(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2021年6月6日 編集部更新)
目次
水戸八幡宮で開催される「水戸のあじさいまつり」
どんよりした空から雨が落ちる日が続く梅雨の時期は気分が塞ぎこんでしまうものですが、雨露にしっとりと濡れるあじさいの花を見ると和の風情を感じることができます。全国各地にあじさいの名所がありますが、水戸市では水戸八幡宮では、例年5月下旬から7月上旬にかけて、あじさいの花で豊かに彩られ「水戸のあじさいまつり」が開催されています。2021年は6月12日~7月4日に開催されます。
安土桃山時代の荘厳な雰囲気を漂わせる水戸八幡宮
水戸八幡宮は、戦国時代末期に常陸国を治めた佐竹義宣、1592年に水府総鎮守として当宮を鎮祭し、1594年に本殿を創建しました。本殿、拝殿、随神門などは戦災を免れたため、安土桃山時代の荘厳な雰囲気を漂わせています。
水戸八幡宮は小高い丘の上に建立されているので、一般道に面する小さな鳥居を潜り100段足らずの階段を上らなければなりません。階段の左右に咲くあじさいの花が励ましてくれるようです。
参道や境内を隙間なく包むあじさいの花
階段を上りきると、境内に繋がる参道です。参道沿いには、あじさいの花が隙間なく咲いています。
あじさいの花を眺めながら参道を歩き、鳥居、随神門を潜れば神社の境内です。境内には記念撮影用のパネルが設置してあるばかりでなく、傘つきのベンチが準備され、和の情緒が漲ります。
拝殿の正面には夏越の大祓いの時期でもあるため、茅の輪が設けられています。茅の輪くぐりをすれば、厄払いができることでしょう。
境内は稲荷神社、武内宿禰神社などの摂末社が取り囲んでいます。各々の摂末社は、あじさいの花で埋もれています。
「山あじさいの小道」の中の杉木立を帯のように装飾する山あじさい
参道や境内のあじさいもさることながら、水戸八幡宮で見落としてはならないのが、境内の東に接する「山あじさいの小道」です。
背の高い杉の木立を山あじさいが埋め尽くしています。一般的なあじさいは手毬のような花を咲かせますが、山あじさいは小ぶりの花をつけます。
烈公が涼をとったと伝わるケヤキの巨木からあじさいの花越しに眺める水戸市街
「山あじさいの小道」からさらに東に行くと、「烈公涼所」です。江戸時代後期、常陸水戸藩の第9代藩主を務めた徳川斉昭は、何度も水戸八幡宮を参詣し涼をとったと伝わるスポットです。
烈公涼所の中心には、樹齢約400年、樹高約30メートル、幹周り5.75メートルのケヤキの巨木が元気に育っています。ケヤキをあじさいの花が囲み、眼下には水戸市の市街地が広がります。
季節限定で販売される「幸せあじさい鈴守り」
水戸八幡宮には山あじさいを中心として約60種、約5,000株のあじさいが色鮮やかに咲き誇っています。美しいあじさいの花の姿を目に焼きつけた記念に、神札授与所でお守りを買うのもいいでしょう。多種のお守りの中で、季節限定の「幸せあじさい鈴守り」が目を引きます。
水戸八幡宮は水府総鎮守として常陸水戸藩に篤く保護されてきました。境内や参道は、例年5月下旬から7月上旬にかけて、あじさいの花で豊かに彩られます。中でも「山あじさいの小道」では、杉の木立を小ぶりの山あじさいが帯のような装飾をつけています。