栃木・大田原の祭り
栃木県の北東部で福島県、茨城県と県境を接する大田原市。中世以来明治維新まで大田原氏の拠点、城下町として発展してきた街です。江戸時代には奥州街道の宿場町”大田原宿”としても賑わい、奥州街道27宿の中でも最大の本陣が置かれたと伝わっています。
この大田原で、毎年4月第三日曜日に開催されているお祭りを今回はご紹介。「大田原屋台まつり」です!
一日目が宵まつり、二日目が本まつりとして開催されている大田原屋台まつり。その歴史は江戸時代に遡ると言われ、大田原神社の例大祭の付祭として奉納されたのがはじまりとされています。
現在では9町から繰り出す豪華絢爛な屋台が見どころとして知られ、日が暮れてから9台が揃い行われる”ぶっつけ“でお祭りの熱量は最高潮を迎えます!
ここからは二日目の本まつりの様子をご紹介していきます!
大田原神社をスタート
朝10時を前に、大田原神社下へ並ぶ9町の屋台。鳥居前の旧奥州街道の細道では、スタートを今か今かとうずうずしながら待つ半纏を着た皆様が出迎えてくれました!
いよいよ出発の10時を迎え、神職の方が各屋台へとお祓いをしていきます。
出発を前に気が引き締まる瞬間です。
お祓いが終わると、さあ出発です。4年ぶり通常開催となった大田原屋台まつり、本まつりがはじまります!
太鼓や笛と言ったお囃子の音が響く中、屋台が目指すのは大田原の街中。旧大田原宿に立つ金燈籠のある交差点です。男衆が引っ張り、屋台の歩みを進めていきます。
大田原屋台まつり、本祭りがはじまりました!4年ぶりの通常開催です。
9つの屋台は大田原神社下をスタートし、お囃子を響かせながら金燈籠交差点を目指し進みます!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/Cpfn9NKziB— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 16, 2023
寺町の屋台を引っ張るのは、地元の子どもたち。大人に負けじと気張ります!
町によっては、花笠を背負い金棒を持ち屋台を先導する手古舞がいるのも大田原屋台まつりの特徴の一つ。かつては芸者の方がこの役割をになっていたそうですよ。
町ごとに違う手古舞の衣装ですが、華やかな装いで目を惹かれますね!
屋台が街中へと近づいてきました。
そして金燈籠交差点へと到着!こちらの金燈籠ですが、1819年(文政2年)に地元有志によって立てられたもので、大田原のシンボルにもなっています(初代は太平洋戦争時に供出されたため、現在立っているものは初代そっくりに造られた三代目)。
9台の屋台が次々に金燈籠交差点へと集まり、お囃子の音も重なり合い盛り上がってきました!
大田原宿を照らしていた金燈篭のある交差点へ、次々に屋台が到着しています!お囃子の奏で合いで盛り上がりますね!#大田原屋台まつり #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/HvcLJPiaPS
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 16, 2023
9町お披露目と3町でのぶっつけ
11時になり、金燈籠交差点へと揃った9町の屋台。ここからは1町ずつが交差点へと突っ込み、お囃子に合わせてお披露目をしていきます!
手古舞の二人が先陣を切り、進んでくるのは上町。こちらの屋台は江戸時代の1849年(嘉永2年)の作で、上部(前鬼板)の眼光の鋭い龍が見事で見応えがあります。
続いては寺町です。こちらは朱塗りにされているのが特徴的。
緑の半纏は栄町。お囃子に合わせて盛り上がっています!手古舞の花笠はかわいらしいですね。
仲町は手古舞が三人で進みます!
9町の紹介が終わる頃には、見物客もたくさんになりました。ここから日暮れに向かってどんどん盛り上がっていきますよ!
お披露目の終わった屋台は再び大田原の街中の練り歩きへ。
露店の立ち並ぶエリアも進んでいきます。
14時15分からは3町ずつ3組の屋台が集まり、大田原屋台まつりの見どころの一つである「ぶっつけ」も行われました!
