無印良品の福袋ならぬ「福缶」がカワイイと毎年人気になっています。
缶の中に、昔から日本で親しまれている手づくりの縁起物50種類のうちのどれか1つと、ギフトカードが入っている新年限定の商品なのですが、福袋のように何が入っているのかは分かりません。
先ごろネット抽選と結果発表が行われた2022年バージョンの福缶。中に入っている縁起物50種類のうち、約30種は来年の干支「寅」にちなんだ虎の縁起物です。
そこでこの記事では、無印良品の福缶の中身に選ばれた虎のカワイイ縁起物のうち、特に伝統や歴史があるものを厳選して紹介するとともに、そのうちの1つが配られることで有名なお祭りも合わせてご紹介します!
ちまたで大人気の無印良品「福缶」って何?
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無印良品の「福缶」のスタートは2012年のお正月。東北復興への願いを込め、東北4県(青森、岩手、宮城、福島)の縁起物14種類を缶詰にして販売したのが始まりです。個性ある縁起物のかわいらしさや面白さから瞬く間に完売し、毎年の人気商品になっています。
前回の2021年版では、縁起物1点とギフトカードの他、縁起物をかたどったブックマークも入っていましたが、2022年版では縁起物1点とギフトカード(2,022円分)のセットになります。販売価格はギフトカードと同額の2,022円です。
2022年版の福缶の入手方法は、事前のネット抽選への応募のみとなりました。実はオマツリジャパンのスタッフも何人も応募したのですが、全員落選…。気を取り直して書いているのがこの記事なんです(笑)
当選された方、おめでとうございます!店頭での受け取り(購入)期間は2022年1月1日~10日までですので、くれぐれもお忘れなく!
※無印良品「福缶」公式サイトはこちら。(入手方法は事前抽選のみ。抽選は終了しています)
福缶に入っているかも?虎の縁起物5選
ではここから本題の虎の縁起物・郷土玩具をご紹介します。福缶の中身に選ばれた全国の約30種類の中から、ここでは特に、伝統や歴史を持つものや、年賀切手の図柄に採用された有名なもの、魔除けなどのご利益で知られているものなどを厳選して5つをご紹介します。
◎子どもの「かんのむし」退治に!下川原焼土人形の虎笛
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下川原焼土人形が初めてつくられたのは江戸時代。津軽藩の命で、冬の農閑期に子ども用の玩具として土人形を作り、御用窯で焼いたことがはじまりです。代表的なものは鳩笛ですが、干支の土笛も人気があり、青森を代表する伝統工芸品となっています。
その昔、幼児の「かんのむし(疳の虫)」、つまりかんしゃくやひきつけは体内にすむ悪い虫のせいだと考えられていました。虫を退治するために神仏に祈ったり、土をなめさせるおまじないもありました。やがて土の笛にして子どもに渡し、それを吹くことがかんのむし退治のおまじないになったのだそうです。
◎石川で古くから作られている縁起物!加賀魔除虎
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加賀魔除虎は、端午の節句に飾られる張り子の郷土玩具です。勇猛な姿の虎はその威で邪気や悪霊を退散させるため、勇武を念じる縁起物であると同時に魔除けのご利益があるといわれています。
しかし、どこかおっとりとした愛嬌のある姿は、見ていると思わず笑みがこぼれ、福を招くものとしても愛玩されています。知名度も高く、平成22年の寅年の年賀切手に採用されました。
◎三春張子の「腰高とら」と同ポーズも愛嬌たっぷり!玉とら
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福島県の民芸品といえば、馬の形をした木彫りの人形「三春駒」が有名ですが、同じ工房で作られ人気なのが、平成10年の寅年の年賀切手にも採用された「腰高とら」です。
腰を高く上げ、獲物に飛びかかろうとしている迫力ある様子を表現した、三春張子の代表的な人形の腰高とら。その模様の一部を取り入れて愛嬌ある表情に仕上げた干支人形の「玉とら」が、無印良品の福缶には採用されています。
◎徳川家康ゆかりの鳳来山東照宮の特産品!寅童子
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愛知県新城市の鳳来山東照宮のお土産にもなっている民芸品の寅童子(とらどうじ)は、何度倒しても起き上がってくるところを、家康の七転び八起きの人生に重ねた起き上がり小法師です。
家康の母は、強くたくましい男子を授かるため鳳来寺を参拝し薬師如来に祈ったところ、寅の方角を守る十二神将像・真達羅大将の姿が消え、家康を授かったそうです。そして、家康が亡くなった年に元あった場所に戻っていたという逸話があります。さらに、家康が誕生したのも寅年、寅の日、寅の刻という逸話から、寅の顔がほどこされています。
◎「世界一福寅」の原型にもなった由緒ある縁起物!虎張子
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大阪張子の虎張子は子どもの成長を祈る玩具であり、魔除けや幸運の縁起物。丸い目と素直な表情がなんとも愛らしく、室町時代から庶民に親しまれてきました。
聖徳太子が毘沙門天を祀って建立した、虎に縁の深い寺として知られる奈良県生駒郡平群町(へぐりちょう)の信貴山朝護孫子寺(しぎさん ちょうごそんしじ)。その入り口には全長6mの世界一の福寅が立っていますが、その原型がこの虎張子です。
虎張子が無病息災の縁起物に!大阪の「神農祭」
大阪にある少彦名神社では、大阪市無形文化財にも指定されている神農祭というお祭りが行われます。実は、大阪で虎張子が大切にされている背景には、この神農祭も関係しているのです。
かつて大阪でコレラが流行した際、修道町の薬種商が病除けの薬として「虎頭殺鬼雄黄圓(ことうさっきおうえん)」という丸薬を作りました。そして薬と共に魔除けの張り子の虎を配ったそうです。
そのため、無病息災を祈願するお祭りである神農祭のシンボルは今でも虎張子です。虎張子のついた五葉笹は「神農さんの神虎」と呼ばれ、参拝客が次々と買い求めにきます。
神虎を渡すたびに「健康むすめ」と呼ばれる巫女さんが鈴を振り、家内安全・無病息災を祈念してくれます。コロナ禍にある現代においても、大阪の虎張子はパワーをくれそうですね。
まとめ
今回は、人気の無印良品「福缶」にちなんで、伝統的なかわいらしい虎の縁起物や郷土玩具と、大阪の神農祭をご紹介しました。
個性豊かな縁起物や郷土玩具は、日本に伝わる温かな文化を実感できますね。特に虎は勇敢さや王者の象徴。魔除けや病魔除けとしても手元にあれば安心が得られそうです。
今回の記事で興味をもたれた方は、ちょうど無印良品の銀座店で福缶10周年を記念した展示が行われているようですので立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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■無印良品と縁起物 福缶10周年企画 CREATIVE IMAGINATION 展
会場:無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery 1・2
期間:2021年12月17日(金)~2022年2月20日(日)
時間:11:00~21:00
※営業時間・休館は、店舗に準じます。
※イベント等によって展示品の一部が観覧できない日時が発生する場合があります。