\2月22日は猫の日!/
日本人のペットNo.1で最も身近な存在、それが猫。うちでも猫を飼っていていつも癒されているよ!という方も多いことでしょう。さて、今回はそんな猫チャンが厄払いをしてくれる!?というありがた~いお話です。
突然ですが、あなたは獅子舞を見たことがありますか?お正月に踊りながらやってきて頭を噛んでくる、獅子ということはライオン?みたいなアレでしょ!とその姿を思い浮かべた方、大正解です。
実はあの獅子舞、全国各地で色々な顔形のものがあり、なかには猫みたいな獅子舞もいるのです!というわけで、この記事では香川県に伝わるその名も「猫獅子」という獅子舞をご紹介します。
実は香川県は「獅子舞王国」!
そもそも香川県は知る人ぞ知る獅子舞のメッカです。香川といえば讃岐うどんが有名ですが、実は県内には800組もの獅子舞の実施団体があるといわれ、その数はうどん屋さんよりも多いのだとか!
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なぜ、香川県にこれほど多くの獅子舞があるのでしょう?一説には、流行を取り入れ競い合うような県民性があるともいわれますが、実際のところはよく分かっていません。
でもこれだけ獅子舞が多ければ、お正月にはあちらの獅子舞、こちらの獅子舞とたくさんの獅子に頭を噛んでもらって、その分だけ強力な厄払いのご利益にあやかれそうですよね。
猫獅子ってどんな顔?
これだけ実施団体が多い香川の獅子舞ですが、使われる獅子頭の作り方は2種類に大別されます。
1つは、型にペタペタと紙を貼り付ける張り子か木彫りで頭の土台を作り、漆や金箔を使ってピカピカな装飾をする「塗り獅子」。もう1つは張り子で土台を作った上に、獣のようなモフモフな毛を植え込む「毛獅子」。
香川県西部をはじめとした地域では、この毛獅子が「猫みたいだ!」ということで、「猫獅子」と呼ぶようになりました。それがこちら!!
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…意外とゴツい猫ちゃんでした(笑)
でも、この猫獅子は耳がピョコピョコ上下して下あごも開くのに加えて、目も動かすことができます。紙製なので軽いのも特徴の1つで、動きが軽快です。
動画で見ると、動きがかわいらしく、夫婦獅子ということもあってか猫が2匹じゃれあっているようにも見えてきました。
香川の獅子舞の由来は?
猫獅子を含めた香川県の獅子舞は中国の獅子舞の影響を強く受けています。平安時代か南北朝時代に都の方から中国由来の獅子舞が伝えられたといわれますが、その詳細は定かではありません。香川県の獅子舞の中で最も古い記録は、小豆島の富丘八幡神社で室町時代に獅子頭の補修をしたというものが残されています。
中国の獅子舞といえば、毛がふさふさしていて耳や目が動くので、猫獅子にも少し似ているところがありますね。もしかしたら影響を与えているのかもしれません。ただ、猫獅子の獅子頭に植えられているのは馬の毛だそうで、フワフワとした触感ではないようです。
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演舞の特徴は?
香川県の獅子舞は、鳴り物がたくさん登場するのが特徴です。様々な種類の太鼓や鉦(かね)も出てきます。日本全国を見渡せば、獅子舞の楽器は太鼓1つしか使わないという地域も多いので、香川県の獅子舞は総じて打楽器が多くてにぎやかな印象です。舞い方は本当に様々で、地域によっては20以上の演目を持つ場合があります。
また、獅子の胴体は幕は油単(ゆたん)といって、毛の模様や武者の絵など様々な柄が描かれます。油単はタンスをカバーする布を指す言葉なので、もしかしたら昔はタンスのカバーを獅子の胴体にしていたのかもしれませんね。
猫獅子はどこでいつ見られるの?
獅子舞が見られるのは、9月~11月の秋祭りの時期が圧倒的に多いです。毎年11月3日前後に開催され、香川県内から約60の獅子舞団体が参加するイベント「獅子舞王国さぬき」などでも猫獅子の姿を見ることができます。
60体の獅子舞が一堂に会すとあって、会場はとっても賑わいます。ぜひ、興味を持った方はこのお祭りに出かけてみてはいかがでしょう?
新型コロナウイルス流行前の賑わいの様子が、讃岐獅子舞保存会のYoutubeアカウントにあがっていますのでこちらもご参考に。
最新の開催情報に関しては、こちらの「獅子舞王国さぬき」のfacebookページをご覧ください。
<参考文献>
『大川郡の獅子舞』田村慎一郎, 1998年, p5-10
『讃岐獅子舞 VOL.2』讃岐獅子舞保存会, 2016年