お正月にいただく「お屠蘇(おとそ)」。一年のはじまりに飲む縁起物のお酒「お屠蘇」ですが、「屠蘇散」の癖のある味は苦手な方も多いと思います。
そもそも「お屠蘇」はなぜお正月にいただくのでしょうか。この記事では、お屠蘇の由来や意味のほか、実際に「屠蘇散」を使ったお屠蘇の作り方や飲んだ感想もお届けします。
お屠蘇の由来や意味は?
お屠蘇は一年の無病長寿を願ってお正月にいただく特別なお酒。
「邪気を払い、魂を蘇らせる」という説、「蘇」という悪鬼を屠るという説などいくつかの説があります。どの説でも悪い物を屠り、良い物を招き入れるという意味では同じといえるでしょう。
お屠蘇ってどんなお酒?
お屠蘇は、「屠蘇散(とそさん)」と呼ばれる漢方薬に使われる生薬を配合したものを、日本酒やみりんで漬け込んだ薬草酒です。この屠蘇散には、5~10種類もの生薬が使われています。
■主な屠蘇散の種類と効能
桂皮(ケイヒ)…発刊や解熱、整腸作用
山椒(サンショウ)…消化不良の改善
陳皮(チンピ)…消化促進、食欲増進、冷えの改善
桔梗(キキョウ)…鎮痛、鎮咳、去痰、抗炎症、解熱作用
浜防風(ハマボウフウ)…鎮咳去痰、清熱薬
この時期に必要な効能が多く含まれていますね。
ちなみに、最近では日本酒をお屠蘇代わりに用いることもあります。
お屠蘇の作り方は?
先述したように、日本酒をお屠蘇代わりとして用いることが増えてきましたが、ドラッグストアやスーパーなどで、「屠蘇散」は購入できるので、それを使えば簡単に作ることができます。
オマツリジャパンでも、ドラッグストアで見つけた「屠蘇散」で、お屠蘇を作ってみました!
■用意するもの
・屠蘇散
・お酒(約1合 180ml)
・みりん(30~50ml)または砂糖(小さじ2~3杯)
■作り方
1.お酒と屠蘇散を6~7時間浸す。
2.浸したあとに、みりんまたは砂糖を加え、お好みで味を整える。
はい、簡単!!
浸す時間だけ念頭においておけば、いつでも気軽に飲むことができます!ぜひお試しくださいね。
「屠蘇散」を使ったお屠蘇を飲んでみた!どんな味?
早速飲んでみましょう!カンパーイ!?
「美味しいのか、と言われれば、個人的には甘くてちょっと苦手です。お猪口いっぱいくらいで十分です」
「正直マズイ… ですが、体によさそうなスパイシーな味がして、ハーブティ感覚で飲めば美味しいかも!」
「匂いがめちゃ漢方!これって罰ゲーム!?と思いながら飲んでみたら、やっぱり罰ゲームでした。。。体にいいもの、縁起物のとして、最後までいただきました。」
「アメ色の見た目が、ブランデーなどのハイアルコールのように見えるんですけど、口に含んだ感触はまろやか。アルコールの刺激はほとんどないですね」
「人によると思いますけど、僕はシナモンのような香りを強く感じました。なので、味はニッキ水みたいな感じですね」
「刺激になれた現代人なので、炭酸とかで割りたくなる優しい味わいです」
美味しく飲める!オススメのアレンジ2選
せっかくなら美味しくいただきたい!ということで、オススメのアレンジを2つを紹介します。
■炭酸でスッキリ爽やか
お屠蘇ってぐびぐび飲むもんじゃないからどうしたって持て余すよね。なので同じく正月要因で皮だけ取って余ってた柚子をぎゅーっと絞って炭酸で割ったらとても良い。屠蘇散のにおいがダメな人にもイケるかも。 pic.twitter.com/NAZrm2lf96
— ヒ⃬ロ⃬ヲ⃬カ⃬ (@shirlywang) January 3, 2022
炭酸で割れば、一気に飲みやすくなります。柑橘類を添えるとオシャレなハーブティのようです。辛口のジンジャーエールもオススメ!よりスパイシーさが増しますよ。
■オシャレにホットワイン風で
今年最初のワインは、屠蘇散MBA。香辛料が少し苦いので、甘めの酒に浸すのが良さそう。グリューワインもあるので心配していませんでしたが、やっぱり相性良かったです☺️ pic.twitter.com/AlTMgWCigZ
— くろうど。 (@KurabitoKuroudo) January 1, 2022
スパイスも多く入っている屠蘇散があれば、簡単にホットワインを作ることができます。特にシナモンの風味が抜群に合います。
お屠蘇の正しい飲み方は?
オマツリジャパンでは、実飲するために、お正月前に楽しくお屠蘇をいただきましたが、お屠蘇には正式な作法があります。
まずは、家族との新年のあいさつをすませます。そのあと、全員で左の方角を向き、若い人から順に飲んでいきます。おせち料理やお雑煮といったお正月の御馳走は、お屠蘇のあとにいただきましょう。
ちなみに、お銚子と三段重ねにした朱塗りの盃を用意し、3回に分けて飲むのが正式な作法ですが、ない場合は普通の酒器でも代用できます。
一般的な作法を紹介しましたが、必ずしもこの飲み方が正解というものはありません。地域や家庭によって飲み方は異なりますので、それぞれの作法に合わせていただきましょう。
日本の古き良き伝統のお屠蘇。2023年はご家庭で「屠蘇散」を使った「お屠蘇」を作ってみてはいかがでしょうか?