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荏原神社天王祭で4年ぶりに練り歩くお神輿!城南担ぎが品川宿を盛り上げる

2023/6/13
2023/6/15
荏原神社天王祭で4年ぶりに練り歩くお神輿!城南担ぎが品川宿を盛り上げる

品川・荏原神社の祭り

江戸時代に日本橋から整備された五街道の一つ、東海道最初の宿場町である「品川宿」。現在でも往時の姿が垣間見られるこの町には、「南の天王様」と呼ばれ地域の方々に親しまれてきた「荏原神社」があります。古くは天王社や貴布禰(きふね)大明神、品川大明神とも称され、その創建は709年(和銅2年)。高龍神(龍神)や須佐男之神(牛頭天王)等を御祭神として祀り、品川の歴史を見届けてきました。

荏原神社天王祭

荏原神社の前に流れるのは、旧東海道と交差し東京湾へとそそぐ目黒川。以前は荏原神社の北側を流れていましたが、大正から昭和にかけての川筋整備で水害防止のために南側を流れるようになりました。そのため現在では、朱色の鎮守橋を渡って境内へ向かうことができます。

荏原神社天王祭

こちらで毎年6月7日近くの金土日曜日に3日間で行われるのが、荏原神社例大祭「天王祭」。今年は4年ぶりにお神輿も出て盛大に開催されましたので、その様子をご紹介していきます!

荏原神社天王祭

旧東海道を進むお神輿

荏原神社の氏子範囲は、旧目黒川を境に南側に広がります。そのため荏原神社の天王祭は「南の天王祭」とも呼ばれ、同日に行われている北品川の品川神社例大祭(北の天王祭)と合わせ、品川一体が大いに盛り上がる週末となります!また天王祭と名が付いているこのお祭りですが、京都の八坂神社より1247(宝治元)年に勧請された牛頭天王(須佐男之神)に由来しているとのことです。

荏原神社近くで南北にのびる旧東海道品川宿の街並み、こちらへもお神輿がやってきますよ。6月4日の15時過ぎには、氏子13町会のお神輿が荏原神社前に広がる目黒川櫻河岸での勢揃いを目指し進んでいました!

荏原神社天王祭

品川宿の問屋場があった跡地の交差点です。旅人が行き交ったであろう歴史ある場所へ、続々とお神輿が渡御してきます!

荏原神社天王祭

連なってお神輿が進んでくる場面も。荏原神社天王祭で渡御するお神輿には、屋根に御神面を付けたものがあるのもポイントです。

荏原神社天王祭

羽田空港が近いため、飛行機とお神輿の共演が見れる瞬間もありますよ!

荏原神社天王祭

諏訪会のお神輿にも御神面が付けられていました。またお神輿の担ぎ方にも注目してみてください。お神輿にお尻を向けず担ぎ棒を背負うように肩に乗せ、お神輿中央に向かって皆が担ぐ「城南担ぎ」が特徴的なんです!そして縦棒は二本のみで化粧綱が前面で立派に巻かれているというのも、下町の江戸前神輿と違う品川ならではのお神輿の姿となります。

荏原神社天王祭

さらにお神輿の左前に太鼓が設置されているのも特筆すべきところ。この太鼓は「大拍子」と呼ばれ、太鼓と篠笛で奏でられる「品川拍子」がお神輿の行く先々を盛り上げます!もう一点目を惹くのは、鳳凰がくわえているもの。豊作と豊漁を祈り、早苗の稲穂がくわえられているのもユニークな点です。

荏原神社天王祭

城南担ぎや品川拍子についてはこちらの映像が分かりやすくなっています。波のように左右上下に揺れる渡御姿も見どころですよ!

13基勢揃いで盛り上げる

品川宿を巡っていた13基のお神輿が、連合渡御となり並んで荏原神社を目指し進んできました!この後には荏原神社前の櫻河岸において、お神輿の勢揃いと式典が行われます。

荏原神社天王祭

次々にやってくるお神輿の数々。一列にお神輿が進んでくる姿はかっこいいですね!

荏原神社天王祭

もう目前には目黒川に架かる鎮守橋や荏原神社の鳥居が見え、まもなく櫻河岸です。一層気合いが入ります!

荏原神社天王祭

櫻河岸へと到着しました。本日最大の見せ場となり、勢いよくお神輿が持ち上げられます!

荏原神社天王祭

お次に櫻河岸に到着したのは博友会のお神輿。目の前で持ち上げられるお神輿はものすごい迫力です!

