宇都宮の新年を飾る初市
栃木県の県庁所在地で北関東最大の51万人もの人口を誇る宇都宮市。名物の宇都宮餃子がよく知られますが、江戸時代には宇都宮藩の城下町として、また五街道のうちの2つ(日光街道と奥州街道)が通る宿場町の宇都宮宿として発展してきた土地です。この宇都宮で毎年1月11日に、新年にふさわしく開催されているお祭りがあります。「宇都宮初市」です!
初市とは、栃木県や群馬県をはじめとした全国の各都市で開催されている新年を飾る露店市のことです。中でも宇都宮初市は、江戸時代初期の1635年(寛永11年)には現在のような形になったと伝わっている歴史ある初市として、毎年多くの方が訪れています。それでは、ここからは宇都宮初市の様子をご紹介していきます!
名物の縁起物「黄ぶな」
宇都宮初市の会場となるのは、宇都宮駅から北西へ少し進んだ場所にある上河原通り。道路一面が縁起物やグルメを販売する露店で埋め尽くされ賑わっていました!
その中でも注目したいのが、こちらの「黄ぶな」。宇都宮初市の名物として知られる張子の郷土玩具です。黄色い身体と赤い顔が特徴的な黄ぶなですが、無病息災の縁起物として愛され、玄関や神棚に飾っておくとそのご利益がいただけるんだとか。このユニークな黄ぶなですが、その歴史は江戸時代の天然痘が流行っていた時代まで遡ります。当時宇都宮周辺では天然痘が大流行していたそうですが、ある村人が病気の方のためにと田川で魚釣りをしたところ釣り上げたのがこの黄ぶな。そして病気の方が黄ぶなを食べたところ、たちまち病気が治ったと言うことで、その感謝や病気除けの祈りを込めて黄ぶなを飾る風習ができたそうです。
そんなありがたい黄ぶななので、ひっきりなしに求めるお客さまの姿がありました。
寄ってみると、かわいらしい顔をしていますね!ぜひ家へ持ち帰り、新しい一年間にそのご利益をいただきたいところです。
各地のだるまが並ぶ
宇都宮初市に並ぶ縁起物は、黄ぶなだけではありません。お正月にふさわしく、だるまもたくさん並ぶんです!
栃木県のお隣、群馬県の高崎市はだるまの名産地として知られますが、高崎だるまを売るお店がたくさん出ていました!
真っ赤なだるまが一面に並びます。
お髭が逞しく、凛々しいお顔の高崎だるま。
どのだるまにしようか悩んでしまいそうですね!
大小様々なだるまが並ぶので、選びやすいですよ!大きさによってお値段も変わってきます。
まただるまを購入したら、その場で名入れや祈願内容(家内安全、商売繁盛、大願成就など)を筆で入れてくれるお店もありました。嬉しいサービスですね!
もう一つのお隣福島県からは、白河だるまを売るお店も!
地元宇都宮からは酉の市の熊手でも有名な、こぼりさんがだるまを並べていました。
だるまだけなく、竿型の縁起物も販売されます。
カラフルに彩られめでたいですね!
酉の市さながらに熊手を掲げているお店もありました!
グルメ露店も広がる
縁起物を手に入れた後は、お祭りグルメも味わいたいですよね。定番のお好み焼きや焼きそば、たこ焼きなどを売る露店も軒を連ねていますよ!
焼き上がる音と共に、あたりに広がっていくソースの香ばしい匂い。これはたまりません!
数あるグルメ露店の中でも特筆すべきなのが、こちらの”煮いか”。埼玉以北の北関東のお祭りでよく見るいかを売る露店ですが、特に栃木や茨城は煮いかに出会う確率が高いのです。宇都宮初市でもかなりの数の煮いか屋さんが出ていました。
赤い煮いかが並びます!思わず唾が出てきてしまう香りは食欲をそそりますね。
お店ごとに付けタレやいかの切り方にも工夫がされており、食べ比べてみるのも楽しいかもしれません!
もちろん焼きいかもたくさん売られていましたよ!こちらも焼き上がりの香りからは逃れられませんね。
続いてたくさんのお店が出ていたのが、フルーツ飴屋さん。お馴染みのりんご飴からいちご飴、キウイや柑橘系のものもありました。
黄ぶなやだるまなどの縁起物、お祭りグルメを手に入れられる宇都宮初市。毎年1月11日に開催されていますので、新年のお祭りを味わいにぜひぜひ来てみてください!
アクセス
■JR宇都宮駅まで
・上野駅からJR東北新幹線で約42分、JR宇都宮線で約110分
・新白河駅からJR東北新幹線で約25分、JR東北本線・宇都宮線で約80分
・日光駅からJR日光線で約42分
■JR宇都宮駅から宇都宮初市会場(上河原通り)まで
・西口を出て、徒歩で西に約6分