※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響で中止となりました。
2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。
(2020年9月7日 編集部)
こんにちは,カワグチです。令和元年9月14日・15日に開催された,雪谷の鎮守様「雪ケ谷八幡神社」のお祭りに参加してきました。今回は,雪谷地区に移り住んで20年弱の筆者が,地域の紹介と合わせて,5年に1度執り行われる氏子6町会の連合渡御のレポートをしたいと思います。まだまだ,新参者ではありますが,お祭りを通して雪谷地区の魅力をお伝えしたいと思い筆をとりました。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年9月7日 編集部更新)
小高い丘の麓に鎮座された雪ケ谷八幡神社
雪ケ谷八幡神社は,東急池上線石川台駅の直ぐ近く,駅からも緑あふれる鎮守の杜を見ることができます。商店街に隣接しているため,散歩や買い物の途中など多くの参拝者が訪れることから,地元の人たちに愛されていることが伺えます。
雪ケ谷八幡神社の御由緒
雪ケ谷八幡神社の創建は永禄年中(1558~1569年)と記されています。後北条氏第3代目当主・北条氏康の家臣であり,太田道灌の直系の曾孫にあたる太田新六郎が管内巡視の折りに,当地で法華経曼荼羅の古碑を発掘。めでたいことの前兆として起こる不思議な現象として八幡大菩薩を創祀したことがはじまりと伝わります。祭禮日は9月15日に近い土曜日と日曜日。
自然が残る坂のまち雪谷
雪谷のまちは大田区西北部の丘陵地帯に位置し,呑川を挟んで東側を「東雪谷」,西側を「南雪谷」とされています。この地域は大田区内でも水と緑に恵まれ,自然との調和がとれた閑静な住宅街が広がっています。春には梅や桜,秋にはイチョウが彩り,水辺ではカルガモやカワセミ,様々な水生動物・水生植物が生息し,季節の移り変わりを感じさせてくれる生活に適した環境です。
地名の由来
雪谷という地名は字の組み合わせも綺麗でとても素敵な響きですね。都内で「雪」を冠するまちは雪谷のみです。雪谷は,雪ヶ谷八幡神社のある丘陵地と,その西側にある日下山という2つの丘に挟まれた谷を中心に栄えてきました。文字通り「谷」のまちなのですが,なぜ「雪」なのでしょうか。一説によれば,谷あいに横穴を掘り氷室を作り,冬場に降った雪を大量に保管していたそうです。初夏になると多摩川で捕れた鮎を江戸に運ぶ際,鮮度を保つためにその雪を使用していたと伝わっています。
5年に1度!雪ケ谷八幡神社奉祝大祭
雪ケ谷八幡神社の祭禮日(例大祭)は,9月15日に近い土曜日と日曜日とされています。なかでも5年に1度執り行われる御祭禮は奉祝大祭と呼ばれています。2019年の御祭禮は,令和御大典・鎮座450年・遷座60年「奉祝大祭」として,以下のとおり賑々しく執り行われました。見どころは,なんと言っても氏子6町会の神輿が揃い一同に宮入りが行われる御神輿連合渡御。例年の例大祭では,1〜2町会毎に宮入りが行われるため,担ぎ手の皆さまにとっても,観客の皆さまにとっても6町会の御神輿を揃って見ることができるのはこのときだけです。
2019年9月14日(土)「宵宮祭」(午後5時祭典)
・奉納演芸大会(午後6時30分より)
2019年9月15日(日)「奉祝大祭」(午前11時祭典)
・各町御神輿連合渡御(午前8時出陣・午前10時宮入)
・奉納演奏(午後6時より)
– 雪谷中学校吹奏楽部
– ゆきがや太鼓
– 雪ケ谷囃子保存会
– 梶原徹也(元ブルーハーツ)ドラム&太鼓
祭禮両日
・各町会御神輿渡御
・奉納祭囃子
・境内露店出店
連合渡御のレポート
渡御とはお神輿が町内を練り歩くこと。連合渡御とは複数のお神輿が一緒に練り歩く,お神輿のパレードのようなものです。2019年の連合渡御は,氏子6町会のお神輿が揃って中原街道を練り歩くとういう初めての試み。各町会のお神輿は朝の7時ごろから続々と集まりだしました。なんと,早い町会では朝の5時からお神輿の準備を始めたそうです。
渡御列順
7:20 アルパイン研修センター前
