豊川稲荷で常に頒布される4種類の御朱印
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。愛知県豊川市に建立されている豊川稲荷では、常に4種類の御朱印を頒布しています。紙面の中央に、「長寿薬師如来」、「大聖不動明王」、「千手観世音菩薩」、「豊川吒枳尼真天(だきにしんてん)」の文字が記されます。
豊川稲荷のご朱印所は、本殿の南面に繋がる参道に建つ鳥居の東に設けられています。受付窓口では、オリジナルの御朱印帳も準備されています。
ご朱印所と参道を挟んで西に向かい合う御札受所には、お守りなど種類豊富な授与品が並んでいます。
1441年に創建されたと伝わる日本三大稲荷の一つ
豊川稲荷は1441年に曹洞宗法王派の東海義易によって創建されたと伝わります。室町時代の末期には、今川義元が数々の伽藍を整備しました。寺号は「円福山・豊川閣・妙厳寺」ですが、境内に稲穂を担いだ「豊川吒枳尼真天」が祀られることから、「豊川稲荷」の愛称が定着しました。伏見稲荷大社、笠間稲荷神社とともに、日本三大稲荷の一つに数えられています。大本殿は1930年に総欅造り、妻入二重屋根の形で造営されました。
大本殿の東に建立されている丸瓦葺造りの山門は、1536年に今川義元が寄進したものです。大本殿の北の万燈堂は1863年に建造され、豊臣秀吉の念持仏と伝えられる不動明王、文殊菩薩が奉祀されています。境内の北西のエリアの霊狐塚には、一千体近くの狐像がひしめき合っています。
一年を通して開催される多彩な年中行事
500年を超える歴史を刻む豊川稲荷では、一年を通して多彩な年中行事が開催されています。中でも11月の第3土、日曜日に行われる「秋季大祭」には、境内は大勢の人々で埋め尽くされます。豊年を感謝し神輿渡御や稚児行列が行われるばかりでなく、直径5メートル前後の大提灯をはじめ大小の提灯が数多く掲げられ「大提灯まつり」とも呼ばれています。
毎月22日には一味違う「縁日参り」をすることができます。2022年3月22日~4月3日には縁日参りプロジェクト「ヨルモウデ」が開催されます。幻想的で一期一会な光演出を楽しむことができるでしょう。
豊川稲荷で参拝者を出迎えてくれるのが、境内の東に上棟された総門です。門扉や両袖の扉は、千年を超える樹齢を重ねた欅の一枚板で作られています。
豊川稲荷は、JR飯田線の豊川駅、名鉄豊川線の豊川稲荷駅の西約300メートルに建立されています。
豊川いなり表参道で販売されるバラエティー豊富な稲荷寿し
総門からは駅に向かって豊川いなり表参道が繋がります。通りの両側には土産店や飲食店が軒を連ねています。
豊川いなり表参道でも最も驚かされるのは、稲荷寿しのバラエティーの豊富さです。甘く煮た油揚げで包むのは酢飯ばかりではありません。ゴボウ煮、鴨スモーク、大根漬け、どんこ、しょうが、味噌カツ、あなご、大葉しそ、天むす、梅、イカ天、わさび、金ゴマなどがトッピングされるのです。創作的な稲荷寿しを各々1個ずつ選んでも、一食では食べきることができないでしょう。
愛知県豊川市の豊川稲荷では通常、4種類の御朱印を頒布しています。1441年に創建されたと伝わり、日本三大稲荷の一つに数えられています。一年を通して多彩な年中行事が開催され、特に11月「秋季大祭」では神輿渡御や稚児行列が行われます。境内の東の総門から東に繋がる豊川いなり表参道では、バラエティー溢れる稲荷寿しが販売されています。