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おちちあめ、宇佐飴、あめがた…九州で愛されるご当地飴8選!

おちちあめ、宇佐飴、あめがた…九州で愛されるご当地飴8選!

\9月6日は飴の日!/
今回は九州地方で愛されている老舗や人気店のご当地飴を8つ厳選。あわせて、独特の雛祭りの風習にあわせて作られた飴についてもご紹介します。

八女の最高級玉露を惜しみなく使った「玉露飴」

高級日本茶の代名詞である玉露。九州最古の茶商である福岡県八女市の矢部屋許斐本家では、八女伝統本玉露を通常の3倍以上も使い、熟練の飴型職人が麦芽糖水飴を鉄の釜で焚いて「玉露飴」を作っています。

保存料も香料も無添加。口に入れると玉露の芳醇な香りがふんわりと広がり、後味はすっきりとしたほろ苦さの余韻が楽しめます。

缶に施されているのは明治・大正・昭和初期に使用されたラベルで、老舗が歩んできたヘリテージをしっかりと現代に伝えると同時に、モダンな魅力を放っています。

暑いとよく伸び冷やすと簡単に割れる不思議「あめがた」

佐賀の徳永飴総本舗が作る「あめがた」は、江戸時代後期からの製法を大切に受け継ぎ、原料のもち米と麦芽と水を熟練職人の技術で丁寧に水飴へと練り上げています。

はじめは色の付いた飴が、空気に触れて何度も繰り返し延ばされることで、光沢ある白色になり、それを成形して時間を置くと、固まっていきます。添加物は使っておらず、原料はシンプルながら温度や湿度により微調整がいるなど、完成まで非常に手がかかるのが特徴です。

ビタミン・ミネラルを多く含んでいるため、妊産婦や健康志向の方に特におすすめで、当地では伝統的に、出産後の祝い菓子として重宝されています。

ポルトガル由来が独自進化!細工が美しい「有平糖」

「有平糖(あるへいとう)」は、安土桃山時代にポルトガルから伝わった砂糖菓子「アルフェロア」が、日本で独自に進化したものです。高い技術による細工が特徴で、柔らかいうちに空気を混ぜ練り伸ばして作ることで、繊細な美しさが生まれています。

通常の飴の原料配分は水飴のほうが多いのですが、有平糖は砂糖の結晶化を防ぐ量だけしか水飴を入れず砂糖が多くなっているため、べたべたせずサクサクの食感を楽しめます。

江戸時代には細工が進化し、花や蝶などをかたどって茶道のお菓子として用いられました。長崎ではくんちの時に有平糖で紅白の千代結びを作り、金花糖という砂糖菓子で鯛を作って飾る風習があり、現代に残る数少ない製造元である千寿庵の有平糖が有名です。

 

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加藤清正が朝鮮出兵時に持参した「朝鮮飴」

「朝鮮飴」は、熊本藩主の加藤清正が、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に保存性に優れた陣中食として持参したとされる、歴史ある由緒正しい伝統銘菓です。

安土桃山時代に創業の老舗である園田屋では、もち米と水飴、砂糖を主原料に、四季に応じて練り上げる一家相伝の製法を400年以上守っています。

餅のような食感とふんわり優しい甘さが魅力の朝鮮飴。明治時代には大久保利通も好んで食べていたそうです。

 

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様々な味とモダンなパッケージが続々登場!「宇佐飴」

「宇佐飴」は、大分県の宇佐神宮の表参道でしか売られていない大変珍しい飴です。
ご祭神の神功皇后が皇子の応神天皇(八幡大神)を育てるときに、母乳代わりに与えた飴が起源とされています。

麦芽ともち米だけで作られた水飴を鍋で温め、やや冷まして白くなるまで練り、ひと口大にカット。柔らかくべたつかない自然な甘味として広く親しまれています。

最近は、フルーツ類やカフェオレなどの飲み物、きな粉や生姜といった地元の特産品を使ってフレーバーを拡大。パッケージデザインも刷新しています。

母乳の出がよくなる?縁結び神社名物「おちちあめ」

「おちちあめ」は、縁結び・夫婦和合・安産の神様を祀る宮崎県の鵜戸神宮の名物です。主祭神の母である豊玉姫にまつわる話にちなんだもので、母乳の出がよくなるともいわれています。

トウモロコシのでんぷんを砂糖と混ぜ、鵜戸神宮の御乳水を加えることで、懐かしく優しい甘さが醸し出されるのが特徴です。

御乳水は、神殿が鎮座する洞窟にある乳のような形をした岩から滴る清水で、姫が子をおいて海に帰らねばならなくなった時、母乳代わりに残したとされます。

 

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砂糖がない時代から作られていた「から芋飴」

「から(唐)芋」は、鹿児島言葉で薩摩芋のことです。昔は砂糖が貴重だったため、から芋に麦芽を加えて水飴を作っていたことが起源となっています。

平安時代から伝わるこの麦芽製法は脈々と受け継がれ、江戸時代には一般的に農家で作られ食されていました。冨士屋製菓の品は、から芋の天然の甘味から最大限にコクと風味を引き出したものです。

今でもから芋と麦芽を主材料として、直火釜で炊き込み柔らかく仕上げたから芋飴は、自然のままの味わいと天然麦芽の使用による消化の良さも人気の理由です。

 

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沖縄ならではの南国風味のど飴「童玉」

「童玉(わらびだま)」は、那覇市首里の地で、地元素材を生かしながら沖縄色あふれる商品を生み出している株式会社オキネシアが作るのど飴です。

沖縄特産の黒糖にココナッツミルクとハッカを加え、古式直火釜で丁寧に仕込み、昔ながらの手作業で丹念に練り上げています。

黒糖のまろやかな甘みがハッカの芳香を包み込み、ココナッツミルクがほんのりと南国風味をプラス。お子様はもちろん、どんな方ののどにもやさしい癒しを届けてくれます。

 

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柳川の雛祭りは吊るし飾りが名物!「さげもんめぐり」と「さげもん飴」

写真出典:柳川市ホームページ

掘割が美しい水の郷、福岡県の柳川では、桃の節句に雛人形とともに色とりどりの吊るし飾り「さげもん」を飾って盛大にお祝いをします。

この雛祭りのさげもんをより楽しんでもらおうと、観光施設や店舗に飾り付けるイベントが「柳川雛祭り“さげもんめぐり”」です。

そして、さげもんをイメージしたパッケージの中に飴が入っており、飴を食べ終わった後でもインテリアとして吊るして飾れる「さげもん飴」というものが存在します。考案したのは柳川の雑貨店・ラヴィレコヤナギさん。

 

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とてもかわいいパッケージだけでなく飴にもこだわり、福岡産のあまおう苺を贅沢に使用したソフトキャンディーは自然な甘みとほのかな香りがお口に優しく、滑らかな舌ざわりです。

コロナ禍でお祭りやイベントの縮小や中止が相次ぐなか、外に出てリアルなさげもんめぐりができないときは、「さげもん飴」を部屋に飾って楽しむのもよいかもしれませんね。

まとめ

この記事では、9月6日の「飴の日」にちなんで、九州地方のご当地飴とお祭りを紹介しました。

美味しいこと以外にも、その土地の歴史と文化をそのまま映すかのような、さまざまなストーリーがあることもご当地飴の魅力です。

興味を持たれたかたは、今回紹介した内容を参考に、飴を通じて九州の歴史に触れ合ってみてはいかがでしょうか。

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