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【江刺南中学校 閉校記念花火 [天に送るギフト ] ~母校の夜空に花火が咲く~】

更新日:2022/3/29 愛木 敬介
【江刺南中学校 閉校記念花火 [天に送るギフト ] ~母校の夜空に花火が咲く~】

2022年3月19日。
長きに渡り、地域の学舎として様々な思い出を作り上げてきた江刺(えさし)南中学校。惜しまれつつも、時代の流れの中で歴史に幕を閉じました。今までの感謝を受けて雪積もる山里に有終の美を飾る花火が咲きました。

雪景色美しい棚田の里

中山間地域である、岩手県奥州市 江刺東部。
離れた場所にあるダムからの取水管を整備し、斜面にはたくさんの棚田が造られ、県内有数の米どころになりました。その雪景色は、この時期にしか見られない絶景です。

藤里地区の棚田は、2020年の大河ドラマ “麒麟がくる” のロケ地になりました。

地域に根付いた母校

江刺南中学校の歴史は1978年4月1日 、伊手中学校と藤里中学校の統合に伴い創立されました。以来43年に渡り、伊手・藤里2地区の中等教育を担い2700名もの卒業生を送り出して来ました。しかし、生徒数の減少により江刺東中学校と共に、江刺第一中学校に統合されて2022年に閉校となってしまいました。

この学校は、山の中腹を切り開いて造られました。それだけに設立当初は、斜面崩落が度々起きて悩まされたそうです。

坂の上にある校舎なので生徒は足腰が鍛えられた事でしょう。

高台にあるので見晴らしが良く集落を一望でき、遠くに栗駒山を望む眺望が清々しいです。学舎としての環境に恵まれていた事と思います。

何もしないで終わるのは寂しすぎる

この2年間、コロナ禍により様々な行事が中止になり、季節の節目を思い起こす機会が失われたままでした。
もう最後なのに閉校式は在校生のみで保護者も入れなく、記憶に残るようなイベントが出来ません。
地域の思い出の場所が無くなるのに何もしないで終わるのは寂しい。
将来、母校の終わりを思い出した時に何も無かったのは辛い。

ならば、花火を上げて、一生の思い出を地域の方々と共有したい!

そう願い、藤里地区での打上実績がある「藤里fireworks」のメンバーが発案し、周辺地区・学校関係者の了承を得る為に動き出しました。
当初、前例のない新しい事に抵抗を持つ方もいましたが、その方達の説得に尽力されたそうです。
そして、藤里地区振興会・伊出地区振興会・南中PTA 3者での共同開催という形に落ち着き、やっとの想いで花火の打ち上げに漕ぎつけました。

南中PTA会長である 宍戸 紀幸氏に、閉校式花火への想いをお伺いしました。

「学校が歩んだ43年への感謝です。コロナ禍により、学生らしい思い出を子供達になかなか与えられなかったので、最後にちゃんとした思い出を作って上げたかった。市の広報に今回の企画を告知したところ、地域の方々からたくさんのご協賛を頂き、卒業生も、それぞれの連絡網でシェアしてたくさんのご協賛をしてくれました。」

当初目標の3倍もの協賛が集まったそうです。地域の方々の、母校へ対する愛着を感じます!

母校の空に花火が咲く

そして迎えた当日。
朝の暴風雪は止み、午後には青空も見え、夕方には穏やかな天気になりました。

澄んだ冬の空。
地域の皆さまの愛着を昇華させるように、花火が艶やかに咲きました。

前日からの大雪により、棚田が一面雪化粧したお陰で、花火の色が映えて美しいです。

華麗な芸術玉も上がり、母校の最後に彩りを添えます。

地域の想いを、一心に受けて咲き誇る花火たち。

様々な記憶が、目の前の花火と共に巡っていたかも知れません。

打ち上げ後、近くで見ていた方にお話をお伺いしました。どうやら親子で南中学校の卒業生のようです。

「とにかく寂しい。思い出の場所が無くなるのは寂しいけど、ジメジメした感じで終わるよりは、パーンと賑やかにして良かったです。」

 

学校の現場へ戻り、校庭で見ていた在校生の方にお話をお伺いしました。

「この学校での生活が終わっても、違う学校で頑張っていこうという決意を感じました。」

 

最後は、花火の打ち上げを担当された小松煙火工業さんの退場を、全員で見送ります。

長い人生の中で特別な3年間を過ごした大切な場所。
どこか、心の拠り所であった場所がなくなるという寂しさ。
そんな人々の感謝や想いを花火に乗せて、母校の空を華やかに照らす光。
花火は人生の節目や思い出を彩ってくれるものだと改めて感じました。

打ち上げに奔走された皆さま、本当にお疲れ様でした。
感謝の気持ちが咲かせた夜空の尊い煌きは、ずっと心に綺麗なままで残っているはずです!

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この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
花火が大好きです。みんなが笑顔になれる花火の楽しさを、伝えていきたいです!

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