荏原神社天王祭

続いては諏訪会です。大波での登場となりました!お囃子に合わせての掛け声が良いですね。

荏原神社天王祭

櫻河岸に到着したお神輿が、目黒川に沿って並んで小休止となります。

荏原神社天王祭

今度は東睦が進んできました。

荏原神社天王祭

こちらは目黒川の下流側へ。向かう先では既に4基のお神輿が並んでいますよ。

荏原神社天王祭

三睦会も続きます!

荏原神社天王祭

最後にやってきたのは、宮本・櫻心会。一際大きなお神輿ですね。活気のある渡御を披露し、13基勢揃いを締められました!

荏原神社天王祭

目黒川沿いの櫻河岸に並ぶ13基のお神輿。新緑に金色の姿が映え美しい光景です!

荏原神社天王祭

荏原神社天王祭

お神輿が勢揃いしたところで式典が開催されます。挨拶の中で、4年ぶりの盛大な神輿渡御ができ嬉しいとのお話もありました。

荏原神社天王祭

式典の最後には、木遣りが披露され鏡開きが行われる場面も。このおめでたい雰囲気が良いですね!

荏原神社天王祭

御神面海中渡御神輿に注目

荏原神社天王祭の名場面の一つに上げられる「海中渡御」。残念ながら今年は実施されませんでしたが、例年ですとお台場海浜公園周辺でお神輿が海中へと入る「神輿洗い」が行われます(式典の挨拶の中で、来年こそは海中渡御復活を、とのお話もありました)。この海中渡御を実施するのが、こちらの洌崎町会が担ぐ寄木神社のお神輿です。なぜ寄木神社のお神輿なのかというと、荏原神社の旧宮神輿が第二次世界大戦中の金属供出に出されてしまったからなんです。それまでは旧宮神輿が海中渡御を行っていたそうですが、以降は荏原神社の末社でもある寄木神社のお神輿で海中渡御がされています。

荏原神社天王祭

河口付近の目黒川沿いを進む海中渡御神輿。その屋根に乗る御神面は牛頭天王のお顔なのです!江戸時代の1751(宝暦元)年に寄木神社近くの品川沖で御神面が発見され荏原神社へと奉納されたことから、天王祭では御神面がお神輿へと飾られるようになりました。また牛頭天王が水神であることから、天王祭のことを「かっぱ祭り」と呼ぶこともあります。

荏原神社天王祭

今年は海には入れませんが、勢いよく町内を渡御していきます!かつては寄木神社の目の前は東京湾だったため、近くで海中渡御が行われていました。また埋立地に天王洲という地名がありますが、こちらは御神面の話に由来しています。

荏原神社天王祭

荏原神社天王祭

寄木神社の前まで進んできた御神面海中渡御神輿。より一層盛り上がりますよ!

荏原神社天王祭

この活気、勢い、たまらないですね!

荏原神社天王祭

洌崎町会の御神面海中渡御神輿、来年は元気に海の中を渡御する姿が見られることを祈りたいですね!

子供神輿も元気に進む

大人のお神輿が渡御する前の午前中からお昼過ぎにかけては、子ども達が活躍する時間でした。子ども達によって曵かれる山車や担がれる小神輿が登場し、旧東海道の通りを賑わせていましたよ!

荏原神社天王祭

宮本・櫻心会の山車の上に乗るのは桃太郎。子ども達が元気よく曳いていきます!

荏原神社天王祭

山車が並んで、お囃子を叩き合う場面も。

荏原神社天王祭

小神輿もみんなで楽しそうに担がれていきます!

荏原神社天王祭

小神輿は、屋根に太鼓が乗りますよ。地元の子どもが器用に叩いて太鼓の音を響かせていきます。

荏原神社天王祭

高々と担ぎ上げて盛り上げてくれる瞬間も!

荏原神社天王祭

荏原神社天王祭

旧東海道にお囃子が高らかに響き、子ども達が盛り上げてくれるのは嬉しいですね!

荏原神社天王祭

荏原神社天王祭

露店情報・アクセス

荏原神社前を流れる目黒川の両河岸には、ずらっとたくさんの露店が連なります!焼きそばやたこ焼きといった定番のお祭りグルメも提供されています。

荏原神社天王祭

勢揃い後は、お神輿を間近で見ながら露店を楽しめる時間も。お祭りに行ったらおいしいものを探すのも醍醐味ですよね!

荏原神社天王祭

■荏原神社へのアクセス

・京急本線 新馬場駅南口より徒歩4分

・りんかい線 天王洲アイル駅B出口より徒歩13分

・東京モノレール 天王洲アイル駅南口より徒歩14分

 

毎年6月7日近くの金土日曜日に開催されている、荏原神社例大祭「天王祭」。旧東海道品川宿の活気あるお祭りを体感しに、ぜひ来てみてください!

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