模型はやっぱり、知ってるモノを作るのが楽しい。
あのモビルスーツのこのギミックはこうなっていたのか!とか、あっこんなところも開くの!?とか
あの日見た本物がそのまんま手のひらサイズになって、組んで、見て、そして再現するための技術と情熱に感動を覚える。
知ってるものだから、作って再現して楽しいのだ。
ならば逆に、「あまり詳しくないものをめっちゃ詳しい人と組んだらどうなるか?」と考えた。
オマツリジャパンのライターにはいろんな人がいて、
だんじりにめちゃくちゃ詳しい祭写楽さんという方がいる。(参考記事) 個人ブログもものすごい熱量でやられていて、写真も上手い。
そんな方の目の前でドキドキしながら、『泉州だんじりプラモデル 岸和田型』を組み立てることになった。
ちなみに東日本出身のぼくにとって、だんじりとは「厳ついお兄さんたちが怒号とともに街中を爆走する屋台」程度のふんわりとした知識しかない。
今回作るのはこちら 楽天で¥7,500ぐらい。
パッケージから開封するとこんな感じ。
一部金メッキとシール。あとは圧倒的な茶色感。
謎の部品たちも封入されている、提灯と飾り紐なのかふむふむ。
ニッパーと接着剤、あとシール用にピンセットがあればなんとかなりそう。
…とりあえず組立ててみよう。
いつもどおり説明書に沿って、部品を切り出して組み立てていく。
台車は案外すぐにできた。
パーツ数はそんなでもないけど、一つ一つのディテールがすさまじい。
バッキバキに入った彫刻が渋すぎる。
「伝統的な設計を新たなアプローチで迫る」ワクワク感。
「木材の彫刻を樹脂の成型技術で再現する」という哲学的問い。
あと、裏からみた大屋根が完全にしいたけ。
そして、多分ここでしか見れない渋すぎるコンパチ(どちらかを選んで組み立てる)
切妻大屋根/入母屋(二重破風)大屋根、どっちにしようかな…
※よくわからないけど後者にしました。
僕が組んでる脇で、祭写楽さんと神輿マニアの大山くんがやりあっている。
だんじりとみこし…それぞれに造詣の深い両名によるだいぶコアな話題が飛び交うのを聞きながら、
黙々と作業を進めます。
ガンプラだったら大体の雰囲気でこれは頭パーツだとか肩アーマーだなってのがわかるけど、今回のまったくの専門外だとその勘も働きかない。
説明書の写真とにらめっこしながら組み始めていたところ…
「あーこの彫刻は軍記物やね、だからこのパーツと向かい合わせになるはず」
「そうだね、進行方向的にこっちが前やからこの向きであってるよ」
「今回つくるんが入母屋式屋根だから、使うんはこのパーツやな」
「これは旗指す用の軸やから、放物線になるように台座はアーチ状になっとるはず」
見かねた祭写楽さんから非常に的確なアドバイス。
多分この人、説明書見なくても組めるんじゃないだろうか、、、、。
旗飾りや吹きちりはシールや不織布、金メッキの旗竿パーツで再現。ちゃんとひらひらしてる!
地車を構成する大屋根小屋根を各ブロック単位で組み上げ、最後に組み合わせる
賞味2時間ほどで完成。何度も繰り返してるけど、バッキバキのディテールが本当に気持ちいい。
今回はやってないけど、仕上げにメラミンスポンジで軽くこすってツヤ消ししたり、彫刻に軽くスミ入れして質感と立体感を引き立たせればめちゃくちゃ化けると思う。
「めちゃめちゃ詳しい人の話を聞きながら全然知らないものをつくる」
なんだかとっても楽しかった。
今度は、「離島で来訪神の仮面作ってる地元の方とリモートでつなぎながらこっちも仮面を作る」とかどうだろうか?(編集部:検討します)
【おまけ】
祭写楽さんのサイトはこちら。勇壮な曳きっぷりを捉えた微細な彫刻、そして美女&美女…個人でやれるレベルを凌駕した写真資料です。
だんじりバリエーションや詳しい寸法を知りたい場合は地車三番館さまがオススメ。
地車三番館さまでは各町のデザインや場合によっては図面まで掲載されてます。