Now Loading...

5年ぶりの開催!篠崎浅間神社幟祭り!天高くそびえる日本最大級の幟で運気アップ! 

マツコ
2023/7/17
2023/7/18
5年ぶりの開催!篠崎浅間神社幟祭り!天高くそびえる日本最大級の幟で運気アップ! 

都営新宿線篠崎駅のほど近く、江戸川の堤防沿いに位置する篠崎浅間神社は、千年以上の歴史を持つ江戸川区最古の神社。ここで5年ぶりに行われる「幟祭り」の大祭をレポート。高さ25メートル、重さ1トンにもなる日本最大級の大幟10本が境内に立てられる様子と、稚児行列、御神楽、グルメ屋台の様子、また、浅間神社と呼ばれる神社が守ってきた富士信仰や祭神・木花開耶姫(このはなさくやひめ)の伝説などを紹介します。

千年の古社「篠崎浅間神社」はどんな神社?

篠崎浅間神社は、平安時代中期の938(天慶元)年に創建された歴史ある神社です。この頃、平将門の乱を鎮めるために都から派遣された平貞盛が、勝利を祈るため末社である霧島神社を祀り、金幣、弓矢を捧げ祈願しています。また村上天皇(在位946~967)の宝剣なども有しています。

約4000坪の境内は樹木も多く茂り、「せんげんさまの森」として、長年にわたって近隣の人々に親しまれてきたそうです。

全国にある浅間神社!富士信仰とサクヤヒメ伝説

篠崎浅間神社は、静岡県、山梨県を中心に全国に1300ほどある浅間神社の一つです。富士山の噴火を鎮めるために祀られた富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)を総本宮とし、富士山の山神である「浅間大神」を祀っています。

古来、山神は女性であるとされてきましたが、浅間大神は日本神話に出てくる木花咲耶姫尊(このはなさくやひめのみこと)と同一の神さまだとされています。

木花咲耶姫は、現在の天皇家の祖とされる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の妻となった神で、たいへん美しい神様といわれています。木花咲耶姫は、炎に包まれた産小屋で子供を産んだという伝説があり、そこから火防、安産、子育ての神様になりました。

「幟祭り」はどんな祭?

篠崎浅間神社で毎年7月1日の大祭を中心に行われている「幟祭り」は、おそらく文化・文政期(19世紀はじめごろ)に始まったと推測されています。五穀豊穣を願い、周辺の氏子5地区で各一対の幟を奉納したことが起源だそうです。

幟を立てるのは、2年に一度だけ。2023年はコロナ禍を経て実に5年ぶりに大幟が立てられることになりました。ちなみに幟を立てない年には、境内に夏越の祓の「茅の輪」が用意されます。

富士山の山開きに合わせて行われる

祭が例年7月1日なのは、富士山の山開きに合わせて祭を行っているからです。

修験者や山伏が修行をする霊山には、長らく限られた人しか入れませんでしたが、近世になると一般の人も修行や登拝のため、一定期間、入山を許されるようになりました。そこで山の神様に山に入る許可を得て安全を祈願する「山開き」が行われるようになったのです。

幟は神さまの依代

篠崎浅間神社では、富士山の山開き前日の宵の未明に、高さ25メートル、重さ1トンにもなる日本最大級の大幟10本を立てます。この幟は神様を招き寄せて幸福を呼び込む依代(よりしろ)です。日本では古代からあらゆる物に神や精霊、魂が宿ると考え、また、招き寄せることで迎え入れられると考えました。立てた幟がたなびく方向をみて、その年の五穀豊穣を占ったそうでう。

戦後のある時期、人手不足で3年に一度の幟立て実施になったり、クレーンを使って立てたときもあったそうですが、やはり人力で建てたいとの地元の方の熱意で「幟会」が結成され、現在は人力で立てられています。

幟は大きな綱と大型の滑車を使って立ち上げます。綱を引く幟会のメンバーは約200人、綱を上下にゆらしながら「もんで、もんで」の掛け声で立ち上げます。勇壮な幟立てには、多くの人の心意気が宿っているのですね。

5年ぶりの大祭の様子

2023年はコロナ禍を経て、5年ぶりの開催です。

篠崎浅間神社の場所は都営新宿線篠崎駅から徒歩15分、JR総武線小岩駅から京成バスで20分。今回は小岩から京成バスに乗っていきます。

バス停を降りると、江戸川の堤防沿い、少し歩いたところに篠崎浅間神社があります。細い参道にひしめきあった屋台が見えます。しかしまだ午前中で、加えてあいにくの雨もようのため、準備中です。参道をまっすぐ進むと、幟が見えてきます。

