原作・絵”昭和の円空”仏師・西村公朝 作 朗読劇「目連尊者」を作ってみた
お盆についての記事『お盆とは地獄の蓋が開く「ご先祖さまが帰ってくる一週間」!お坊さんに聴いてみた』の中で出てきた謎のキーワード「お盆の朗読劇」。
その謎を解くべく、京都・愛宕念仏寺(おたぎ ねんぶつじ)のミュージシャンでもある西村公栄住職に伺ってみました。
何年も前にお彼岸の行事で行ったという「朗読劇 盂蘭盆の話」。
録音が残っているというので聴かせていただきました。
佐々木「その行事のときの動画はないんですか?」
西村住職「ないですねぇ…。あればおもしろいんですが。音声は残っています。手直ししたいところもあるんですよね。」
佐々木「そうなんですか。朗読なら、やりますよ!」
西村住職「それなら、録音の取り直ししましょう!!」
ということで、本当にお盆の朗読劇の動画を新しく作ることに!!
しかし何年も前のことで台本がどこにあるか見当たらない、ということで、まずはテープ起こしからスタート。
文字にしていくと見えてくる部分があちこちに出てくる。
「十万億仏土(じゅうまんおくぶっど)」とは一体、何?など、聞いたことのない知らない言葉も出てきます。
次にどんな風にセリフを表現するか何度も練習をしながら、西村公栄住職にチェックしていただき、いざ本番!
子供への絵本の読み聞かせくらいしか朗読はしたことがないけれど、何度も足を運んでいる愛宕念仏寺のご縁で録音することになった一人語りの朗読。
登場人物は恐れ多くもお釈迦様や閻魔様。
男性ばかりと思えば、極楽鳥や鬼の役も。
そして実際に録音をはじめると、練習とは違い「声を張りながら話す」がめちゃくちゃ難しい!
だんだん落ち着いて慣れてきたところで録音終了。…脱力。終わった~。
完成した朗読劇はこちら!子供にもわかりやすいお盆のお話しをとくとご覧あれ!
画像は昭和の円空とも呼ばれた先代の住職、西村公朝先生の作品。多くの仏像を修復した仏師で、とても可愛らしい絵です。この絵とのコラボができたのも感慨深い。(しかし、改めて自分の声を聞くのは恥ずかしい…)
京都 愛宕念仏寺(おたぎ ねんぶつじ)
お盆の朗読劇を作成した愛宕念仏寺(おたぎ ねんぶつじ)は嵐山の奥にある嵯峨野地域のお寺。
奈良時代には山城国愛宕郡(おたぎごうり)と呼ばれていた土地に創建したため「おたぎ」という名前を冠しています。
近くには日本らしい景色が広がる「嵯峨鳥居本」や、一つ積んでは父のため…の「あだしの念仏寺」、愛宕山の山頂には火除けのお札「火之要慎」で有名な「愛宕神社(あたご じんじゃ)」があります。
愛宕念仏寺は全国からの参拝者が作成した千二百羅漢をはじめ、近年ではドラマのロケ地の聖地としても有名です。
境内にはユーモラスな羅漢像がいっぱい!
耳をすませている者、テニスラケットを持っている者、あかんべーをしている者…。
思わず笑ってしまう個性的な羅漢様が並んでいます。
「土仏教室」お寺の土で作る仏様
愛宕寺で試していっていただきたいのは「土仏教室」。
昭和の円空とも呼ばれた西村公朝先生のような、やさしいお顔の土仏が作れます。
公朝先生の息子である西村公栄住職によると、土仏教室用に良い粘土はないかなと探していたときのお話が仏様のお導きのようで、とても印象的でした。
どんな話かというと…。
ある日、境内の樹が大雨により倒れてしまったのですが、その根元には良質な粘土が!
そんな仏様のお力によりいただいた土で仏様が作れます。
西村住職によると『地蔵とは「地に蔵する仏」という名前で「地面」そのもの』。
普通の粘土細工と違い、息を吹きこみ真言を唱えたりと、ちょっと特別な体験もできます。
子供も一緒に楽しめ、夏休みにもぴったりです。
愛宕寺の四季
紅葉の時期は特に美しい境内を満喫できます。
雪が降ったときもぜひ訪れてみてください。
珍しく大雪が降ったときは雪帽子ならぬアフロ羅漢に出会えますよ。
天台宗 愛宕念仏寺 Otaginenbutsuji temple・行き方
本尊:厄除千手観音 開山:称徳天皇
交通:バス「愛宕寺前」下車
住所:京都市右京区嵯峨鳥居本深谷町 2-5 map
TEL:075-285-1549
拝観時間:8~16:30
URL:愛宕念仏寺
拝観料:300円