新型コロナウイルスの影響で、今年は色々なお祭り・イベントが中止になり、どこか寂しさを感じていた人々にも笑顔を与える山車となりました。
盛岡八幡宮のお膝元の八幡町の人々、八幡町の山車組「い組」、そして盛岡山車推進会のみんなの力を結集し、盛岡八幡宮疫病収束祈願山車を運行しました。祭りの力を感じた素敵な時間でした。
筆者も参加した祭りの一部始終をご覧ください。
検温、除菌そしてマスクシールドで予防
およそ100名の参加者は、全員検温、除菌、そしてマスクシールドをつけて準備万端。
例年9月に開催される例大祭がなかったため、久しぶりに会う人も多く、笑顔で写真を取り合う光景があちこちでみられました。いつもと違う11月の山車運行となり、厚い下着や薄いダウンを半纏の下に着込み予防に努めました。
山車の演題は『矢の根』
急遽の山車運行となった今回は、盛岡山車推進会の皆様の力をお借りし、盛岡の観光施設「おでって」に展示していた山車を手直しすることになりました。
演題は「矢の根」。父の仇討ちに18年の短い生涯のすべてを尽くした曽我十郎・五郎兄弟の物語の一場面です。見返しは金太郎、かわいらしく元気な姿が目を引きます。
今回の音頭は通常上げる事のない演題を2時間という短い運行時間に10本程度と決められた音頭の数と人数で行うので、平均してほぼ一人1本という緊張の中での音頭上げとなりました。
いつものお祭りだと団体ごとに演題が各年ごとに変わり、その年の山車の演目に沿った七・七・七・五の音頭節となります。通常は8月の終わりごろから練習をはじめ3日間のお祭りで声が枯れるほど何度もうたい上げるものです。
いよいよスタート晩秋の盛岡山車出陣
八幡宮の宮司が参加者を始めとする皆様の健康を祈願し、いよいよスタートです。
お囃子が始まると、参加者、沿道の人々から笑顔が溢れました。例年以上に山車の後ろをついて歩く人々が沢山見られました。盛岡八幡宮を出発して、市内中心部にある肴町アーケードを巡り、また八幡宮に帰ってくるルートです。肴町アーケードから八幡宮までは、疫病収束の内容や山車の演題になぞらえた音頭上げが披露されました。私たち音頭は、通年と違い一度も大きな声で練習できなかったため、自分の番が来るまで緊張しきりでした。それでも音頭上げを終えると、沿道の皆様から拍手や歓声をいただき、とても暖かい気持ちになりました。やっぱり祭りは最高です。
当日の様子はこちらをご覧ください。(もりおか八幡界隈まちづくりの会提供)
来年に願いをこめて
午後3時から5時迄2時間という短い時間でしたが、参加した人、山車を支えてくださった方々など多くの人々に支えられ、無事運行を終えました。
主催者である「もりおか八幡界隈まちづくりの会」の大石仁雄会長は、
「短い時間でしたが、沢山の皆様に喜んでいただき嬉しいです。来年は無事にお祭りができるといいですね。」と笑顔で話していました。
祭りが終わって日にちがたちましたが、この山車運行に関わった人がコロナになったとの連絡はありません。地元の八幡様に守られているのかな。などと少しロマンチックなことを考えながら来年に思いを馳せました。来年は、2021年9月14日から3日間開催の予定です。
来年は、盛岡八幡宮例大祭をもっと沢山の人に見ていただきたいです。