予想よりはるかに高い!空高く見上げる感じで、確かにここに神様が降りてきてくださりそうな気がします。これを人力で持ち上げるのか、と感動。

ありがたく見上げながら、鳥居をくぐって本殿への階段を上ります。この高さが富士山への敬意を表しているのかもしれません。階段の両脇が富士塚です。

また、江戸時代に流行した民間信仰「富士講」の名残となる石碑が残っていました。富士講とは、「富士を拝み、富士山霊に帰依し心願を唱え、報恩感謝する」という教えです。

富士山への深い信仰心が随所に感じられます。また、平将門の降伏を祈願した霧島神社をはじめ、様々な末社があります。

しっとりとしていて、緑に満ちた美しい神社と感じます。

子どもたちの健やかな成長を祈る稚児行列

7月1日の大祭に行われる稚児行列。本来は境内で行われるのですが、始まる気配がありません。雨もかなり強く降ってきたので心配になり尋ねたところ、雨天のため併設のホールで行っているとのこと!!

大急ぎでホールへ入っていくと、中で浅間幼稚園のかわいい子供たちが、着物に袴、金襴、そして烏帽子や天冠をつけて並んでいました。

雅楽の調べに満ちた空間で子供たちは榊をいただいて、神様にささげています。

神道では子供たちも神様の依代であるとのこと、神と人間の世界を橋渡ししてくれる神聖な存在でもあるのですね。雨のため、室内開催の稚児行列ですが、親御さんたちは皆真剣に写真を撮っていました。

雨上がりの屋台でお祭り気分満喫

午後になると雨が上がり、たくさんの人がやってきました。参道の屋台も大賑わいです。

浴衣姿の親子連れや、近隣の学生さんらしき人たちなど、皆とても楽しそう。

かき氷にバナナチョコ、そして綿あめ、食事系は大阪焼き、冷やしきゅうりなど。私は子供の頃以来のみかん飴をいただいてみました。

口の中で伸びる透明な水あめとみかんの酸味がマッチしてとてもおいしく、また、懐かしくいただきました。

また、金魚すくいや射的なども大人気。射的は大当たりした男の子がいたようで、みんなで大喜びするひと時も目撃。

さて、7月1日は14時から大祭が行われます。里神楽や子供たちによる舞の奉納もあるとのこと。境内近隣には大祭に出席するらしい氏子とみられる初老の方々が裃を身に着けて、列をなして本殿へ歩いていきます。

一生懸命な子供たちに神様もほっこり、平和を祈る「浦安の舞」

舞台では、浅間幼稚園の子供たちによる浦安の舞が奉納されます。浦安の舞は、近代につくられた神楽で、国の平安、平和を祈るものだそうです。

舞台の前には親御さんたちが続々と集まってきます。

浦安の舞がはじまるアナウンス。舞台上には7人の子どもたちが、前後にわかれて並びます。皆、衣裳をつけて、曲に合わせて一生懸命覚えた舞を披露。みんな一生懸命扇を開いたり、手を上げたり。なんともかわいらしく、神様もにっこりしていることでしょう。

舞台の下の親御さんたちも真剣に動画や写真で撮影。最後にみんなで笑顔でポーズ写真を撮っていました。同じ舞が3グループ披露されました。

見終わって、こうして日本の伝統を感じながら子供たちが育つことも、とても素敵なことだなあと思いました。やがて大きくなって、結婚式でこの動画が披露されたり、自分の子どもたちに見せる機会も訪れるかもしれません。

子供たちの舞が終わると、「岩楯美よ志社中」の皆さんの演奏。太鼓や笛の根が美しく境内に響きます。それぞれの楽器の心を込めた演奏が、神様に捧げられていきます。

人々を見守ってきた幟に想いを馳せる

篠崎浅間神社の幟祭りは、幟の高さ、大きさにまず圧倒されるお祭りでした。これほど大きな幟を立てようと思った江戸の頃の皆様の心意気、さらにその思いを引き継ぐ幟会の皆様の強い思いを感じます。

幟に神様を迎え入れて、豊作と幸せを祈る昔の人々の思いは今も変わりません。そして、子供たちも大活躍をするこの祭り、神社と地域と一体になって子供たちを大切に育て、未来を開いていく思いがうかがえました。小さい頃に稚児行列に参加し、舞を踊った子供たちが大きくなって、友達と屋台でかき氷をほおばり、やがて恋をし、子供を連れてまたこの祭りへ。そんな人生を、幟に宿った神様は何年も見守ってくださってきたのでしょう。

祭りの終わりの頃に、本殿に登っていった老夫婦は、この幟、明日何時に下ろすのかしら?と話しながらしみじみと、夕刻の景色に立つ幟を見つめていました。人生を見守る高く大きな幟が見られる幟祭り、2年後の次の開催にはぜひ行ってみませんか?

タグ一覧