2021年6月現在、新型コロナウイルスの影響が続く中、多くの自治体・主催団体にとって、祭りや伝統行事の開催可否は引き続き難しい判断を迫られるテーマです。感染拡大を防ぎつつ、地域文化の火を絶やさないために、どのような方策があるのか。私たち株式会社オマツリジャパンは、主催者と共にその答えを探り続けてきました。
現場に寄り添った感染対策支援の取り組み
2020年8月、東京都中野区で開催された「中野駅前大盆踊り大会」では、感染対策の徹底により、リアルとオンラインを併用した開催を実現しました。入場管理のためのチケット制導入、来場者の検温・消毒・連絡先記入、飲食スペースへの飛沫防止対策、会場の換気強化、座席間の距離確保など、感染拡大リスクに対する多層的な対応を講じました。
本取り組みにおいて、オマツリジャパンは感染症対策の設計・運用において全面的に支援を行い、主催団体の判断と実行を後押ししました。加えて、イベントの模様はオンライン配信され、来場できない地域住民や関係者にも安心して参加できる環境が整備されました。
実践に根ざしたガイドライン策定と普及
さらに、全国の主催者が活用できる実践的な指針として、当社は2020年12月に一般社団法人日本青年会議所と共同で「祭り・イベント等開催に向けた感染拡大防止ガイドライン」を策定しました。本ガイドラインは、現場での具体的な運用を想定した内容となっており、のちに国の定める指針としても採用されています。
特にガイドラインでは、飲食物提供時の対応や専用スペースの設計、体調不良者の参加制限基準など、現場で頻出する疑問にQ&A形式で答えており、多様な地域・行事に柔軟に対応できる内容となっています。
文化を守る取り組み
私たちは、祭りやイベントを「開催するか否か」ではなく、「どう開催するか」に焦点をあて、感染対策と文化継承の両立を支援してまいりました。
文化資産としての祭りを次世代へとつなぐためには、感染症対策という現代的な課題に対応しつつ、地域と行政、民間が連携していくことが求められます。私たちオマツリジャパンは、今後も各地域の実情に応じた対応を行いながら、主催者・行政担当者の皆様とともに安全な祭りの継続を支えてまいります。