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これも獅子舞!?扇子を獅子に見立てる意外な理由とは

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獅子頭も胴体もない獅子舞が存在するという。そんなことを聞きつけて、長野県松本市から車で1時間、上高地にも程近い集落・奈川寄合渡(ながわよりあいど)に行ってきた。

この地域には「奈川獅子舞」といって、通常の獅子頭と胴体を身にまとう獅子がある一方で、それらを持たず扇子のみで獅子を表現する手踊りがある。なぜそのような獅子舞が誕生したのだろうか?その由来を、2022年9月3日に行われたお祭りの様子から探ってみたい。

長野県の秘境で行われる「奈川獅子」

松本市奈川寄合渡に伝わる奈川獅子は、毎年氏神である天宮大明神の秋のお祭りで奉納されている。獅子神楽*の系統であり、その由来は富山県のキンマヒキ(彩漆塗職人)の横井市蔵という人物が、大正初期に寄合渡に移り住んで、地元の人々に教えたのが始まりだ。 ...

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