こんにちは。東京度大田区西北部の地誌編纂を夢見るライターのカワグチです。秋の気配を感じる頃となりましたが、読者諸兄姉におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。この記事では、雪ヶ谷八幡神社の花御朱印と、昭和の大横綱・大鵬の揮毫による「出世石」をはじめとする境内のみどころをご紹介します。
御朱印にも出世石が!雪ヶ谷八幡神社の花御朱印は?
全国各地の寺社では参詣の証しとして御朱印をいただくことができます。東急線では期間限定で「花御朱印巡り」を開催中(10月31日まで)。「花御朱印巡り」に参加している寺社に専用御朱印帳を持参すると花御朱印をいただくことができます。雪ヶ谷八幡神社でも、東急線とコラボした花御朱印を拝受できました。
花御朱印とは、「東急線花御朱印巡り」限定の花をテーマとした(花びらが印刷された)御朱印です。花びらの色はピンク、青、黄、紫の4種類。雪ヶ谷八幡神社では、4種類の花御朱印の他に東急から許可をとったオリジナルの花御朱印もありますよ。
専用御朱印帳は公式サイトもしくは、東急線の18駅で購入することができます。
専用御朱印帳には対象の寺社が掲載されているガイドブックが付いてきます。一部の寺社では、ロスフラワーを使用した花手水を開催中。スケジュールは以下のサイトをご確認ください。お近くに花手水を開催中に神社や仏閣がございましたらお参りに出かけませんか。
花手水実施スケジュール:https://tokyu.gosyuin-meguri.jp/schedule/
雪ヶ谷八幡神社の境内を散策
雪ヶ谷八幡神社の境内には、昭和の大横綱・大鵬の揮毫が元になった「出世石」や、大田区文化財の指定を受けた庚申供養塔群などの見どころもあります。八幡様にお参りがすんだあとは、境内を散策してみませんか。なお、上の図は公式なものでなく筆者が境内をイメージして作成したものです。実測したものではないため、おおよその参考としてください。
出世石
大鵬関が、まだ納谷と呼ばれていた序二段の頃、神社の境内で氏子の子供達に相撲の稽古をつけていました。昭和34年(1959年)雪ヶ谷八幡神社社殿の御造営が完成して、初めての節分祭に年男として参加以来横綱に至るまで毎年節分祭に御奉仕をしたといいます。異例の出世をとげ、「不世出の大横綱」と称えられた大鵬関は「これは雪ヶ谷八幡神社の御加護の賜物である」と感謝し、『出世石』と書いた書を奉納します。それを、氏子の人々が石に刻み現在の『出世石』が出来きました。
境内に遊びにきた子供たちは、『出世石』に刻まれた「手形」に手をあて、その大きさに驚嘆しています。
花手水
手水舎の前には、花手水がおかれていました。すだれで日よけはされていますが、連日の暑さでお花も少々お疲れのようです。
力石
御社殿左手にある「力石」。米俵を担ぎ上げることができて一人前といわれていた時代には、村の若者達の力くらべに使われたと伝わります。また、この石にふれることで無病息災を祈念したとも……。コロナ禍の現在、御利益がありそうですね。この重さは約40貫(約150kg)あります。
庚申供養塔群
社殿の左手奥には大田区文化財にしていされた、庚申供養塔群があります。もともとは、雪ヶ谷村の村民によって村内各所に建てられていたものをのちに当社境内に移されたもので、元和元年(1681年)から安政4年(1857年)迄の間に造立された七基でいずれも石造駒型の供養塔です。休日には史跡めぐりの人達が訪れ賑わいを見せるなど、この地域における民俗信仰を研究する上で重要なものとなっています。
もうすぐ秋祭り!雪ヶ谷八幡神社の主な年中行事
例大祭
雪ヶ谷八幡神社では、毎年9月中旬の土日を祭礼日として、土曜日に宵宮祭、日曜日に例大祭の神事が社殿にて執り行われます。今年令和4年(2022年)のおまつりは、9月17日(土)・18日(日)に開催。新型コロナウイルス感染症に伴い、行事を縮小しての斎行となりますが、宮司さんによる町内御幣渡御、奉納祭囃子、露店などを予定しています。
令和4年(2022年)9月17日(土)
・宵宮祭(午後4時祭典)
・奉納演芸(午後6時予定)
令和4年(2022年)9月18日(日)
・例大祭(午後3時祭典)
・奉納演奏(午後6時予定)
両日
・宮司 御幣渡御
・御神輿(境内設置・御神酒所設置・渡御など)※有無は各町会の対応
・奉納祭囃子
・露店
節分追儺式前夜祭
理由は定かではありませんが、雪ヶ谷八幡神社では、「節分追儺式前夜祭」として、節分の前日に神事を行っています。氏子青年会の方にお話をお伺いしたところ、近年の雪ヶ谷八幡神社では「鬼は外」の掛け声は行わず、「福は内」だけだったとのこと。昨今の事情を踏まえ(疫病退散の原点にもどり)、「鬼は外」の掛け声が久々に復活したと仰っていました。
紀元節祭武道奉納
建国記念の日、雪ケ谷八幡神社では10時より「紀元節祭」の斎行。12時からの「武道奉納式」参拝の後、12時30分より神楽殿にて、「雪谷誠剣塾」の皆さまによる演武が奉納されます。
一心泣き相撲®
昭和の日に開催。『泣き相撲は赤ちゃんの健康と成長を祈願する日本の伝統行事です。赤子の泣き声が邪を祓った故事を由来とし、四百年以上の歴史を有します。(出典:雪ヶ谷八幡神社)』とあるように古くから続く行事なんですね。取組は1対1でおこなわれ、化粧廻しと紅白綱を締めた赤ちゃんが、力士に抱かれて土俵にあがります。赤ちゃんの泣き声を競う「泣き相撲」ですが、勝敗をつけることなく、赤ちゃんの泣き声やしぐさに合わせて行司が勝負を預かり、「緑児泣きたるは万歳楽」と赤ちゃんのすこやかな成長と健康を祈願します。
こどもの日「奉納こいのぼりお絵かき」
毎年ゴールデンウィークの期間中、子どもたちが色をつけた「こいのぼり」が、雪ヶ谷八幡神社の境内を泳ぎます。神社で配布する用紙に色をつけ(用紙は「奉納こいのぼりお絵かき」ページよりダウンロードもできます)、4月末日までに申し込むと、神社にてラミネート加工の後、境内に掲示くれます。掲示期間はゴールデンウィーク中(4月29日~5月5日)です。
大祓祭
大祓は、私たちが生活の中で知らぬ間に接し生じた自らの心身の穢れや、災厄の原因となる諸々の罪を祓い清める神事です。清らかな気持ちで日々の生活にいそしむよう願いを込めて、6月と12月におこなわれます。
※ 茅の輪のくぐりは6月下旬から7月上旬。
まとめ
この記事では,雪ヶ谷八幡神社の花御朱印と、境内のみどころをご紹介しました。9月には、秋のお祭りが開催されます。御朱印巡りをされている方はもちろん、お相撲ファンの方も足を運ばれてはいかかでしょうか。最後までご覧いただきありがとうございました。また、次回の記事でお会いしましょう。
雪ヶ谷八幡神社
〒145-0065 東京都大田区東雪谷2丁目25-1
東急池上線石川台駅より徒歩2分
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