前編では午後の巡行までの様子をご紹介しました。後編はいよいよ夜の巡行です!
前編はこちら!
秩父夜祭、初日の宵宮で楽しむ迫力の屋台!そして秩父の人々のお祭りへの熱い思いに触れる。前編
目次
16時~18時は屋台の休憩タイム。その間に見ておきたい祭りの街のアレコレ。
夜の巡行の前の休憩タイムの過ごし方、見ておきたいポイントをなどをご紹介します!
この信号、歩行者用には工事中のシートが掛かってますが、よく見ると何かがおかしい・・・そう、自動車用の信号機の向きがあらぬ方向に!
本宮の日には屋台が踏切を渡る為、その時間にはわざわざ電車の運行を止め、架線を一時切断するというエピソードをご存知の方もいるかも知れませんが、この信号機も屋台通行の邪魔になる為、向きが変えられてしまってます。
そして街中でこんなものも見つけました!一瞬ぎょっとしてしまいますが、人形です。(笑)
秩父はかつて絹織物で栄えた町。絹市が夜祭で復活しました。この時間に覗いてみましょう!
ついつい匂いに釣られて・・・コレはお祭りに欠かせませんね~♪
座れる飲食スペースもあるので、夜に備えてご当地グルメでゆっくり腹ごしらえもできます!
提灯とぼんぼりを付け、いよいよ夜祭ムードが高まります!
18時頃から始まる夜の屋台巡行に向けて、夕方から各町会所前で夜の支度が始まります。
17時頃にはすっかり提灯やぼんぼりが取り付けられ、夕闇の中美しく浮かび上がる屋台を近くで観たり、記念撮影をするには宵宮のこの時間がおススメです。
屋台に取り付けられた提灯やぼんぼりの灯りはロウソクを使います。ほのかな明かりが何とも美しい。
愛らしい表情で人気の本町屋台後幕の達磨。どの角度からみても達磨が目を合わせてくれないよう作られているのだそうな。
こちらは秩父歌舞伎の上演をする為に、横に長く張出舞台を取り付け、歌舞伎舞台スタイルに変身した中町屋台。
屋台歌舞伎は当番制で毎年いずれかの町会が受け持ちますが、年によって場所や時間が違います。ご興味ある方は行く前にチェックしておきましょう。
昼間に手にしていた扇子を夜は提灯に持ち替えて、いざ夜の巡行に出発です!
華やかに、賑やかに!夜の屋台巡行。
18時より本町、上町、中町の三町会の屋台巡行が始まります。
屋台のすれ違いやギリ廻しを観たい場合は、あらかじめ予定の場所で待ち構えるのも良いですが、宵宮での筆者のオススメは屋台についてゆっくり歩く事です。体も温まり、おのずとすれ違いシーンやギリ廻しも観れるでしょう。
夜になると宵宮でも沢山の見物客でにぎわいます。囃子手の掛け声もヒートアップ!
屋台のすれ違いシーンではお囃子もより一層熱がこもり、沢山の人が詰め寄ります。宵宮では翌日の本宮程規制が厳しくない為夜でも近くで観る事ができますが、事故に至らぬよう十分な注意も必要です。どこのお祭りでもそうですが、人の流れに逆らわないようにしながらも、少しずつ行きたい方向を目指すのがコツです。屋台のすれ違い地点付近では歩道にかなり屋台が接近するため、運営の方から厳しい声で注意をされることもあります。それも安全に楽しむ為ですので必ず従いましょう。
すれ違い時には上の人にもご注目!町会間の交流がほほえましいですね。
神社から少し離れた大きな通りの秩父駅入り口交差点。広いのでギリ廻しを近くで観るオススメポイントの一つです!
最後は各町会の屋台庫へ。宵宮のラストは秩父神社内に屋台庫を構える本町屋台がおススメ!
宵宮では夜の巡行を20時で終え、各町会の屋台庫へ向かいます。宵宮最後の筆者のおススメは秩父神社内に屋台収蔵庫がある本町屋台です。
特にギリ廻しを夜にゆっくり観る事ができるポイントは、比較的人が少ない神社から離れた折り返し地点での広い交差点か、もしくはこの日の最後に本町屋台が独占する秩父神社の広い境内なのです。
秩父神社へ戻る本町屋台。
境内の端の方にある屋台庫へ向けて、ここでもギリ廻し。
ギリ廻しが終わり屋台を元に戻す時、てこ棒の最後尾の人が棒に掴まったままゆっくり上がっていきます。高く上がると周囲からは歓声も上がります。
神社の隅の方にある本町屋台庫へは、神楽殿の張り出した屋根(写真右)のすれすれのところを、難しい角度で通り過ぎます。
宵宮の日にも小規模ながら花火が上がります。屋台巡行が予定通り進めば、ここ秩父神社内で屋台と一緒に花火を観る事も!
そして屋台庫へ向けて、この日最後の力を振り絞ってのギリ廻しです!
屋台庫手前でぼんぼりと提灯を取り外します。ロウソクの火が一つ一つ消されていく・・・
最後は沢山の観客に見送られながら、屋台庫へゆっくりと吸い込まれるように帰っていきます。
本宮では夜半過ぎまで曳き回しされ、屋台庫に入る時間は翌日明け方近く、さすがに観客の姿もあまりない時間になりますが、宵宮は20時半には終わります。周辺の都県へならまだ電車で帰ることができる時間でしょう。(無料駐車場は21時まで)
「ホーリャイ!ホーリャイ!ホーリャイ・・・」
何度も何度も別れを惜しむかのようにいつまでも繰り返す・・・そしてそれが終わると自然とあたたかな拍手が沸き起こる。
一日屋台に付き添ってみると、秩父の人々がこのお祭りに注いでいる情熱を感じます。屋台を中心に、各町会が一つの大きな家族であるかのように団結し、そして他の町会との連携や神社との繋がりも大切にし、大規模なお祭りでありながら進行の殆どが地元の人の手によってなされている事に気づくはずです。それもその筈、ここ秩父では祭りの日になると街のほとんどの会社や学校がお休みになるそうです。
秩父夜祭、宵宮の一番の魅力は、この土地の人々の「祭りの心」により近づける事。
宵宮を最後まで見届けた時、囃子手が晴れ舞台に上がり流す涙の訳を知り、そして帰る頃にはあなたの目にもこみ上げてくるものがあるかも知れません。