆まきを終えた赤鬼と青鬼は社務所の前で、片手に金棒を持って仁王立ちします。勝利の神様と並んで記念撮影をすれば、きっと福を引き寄せることができるでしょう。
社務所では福豆の販売が行われ神楽殿の横には、あま酒やおでんの露店も登場します。神社の側道にも数々の露店が軒を連ね、おまつり気分を盛り上げています。
鬼鎮神社は「鬼」を大切に祀る珍しい神社です。境内には「鬼」の姿が溢れています。鬼鎮神社でも毎年2月3日に節分祭が行われ、赤鬼、青鬼、年男たちが「福は内、鬼は内、悪魔そと」と叫びながら豆をまきます。