しし踊り百頭が大行列、その勇壮さに心躍る。江刺甚句踊りに出る若者の赤や青など色とりどりの衣装や髪型を見ていると元気が湧いてくる。
岩手県奥州市で開催される江刺甚句まつりは、「市民のパワー」を非常に感じるお祭りだ。自らが所属する地域や団体、職場など、その繋がりを再確認する場であるようにも思える。外から来たお祭りファンにもその熱狂が伝染するのだ。
2023年は50周年の記念すべき年で、5月3日・4日に開催された。4日の様子を中心に、このお祭りを振り返っていくことにする。
祭りの起源は、1822年に遠江国(現在の静岡県中西部)から岩谷堂の秋葉神社に火伏せの神の分霊を迎え、同年代に祭事を行ったことに遡る。奥州市江刺の中心市街地である岩谷堂では、1731年から1906年 ...