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「縁起だるま」の発祥地と伝わる少林山達磨寺
年のはじめに、だるまを買って一年の願いを込めて、目を入れる人も多いことでしょう。群馬県高崎市の少林山達磨寺は「縁起だるま」の発祥地と伝わり、毎年1月6日、7日に「少林山七草大祭だるま市」が開催されています。
「福だるま」、「縁起だるま」と呼ばれる「高崎だるま」
高崎市では豊岡地域を中心として、「高崎だるま」の生産の伝統が受け継がれています。日本で生産されるだるまの内、約80パーセントが高崎市で作られているのです。高崎の駅弁「だるま弁当」の箱はだるまの形をしています。茶飯風の炊き込みごはんに、筍、こんにゃく、栗、ごぼう、鶏肉などの群馬県産の農畜産物が載せられています。日本の吉祥である鶴を眉毛、亀を口髭に描く「高崎だるま」は、「福だるま」、「縁起だるま」と呼ばれることもあります。
天明の飢饉のため苦しい生活をしていた農民を救った「少林山七草大祭だるま市」
高崎市でだるま生産が盛んになったのは1780年代のことと伝わります。天明の飢饉のため苦しい生活をしていた農民に少林山達磨寺の第9代東嶽和尚が、張子のだるま作りを農民に勧め「少林山七草大祭」で販売するようになったのです。大祭の会場となる少林山達磨寺は、碓氷川沿いに建立されています。碓氷川の河川敷を走る少林山通り沿いの参道を進むと寺院の総門に突き当たります。門を潜ると百数十段の石段を上らなければなりません。
石段を上りきると正面に見える権現造りの霊符堂では、達磨大師を祀っています。霊符堂の東側には「古いだるまお札納め所」が設けられ、堂内では新しい年のだるまに目を入れ、「開眼」の儀式を行いながら魂を入れてくれます。
多色のだるまが願いを叶える「だるま市」
前年のものを納めた後、境内の北側に設けられた「だるま市」に行けば、新年用のものを買い求めることができます。
だるまの最も一般的な色は赤色でしょう。赤色は魔除けの効果があると言われているのです。赤色のだるまで、家内安全、開運吉祥を願うのです。ところが、「少林山七草大祭だるま市」では、様々な彩りのだるまが市に並んでいます。
学業向上を目指す人が求めるのは青色のだるまです。
身体健勝、才能開花を願う場合は緑色のだるまです。
金色や黄色のだるまには金運のアップが期待できます。
桃色のだるまであれば恋愛、ローズピンクであれば良縁が成就することでしょう。
黒色のだるまであれば商売繁盛、白色であれば受験合格が期待できそうです。
境内の「だるま市」は、「少林山七草大祭だるま市」の開催日限定ですが、瑞雲閣、達磨堂、だるだる売店では、一年を通して「高崎だるま」が並んでいます。
地域の産業の育成に大きな役割を担った少林山達磨寺の境内には、だるまの姿が溢れています。
だるまの絵付け体験をすることもできます。
2021年の「少林山七草大祭だるま市」
2021年の「少林山七草大祭だるま市」では、新型コロナウイルス感染防止のため例年、境内を囲む露店の姿はありませんでした。その代わりに随所に消毒スプレーが設置され、密防止のための掲示が行われていました。
少林山達磨寺は、JR信越本線の群馬八幡駅の南に数百メートルに建っています。群馬八幡駅や高崎駅からぐるりんバスの少林山線に乗車すれば、少林山入口が最寄りのバス停となります。
毎年1月6日、7日に「少林山七草大祭だるま市」が開催される群馬県高崎市の少林山達磨寺は、「縁起だるま」の発祥地と伝わります。1780年代、天明の飢饉のため苦しい生活をしていた農民にだるま作りを勧め、「少林山七草大祭」で販売したのです。このため高崎市内では、だるまの生産が盛んに行われるようになりました。