7:45 中原街道
中原街道での渡御風景を撮影を続けようと考えていたところ,
「担がないなら車道から出ろ!」
と,警備の担当者からお叱りです。カメラ片手にコバンザメのようにお神輿に付いて行こうとしましたが,取り巻きは歩道に出ないといけません。しかし,堂々と中原街道の車道を歩くことは滅多にないことです。もしかしたら,人生最初で最後の機会かもしれません。そのため,急遽お神輿にIN。ここから休憩まで写真がありません。ごめんなさい。
8:40 希望ケ丘商店街に到着
9:15 希望ケ丘商店街を出御
雪ケ谷半纏コレクション
お祭りでは各町会の半纏を見るのもひとつの楽しみ。ここからは,各町会の担ぎ手の皆さまがどのような恰好をしているか見ていきましょう。半纏は町会からお借りすることができても,はじめてお神輿を担ぐときは何を揃えていいか迷いますよね。そのようなときは,まわりの担ぎ手を参考にしてみてはいかがでしょうか。皆さま,おしゃれを極めていますよ。
以上,雪谷半纏コレクションでした。
こうして,各町会のお神輿を見ていくと,同じ地域でもそれぞれの町会でカラーがあって面白いですね。
全体的に見て,白い鯉口シャツや股引を着ている方が多く感じます。ちなみに私も白を愛用しています。一般的には紺や黒の鯉口シャツや股引が無難とされていますが,宮入りの時や他町会の神輿を担ぐときは白と決めている担ぎ手もいます。今回は6町会揃っての宮入りを行うため,白が多かったのかもしれません。
9:25 雪ケ谷八幡神社へ入御
雪ケ谷八幡神社奉祝大祭 第7回御神輿連合渡御運行図
令和元年雪ケ谷八幡神社奉祝大祭で執り行われました,氏子6町会のお神輿連合渡御のコースです。次回は5年後。どのようなコースになるか今から楽しみです。
雪ケ谷八幡神社の周辺にある商店街をご紹介
雪ケ谷八幡神社の宮元である希望ケ丘自治会には,石川台駅前商店会(グリーンロード)と,石川台希望ケ丘商店街の2つの商店街があります。いずれも東急池上線石川台駅から近く,多くの買い物客で賑わいます。ここからは,宮入り前に肩休めを行った石川台希望ケ丘商店街を中心にご紹介します。
石川台希望ケ丘商店街の盆踊り
8月の最終土曜日と日曜日には,神社のお祭りよりひと足早く「希望ケ丘の納涼盆踊り大会」が開催されます。商店街の店舗や,近隣の雪谷小学校のおやじの会などが模擬店を出店。事前に踊りの練習会も開いています。
神社のお参りが済んだら商店街へ
盆踊りも終わり9月になると神社のお祭りがあります。神社にお参りしたあと,露店で買ったやきそばやたこ焼き,あんず飴にソースせんべいなどを片手に,お神輿を見物したり(お神輿は神様の乗り物なので,建物の上階や歩道橋などから見下ろしちゃダメですよ!詳しくは別の機会で…),お囃子や「ひょっとこ」と「おかめ」の踊り,神楽殿(舞殿)で行われる演芸大会を見物するのもお祭りらしくていいですね。
でも,「歩き疲れた,ゆっくり座って落ち着きたい」と思ったら商店街に足を運んでみませんか。夜になると,ほろ酔い状態の担ぎ手たちで盛り上がっているかもしれませんが,これもお祭りならでは光景です。
ここでご紹介したお店
最後までご高覧いただきましてありがとうございました。本記事が雪谷地区の近隣に住んでいる方,最近この付近に引っ越して来た方,これからこの付近に引っ越しを考えている方々に,まちの魅力やお祭りの楽しさが伝われば幸いです。もしよろしければ,来年一緒に担ぎませんか。
雪ケ谷八幡神社へのアクセス
〒145-0065 東京都大田区東雪谷二丁目25番1号
東急池上線石川台駅より徒歩2分(石川台駅前商店会)
参考文献
川口真人. “雪ケ谷の由来について”. 雪ケ谷散歩.
https://www.yukigayawalker.tokyo/place/yukigaya/yurai.php,(参照2019-9-20).
——— ”御由緒(雪ケ谷八幡神社)”. 雪ケ谷散歩.
https://www.yukigayawalker.tokyo/scenic/shrine/yukigaya-hachiman/info.php,(参照2015-9-20).
雪ケ谷八幡神社(2019).「雪ケ谷八幡神社奉祝大祭」町内掲示用ポスター