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レトロな風情を留めながら運行される東武亀戸線
首都圏には鉄道網が網の目のように張り巡らされ、人々の生活や経済を支えています。さらなる利便性を求めて路線の拡張も進んでいます。その中にあって、東武鉄道の亀戸線は、東京都の東部でレトロな風情を留めながら運行されています。曳舟と亀戸を結ぶ全長約3.4キロの路線内に設置される駅は3つしかありません。亀戸駅を出た電車が終点の曳舟駅の一つ前に停車するのは小村井駅です。駅の周辺には下町の情緒が漂います。駅舎から南西に約350メートルに社殿を構える小村井香取神社には香梅園が設けられ、例年2月下旬から3月上旬にかけて梅の花が開き、下町に春の訪れを知らせてくれます。2021年には2月13日~3月28日の期間で、「小村井香取神社梅まつり」が開催されています。
千葉県香取郡の香取神宮の分霊を氏神として祀る小村井香取神社
小村井香取神社は平安時代の末期に千葉県香取郡の香取神宮の分霊を氏神として祀ったことに始まると伝わります。ご祭神として經津主大神を祀っています。南から一之鳥居を潜って境内を進み、左右に巨木の楠が育つ二之鳥居を越えると、総檜銅板葺の拝殿を拝むことができます。
江戸時代の小村井梅園を偲ぶ「香梅園」
小村井香取神社の東には、江戸時代には三千坪を超える小村井梅園が設けられていましたが、1910年の洪水で流失してしまいました。ところが1994年に、小村井香取神社の宮司が小村井梅園を偲び、神社の境内に「香梅園」を整備しました。園内には約85種約120本の梅が植栽されています。敷地面積は広くはないのですが、それが却って梅の花の密度を高くする効果を実現しているようです。何しろ隣り合う梅の品種が異なっているので、色や形の違いを観察しながら散策すれば飽きることはないでしょう。
境内西の梅園越しに眺める東京スカイツリー
「香梅園」は境内の東に設けられていますが、西のエリアにも数多く梅が育てられ、「香梅園」に見劣りすることのない梅園となっています。
小村井香取神社は、東京スカイツリーの東約1.6キロに位置しているので、下町の季節感に浸りながら近代的なタワーを同時に見ることができます。ただ境内にトイレはなく、一之鳥居の南100メートル足らずのところにある公衆トイレを利用しなければなりません。
小村井香取神社の名梅10選
小村井香取神社に育つ約85種の梅はどれも名梅なのですが、その中から10品種をご紹介します。
東京都墨田区に社殿を構える小村井香取神社には、江戸時代の小村井梅園を偲ぶ「香梅園」が整備されています。例年2月下旬から3月上旬には、約85種約120本の梅が花を咲かせ、下町に春の訪れを知らせてくれます。