2020年6月1日(月)Cheer up!花火プロジェクト当日。福島県須賀川市の市民スポーツ広場に向かいました。毎年8月下旬に行われる須賀川釈迦堂川花火大会の場所です。
信頼して話して頂いたので当然、誰にも場所は教えていないし、自分が取材・撮影する事も誰にも言っていません。今回お世話になっている糸井火工さんとの花火でのお付き合いは自分が福島県に住んでからですが、これまで全国にいる花火屋さんと少しずつ積み上げてきた信頼関係があったからこそ色々な深いお話を聞かせて貰えている訳であり、何よりもこの一大プロジェクトに賭ける想いを知ってしまったからには何があっても絶対に水を差す訳にはいきませんでした。
午前中に降っていた雨もおさまり、花火を打ち上げるには良い条件が整いました。新聞社やテレビ局のみなさんも現地に到着しましたが、いつもとは違って非公開の花火大会なので大声をあげたり、機材を大掛かりに準備する事は避けて貰ったりと色々と気を使っていた様です。
自分も折角の貴重な花火を撮影するからには場所の下調べも必要なのですが、いつもの様にカメラバックを背負わず、一般人として散歩している感を出しながら三脚も暗くなってから準備をし、なるべく人に見つからない場所に設置しました。
また糸井社長のおかげで、自分も他の報道陣に混じって花火の準備から入らせて貰えました。現在の心境を聞くと「いつもの花火大会より緊張する」との事でした。もし、何かで情報が漏れたりとかで人がいっぱい集まってしまって中止なんて事になってしまったら、きっと主催者の一人である自分は他のみなさんに顔向けできないのもあったのかも知れません。このイベントにそれだけ真剣に向き合っていたのが伺えました。
20:00
丁度、田植えも終わりカエルにとっては住みやすい環境になった様で大合唱が鳴り響く中で打ち上がりました。久し振りの花火は心地よかったのと同時に、次はいつ見る事ができるのだろうと言う複雑な思いも同時に沸き上がりました。
たった4分程度の花火でしたが、今まで全国各地に出向いて見てきた沢山の花火やそれに関わってきた人の思い出とかを振り返り、今まで当たり前にあった花火大会はたくさんの人のお陰で見る事ができ、とても貴重な出来事だったのだと改めて考えさせられました。
結果的には全国163業者、全て無事に打ち上がった様です。打ち上げ数こそ少ないけれど、少しでも多くの人に見て貰いたいと言う思いで、とある花火屋さんは20か所もの場所で打ち上げていた様です。それぞれの花火業者の当日をTwitterから少し紹介します。
アマビエ様花火の悪疫退散祈願からスタートしました!
全国の皆様へ
届け希望の光!!#cheeruphanabi#花火#コロナに負けるな#秋田県大仙市#北日本花火 pic.twitter.com/lcySLhZYIm— (株)北日本花火興業 (@kitanihonhanabi) June 1, 2020
【 Cheer up!花火 】
無事に打ち上げを終了しました。
花火で希望と元気を届けたい…
ひとりでも多くの人に
笑顔を取り戻してほしい…
新しく生まれた“絆”
日本全国の花火師が込めた
ひとつの“想い”
2020年6月1日の“奇跡”#cheeruphanabi#花火#コロナに負けるな#秋田県大仙市#響屋大曲煙火 pic.twitter.com/Fe0lmBhVvc— 響屋大曲煙火株式会社 (@hibikiyahanabi) June 1, 2020
本日、Cheer up!花火プロジェクトの打ち揚げでした。
弊社は工場のある、塩川町で打ち揚げを行いました。今夜の花火で、希望と元気と笑顔を届けられていたのなら嬉しいです
※少し倍速にしています#cheeruphanabi#花火#コロナに負けるな#福島県 #喜多方市 #塩川町#赤城煙火店 pic.twitter.com/UFimKHsS4X
— 有限会社 赤城煙火店 (@akagi_enka) June 1, 2020
夜空に希望を#cheeruphanabi#花火#コロナに負けるな #群馬県高崎市 pic.twitter.com/0jgOtcKyzO
— 菊屋小幡花火店 (@obata_hanabi) June 1, 2020
悪疫退散祈願!#cheeruphanabi#マルゴー pic.twitter.com/9AVHW15vsU
— 斉木啓介 (@keisuke_saiki) June 1, 2020
チアアップ花火に参加します。
尺玉で悪疫退散してやります。
天気がいいといいな! pic.twitter.com/RA7Sc84sSZ— アルプス煙火工業株式会社【公式】 (@jThBo24UHgm4MtS) May 29, 2020
Cheer UP花火プロジェクトに参加しました。#cheeruphanabi#花火#コロナに負けるな#新潟県小千谷市#片貝煙火工業 pic.twitter.com/NFv2CCcoux
— 有限会社片貝煙火工業 (@katakaienka) June 1, 2020
すんません遅くなりました。
蛙の声が良き。やっぱこーゆー時は花火だな!#cheeruphanabi#花火#コロナに負けるな#愛知県蒲郡市#加藤煙火 pic.twitter.com/9J09JoieOS
— 加藤克典 (@Kato_Katsunori) June 1, 2020
これからの花火業界がどうなるのか今の時点では誰も予想はできませんが、これまでコスト重視で日本人は沢山の良質な技術を失ってきました。花火もその仲間になりつつあります。自分たちにとっては当たり前でも、日本の花火を知らない人が海を越えた先には沢山います。
真夏の炎天下の中での打ち上げ準備の作業、火薬の粉塵で顔を真っ黒にしながらの花火制作、演出を朝から晩まで考えパソコンに向かう日々。お金が沢山貰える訳でも、多くの賞賛を得られる訳でもなく、ただ良い花火を作って喜んで貰いたい一心で彼ら職人は頑張ってきました。
これまで職人が磨いてきた技術はどんな事があっても未来に残していくべき大切なものです。日本人なら誰でも一度は見た事のある花火。どんな人にも少しぐらいは良い思い出があるのではないでしょうか?それが現在、失われつつあります。花火が大好きな1人として、今こそ多くの人に何とかして彼らの支援をお願いしたいものです。