こちらに集まったのは上町、元町、大手町の屋台。3台が揃ってお囃子を打ち合う姿は圧巻で、これは気持ちが昂りますね!
大田原屋台まつりの見どころの一つ、「ぶっつけ」が行われています!お昼の部は3町での披露です!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/eniAQGzZyS
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 16, 2023
商業施設のトコトコ大田原前には荒町、大久保町、寺町の屋台が並び盛り上げます。
大田原城下の西の要、薬師堂前には下町、栄町、仲町が集結です。
ぶっつけを見せた後は、各々での屋台運行。2町のすれ違い様には再びお囃子の奏で合いが起こり、すれ違う度にどんどん盛り上がりが大きくなっていくようです!
太鼓を叩くスピードが速い!
屋台がすれ違いざまに、お囃子の叩き合いをする場面も!これは盛り上がりますね!#大田原屋台まつり #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/TN7oVtNVlY
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 16, 2023
白木で造られた2町の屋台も魅せ合います!
白木の屋台同士での競演もいいですね!白木に飾られた彫物の豪華さがものすごきです。#大田原屋台まつり #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/HZaRNgTXHI
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 16, 2023
屋台のすれ違いシーンは、何度見てもかっこいいものです。
お囃子に合わせて盛り上がる姿も素敵ですね。
提灯に火が灯り最高潮に
18時、日も暮れはじめたこの時間になると屋台へは提灯が付けられます。昼間とは変わり艶やかな表情を見せてくれる屋台。再び金燈籠交差点へと集結します。
ぼんやりと灯りを放つ屋台の提灯。この雰囲気は魅力的ですね。
続々と交差点へ屋台が入ってきます。
龍を従え、仲町の屋台もやってきました。光に照らされた龍は一層迫力があります。
9町の屋台が揃い、ここからは全町でのぶっつけが行われていきます!
とその前に、2町でのぶっつけを。元町と仲町の屋台が向き合いました!
激しいお囃子に合わせ、周りも囃し立てていきます!
9町でのぶっつけの前には2町でのぶっつけが各組合せで行われました。夕暮れと合わせ、どんどん熱気が上がっていく感じが最高ですね!#大田原屋台まつり #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/Ka4rzKniCs
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 16, 2023
続いては栄町が勢い良く交差点中央部へ。
下町と向かい合います。灯りに照らされた白木の彫刻も美しいですね。
さあさあ、お互いに盛り上がりますよ!
昨日の大田原屋台まつりの動画を見返していたら、下町と栄町のぶっつけもいい感じでした。ちょうど日が暮れ切ったタイミングで、空が淡い暗さなのもグッときます。 pic.twitter.com/E8jid1y9om
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 17, 2023
この盛り上がり方がいいですねえ。
寺町と大手町も!
もうすごい活気です!
最後は9町一斉でのぶっつけです。9町の屋台が円になり、中央に向かって突っ込んでいきます!
ハンパじゃない大賑わい。これぞお祭りという光景が繰り広げられます!
これで終わりかと思いきや、クライマックスは一般の方も中央への参加が許されました。さあ、行ってみましょう!
みんな手を上げ大盛り上がり。これはたまらないですね!
9町でのぶっつけを屋台サークルの中から!大田原屋台まつりもいよいよクライマックス。これはたまらないですね!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/oZFsMRhT7n
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 16, 2023
これにて無事4年ぶりの通常開催となった大田原屋台まつりが終了となりました。最後は三本締めです!
三本締めが行われて、4年ぶりの通常開催となった大田原屋台まつりが無事終了となりました!
感動をありがとうございました!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/rafTs4k5MW— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 16, 2023
ぶっつけの興奮の余韻も冷めやらぬ中、9つの屋台は各町への帰路につきました。
大田原(金燈籠交差点)へのアクセス
・JR東北本線 西那須野駅前、西那須野駅東口バス停より関東自動車馬頭車庫行きで金燈籠バス停まで11分。