水戸八幡宮のお正月の祭り
茨城県の県庁所在地、水戸市。江戸時代には徳川御三家の一つである水戸徳川家が治め、徳川家康の孫でありこちらから輩出された水戸黄門(徳川光圀)や、水戸藩第九代藩主の徳川斉昭が造園した梅の名所で日本三名園の一つでもある偕楽園がよく知られています。そんな水戸の守り神”常陸國水府総鎮守”として親しまれている神社に水戸八幡宮があります。今回ご紹介するお祭り「はねつき・破魔弓神事」の舞台です!
水戸八幡宮のはねつき・破魔弓神事は、毎年成人式の日に開催される水戸のお正月の風物詩的なお祭りです。こちらの式次第で行われていきますので、その内容を見ていきましょう!
神職と巫女が羽根を突き合う
神事がスタートする11時半に合わせて社殿前へとやってくると、神事にも登場される水戸の梅大使と新成人の皆さまが出迎えを行っていました。晴れやかですね!
神事の斎行にあたり、神職と巫女の皆さまが登場しました。
新成人、水戸の梅大使の皆さまも続きます!
神事がはじまりました。手前の赤い布の敷かれた場所が、はねつきの舞台となります。
順番に進められていく祝詞奏上やお祓い等。はねつきを行う皆さまや参列者に向けてもお祓いをしてくれますよ!
また邪気祓いの矢が宮司さんにより放たれる場面も。
水戸八幡宮、宮司さんにより、邪気祓いの矢が空高く放たれました!一年間平穏に過ごしていきたいですね!#はねつき神事・破魔弓神事 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/gsxllIamkM
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) January 9, 2023
続いてははねつきの開始を前に、新成人のお二人によっての羽子板の奉納が行われます。神職の方が持つ羽子板に描かれているのは、手書きの鯉のぼりと鍾馗。迫力がありますね!
美しい振袖を纏った新成人のお二人が、羽子板の奉納を行いました。
さあここからははねつき神事のはじまりです。はねつきは女性神職3名、巫女3名が対となり3組で実施されていきます。白木で作られた羽子板が手元に配られました!
カンッコンッと言う音を響かせながら、羽子板が行われます!うまくラリーが行えるでしょうか。
羽根が落ちてしまったら、次の組に交代。はねつきが続けられます。ところで一般的にお正月の遊びとして知られているはねつきですが、なぜ神事として行われているのでしょうか。現代となっては全国的にも珍しいはねつき神事ですが、古くは神事や占い事として各地で行われていたんだそうです。また室町時代には、宮中で宮様や公家がはねつきをしていたとの記録が残ってます。そしてここ水戸八幡宮では、稲の作柄を占うために今でも毎年お正月に執り行われているのです!
真剣に続けられるラリー。羽根の行方に観衆は目を離せません!
上に下に飛び交う羽根。上手に拾う度に歓声が上がります。
女性神職と巫女による羽付きで、今年の稲の作柄を占います!#はねつき神事・破魔弓神事 #水戸八幡宮 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/Jz6Sh8wn92
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何度か繰り返しはねつきが行われ、稲の作柄の占い結果が発表となりました。その内容は「稲作全体的にまずまず、やや良」と言う結果に。平穏に今年一年は稲作ができそうですね!
新成人も晴れ着ではねつき
神事としてのはねつきが終えられた後は、新成人と水戸の梅大使の皆さまによるはねつき奉納が行われます。今度は2組同時での実施です!
カンコン、カンコンとどんどんはねつきが披露されていきます。段々とラリーを行う回数も長くなっていました。
晴れ着でのはねつき、お正月らしい風景でめでたいですね!
水戸八幡宮で、水戸の梅大使と新成人による羽付きの奉納が行われています!カンコン鳴ってめでたいですね!#はねつき神事・破魔弓神事 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/7pHnqdNljW
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古式射礼で邪気を払う
はねつきの後に行われるのは、古式射礼。古くからのスタイルで矢が射たれていきます。まずは女性の皆さまからです。
とても弓が長いですね。3本が並び美しい!
さあ一発目が放たれます。
なんと、ど真ん中に命中!「おおーっ!」「すごい!」と言った歓声が上がっていました。的には”邪”と書かれ、これは一年の邪気を祓えそうですね。
一人2本ずつ矢を射たれていました。弓矢を構えた姿が凛々しいです。
破魔矢が放たれ、一年の邪気を祓います!#はねつき神事・破魔弓神事 #水戸八幡宮 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/4EdDq7j6SZ
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女性に続いて、男性の部も行われます。古式装束がかっこいいですね!今回は邪の的ではなく、流鏑馬などでも使用される板が的になります。
さあ、的中させられるでしょうか。
放たれた矢は、真っ直ぐ的へと飛んでいきます!
お祭りの関連行事が一通り終わると、午後には一般の方も参加できるはねつき大会、弓大会が開催されます。当日誰でも参加申し込みができ、社務所横ではこのように羽子板と羽根が参加者へ渡されていました。ぜひこの機会にはねつきや弓を試してみてください!
はねつき俳句表彰、露店グルメ
神事が行われる前には、事前に募集されていた「はねつき俳句」の表彰も行われました。見事受賞された方には、豪華な羽子板が水戸の梅大使より授与されていましたよ!
また社殿前にある隋神門には、お正月らしく門松が立てられていました。こちらも要チェックです!
またこの隋神門の周りには露店も登場!お祭りグルメが食べられるのは嬉しいですね。
アクセス
■水戸駅まで
・上野駅からJR常磐線ひたち・ときわで約70分
・いわき駅からJR常磐線ひたちで約65分
・笠間駅からJR水戸線・常磐線で約25分
■水戸駅から水戸八幡宮まで
・水戸駅バス停より茨城交通(水戸市内循環 外回り)で八幡宮入口バス停まで約12分。下車後徒歩3分で到着
毎年成人式の日に開催されている水戸八幡宮のはねつき・破魔弓神事。ぜひお正月のお祭りの雰囲気を味わいに来てみてください!