※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響で中止となりました。2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。(2020年11月6日 編集部)
2019年11月9日(土曜日)11月10日(日曜日)岡山県井原市芳井町西三原・糸崎八幡神社 (土曜)芳井町東三原・中山天神社 (日曜)へ「三原渡り拍子」を見にいきました。西と東の2地区の秋祭りの神事は岡山県指定重要無形民俗文化財に指定されており、「赤熊(しゃぐま)」をかぶった4人の男達が跳ね踊りながら打つお祭りです。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年11月6日 編集部更新)
目次
三原渡り拍子(みはらわたりびょうし)ってどんなお祭り?
「三原」という地名は、広島県三原市の桜山城主が落ち延びて、住み着いた地域が今回祭りを見に来た、岡山県芳井町にある、川手(東川手村、西川手村)を、三原(東三原村、西三原村)と名付けたことから、三原の渡り拍子がはじまったといわれてます。
渡り拍子とは、岡山県備中地方、広島県備後地方、吉備高原町一帯にあり、今回の三原渡り拍子周辺には多くの渡り拍子があります。祭りは鎌倉時代の闘鶏楽が起源です。1つの太鼓を4人の男達が、長尾鶏の羽で作った「赤熊(しゃぐま)」をかぶり、跳ね踊りながら打つお祭りです。
糸崎八幡神社・中山天神社へお参り!
お祭りの流れはほぼ一緒なので、今回は2つの祭りの写真を合わせながら、順次紹介をさせていただきます。応永2年藤原秀郷の後裔田中市之進が中山に少彦名命を勧請し、天神と奉称した。寛正年間備後の国桜山城主が東川手村に落ちて来て、三原三郎四郎家房と称し、村を東三原村と改め、神社名を中山天神社として氏神とした。本神社は寛正2年備後国納所村桜山城主三原豊後守が落人となり、三原三郎と称した。細かい事は案内板を見ながら書いてます。
中山神社は広い道路に面してますが、糸崎八幡神社は少し森に囲まれてます。2ヶ所は4キロ位と近い距離です。
三原渡り拍子が12時前頃にはじまる。
11時頃には鉦の音がこだましてました。庭打ちをしてる様で、北と南の2方向から鉦を鳴らしながら神社へ近づいてきます。今年は寒くないので、お祭り見学は快適です。
それぞれ特徴的な道を進みながら、にぎやかに神社を目指して行きます。
標高は500メートル近いので、段々と紅葉が進んできてます。
渡り拍子を踊りそして神社へ到着!
鳥居の前で、渡り拍子を行ってから全員でそろって、境内へ上がります。鉦の音がこだまして素敵な空間となっていきます。
そして境内に入り、社殿をぐるりと3回右に廻っていきます。境内が黒く煤けてるのは、湯立て神事が行われたのと思います。
神社の広い場所で、渡り拍子がはじまります。
写真は2ヶ所の写真を時間軸で貼ってますので、境内の違いを観察しながら楽しんで見てもらえるとうれしいです。さあ踊りのはじまりです。
頭にかぶってる「しゃぐま」(赤熊・赭熊)は、長尾鶏の毛ですが、オスの尾羽が使われ日本の特別記念物に指定されてるので、貴重なかぶりものとなってます。つやつやしてるので、定期的に入れ替えてると思ってましたが、大事に保管しているようです。
三原渡り拍子をみる!
踊り曲は15種類あるようです。現在は綺麗な音色と決まった調子が心地いいですが、かつては鉦を打ち鳴らし、力強く鳴らした方が優位に立ち、相手方を自分の鉦で従えるのを競いあい、時間も永遠に続くかのように、鉦と太鼓を打ち鳴らし踊ってたようです。
12時頃にはこれから踊る前の腹ごしらえで、おにぎりやお酒の接待があり、見学者にもふるまってくれますので、お昼は軽めで見学すれば、おいしいおにぎりやお漬物が頂けます。
1つの太鼓を4人で叩き、両端にシデの飾りがついたバチをくるくる回し、鉦がカンコンカンと鳴ってますので、軽快なリズムをず~っと聴いていられます。
踊りも色々あって楽しめます。境内も段々とにぎやかになってきました。
道先案内人「猿田彦」!
お祭り各地で大活躍な、天狗の面をつけた猿田彦が先頭をいき、踊りも鼓舞して祭りを盛り上げます。猿田彦も少し調べてみました。天照大御神に遣わされたににぎの命を道案内した国津神です。だからお祭などで、先払いや先導をしているのですね。 盛り上げるのも得意です。
案内板に、「猿田彦を先頭に60名ほどの男衆が尾長鶏の羽で、つくった赤熊を冠り、鉦、太鼓を叩きながら跳ね踊る神儀は室町時代の子式をそのまま現代に伝える壮麗なお祭りです。」とあります。
2時頃からお旅所へ御神幸です。神社を出発します。
年々小変更がある見たいです、御神輿が小さくなってますが、何とか伝統が続くことを願ってます。
令和も続くお祭り
お旅所でも踊ります。天皇陛下の即位を祝う両陛下のパレード「祝賀御列の儀」が11月10日にありました。平和でお祭りが続く世の中になってほしいです。
地域の方々と一緒にお祝いをします。
お旅所から神社へ帰っていきます。
ラスト踊り、三原渡り拍子の糸崎八幡神社
11月10日の日曜日、三原渡り拍子の中山天神社
明日を伝統を継承する子供達の奉納相撲、巫女舞がなくなったのが残念ですが。元気な声が響いてました。
10年前は湯立て、巫女舞、渡り拍子、御神幸を見れて良かったです。
2つのお祭りを同時に紹介させていただきました。お祭りの関係者の皆様お疲れ様でした。ありがとうございました。