福井県勝山市で開催される「勝山左義長まつり」は、300年以上の歴史を持つ地域密着型の伝統行事です。地域ごとに櫓を設け、お囃子や絵行燈などを披露するこの祭りでは、担い手の確保が継続的な課題となっていました。本事業では、既存の「おはやし講習会」を担い手育成の起点として再設計。オマツリジャパンは、勝山左義長まつり実行委員会と伴走しながら、講習会から地域参加へとつなぐ仕組みづくりを支援しました。
<この記事のポイント>
講習会を“体験”から“担い手育成の入口”へ再設計
参加者と地区をつなぐマッチング仕組みを構築
実際の本祭参加者を創出する成果を実現
講習会を起点に再設計

勝山左義長まつりは、各地区が主体となって運営される地域密着型の祭礼であり、お囃子はその中心的な役割を担っています。しかし従来の「おはやし講習会」は技能習得の場としては機能していたものの、その後の地区活動への参加につながる導線が明確ではなく、担い手育成の仕組みとしては十分に機能していない状況にありました。

本取り組みでは、この講習会を「担い手育成の入口」として再設計。参加者の居住地や年齢、希望楽器、地区参加意向などの情報を取得・整理することで、継続的に関係を築ける基盤を整備しました。

さらに、地区側の受け入れ条件についても整理を実施。年齢条件や練習参加頻度、保護者同伴の有無などを明確化し、参加者と地区双方にとって無理のない接続が可能な環境を構築しました。
このように、従来は分断されていた「参加希望者」と「受け入れ側」をつなぐ仕組みを設計することで、講習会を単なる体験で終わらせない構造へと転換しています。
参加へつなぐ導線設計

本施策の特徴は、「講習会→地域参加」という一連の流れを一体として設計した点にあります。参加者に対しては、各地区の練習日程や参加条件を整理した情報を提供し、自身に合った関わり方を具体的にイメージできる環境を整備しました。
また、事務局が講習会参加者と地区の間に入り、双方の条件や希望を踏まえたマッチングを実施。初回参加時のフォローも行うことで、無理のない形で地域活動への参加を促進しています。

加えて、SNSでの訴求内容やクリエイティブの見直しを行い、講習会の魅力や参加導線を明確化。その結果、参加者数は前年の67名から77名へ増加(約15%増)し、認知拡大と参加促進の効果が確認されました。

さらに、講習会参加者のうち3名が実際に地区の櫓での演奏に参加するなど、具体的な担い手創出につながっています。
担い手創出を仕組み化

本取り組みにより、参加希望者の可視化と地区側の受け入れ条件整理が進み、「参加したい人」と「受け入れたい地域」をつなぐ再現性のある仕組みが構築されました。講習会を単発の体験で終わらせず、実際の担い手創出へとつなげた点が大きな成果です。
オマツリジャパンでは、こうした担い手育成や地域参加促進に関する支援を、調査・設計・運用まで一体で提供しています。文化継承や地域活性化に関する事業パートナーをお探しの方は、ぜひお問い合わせ・資料請求をご検討ください。