今日はいよいよハロウィン!といってもコロナ禍が続く日本では、今年も派手に盛り上がる雰囲気はありませんね…。
とはいえ、ハロウィンイベントをやっている公園や施設には、巨大なカボチャやジャックオーランタンが飾られていて、しっかりハロウィンの雰囲気を醸し出しています。
巨大なカボチャといえば、海外では大きさを競うコンテストをやっているニュースを見かけますが、実はあの大会、日本にもありました!しかも日本一になると世界大会に進出するのだそう。
というわけで、今回は巨大カボチャ日本一を決めるお祭りと、あのカボチャって何者?食べられるの?など素朴な疑問について探ってみたいと思います。
毎年開催!「日本一どでカボチャ大会」とは
2021年で35回を迎えた「日本一どでカボチャ大会」は、巨大カボチャの収穫を終えた毎年9月に香川県の小豆島で行われ、今年は9月19日に開催されました。
役立たずという意味で使われる「どてかぼちゃ」という言葉は、畑ではなく土手に自生していたカボチャが日光や肥料不足で小さく痩せていて食用に向かないことが語源ですが、それをもじった「どでカボチャ」はまったく逆。
人の手では運べないほど大きく丸丸と育ったカボチャの、重さを量って日本一を決める大会です。
例年は子どもたちがカボチャの塗り絵をしたり、ハロウィンのような仮装やメイクをしたりなどのイベントも同時開催されますが、今年はコロナ禍ということで計量のみの大会となりました。
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どでカボチャ日本一を決めるこの大会に出場するために、実は地方大会がある県もあるのです。各県での予選大会にも、丹精込めて巨大に育てられたカボチャが集結し盛り上がりをみせています。
どでカボチャ日本一を目指せ!地方大会
現在、地方大会のある県は、大会公式サイトの情報によると千葉県、鹿児島県、三重県など5つの県。それ以外の都道府県からは「車で来島が可能な方」を参加条件として、今年の大会が開催されました。
ジャンボかぼちゃ千葉県大会
千葉県鴨川市で行われるジャンボかぼちゃ大会は、2009年の初開催から12回目で、今年は9月12日に開かれました。この大会で優勝したかぼちゃは全国大会でも上位入賞を果たすことが多く、まさにかぼちゃ界の登竜門的大会です。
今年の優勝かぼちゃは361kgを記録し、日本一どでカボチャ大会でも2位に輝きました。
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日本一どでカボチャコンクール鹿児島県大会
鹿児島県では、今年は8月8日に阿久根市三笠地域村おこし有志会が主催する地方大会が開催されました。
2年ぶりの開催となった今年の大会では、市内外から44個のどでカボチャがエントリー。優勝に輝いたのは178.6kgのかぼちゃでした。また、鹿児島県大会では小学生の部があり、小学6年生が育てた88.4kgのかぼちゃが優勝しました。
日本一どでカボチャ三重県大会
三重県も毎回、優勝者や入賞者を輩出する強豪県です。特に木曽岬町には、どでカボチャの愛好会があり、どでカボチャ栽培のメッカといっても過言ではないでしょう。
今年2021年の小豆島の本大会で日本一の座に輝いたのも、三重県木曽岬町に住む白木さんが育てた394kgのカボチャでした。本業はトマト農家だという白木さんは「あれで1位になって悪いな」とコメントしていたそうです。
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巨大なかぼちゃは何者?食べられるの?
日本一どでカボチャ大会にエントリーするような、ハロウィンでも見かけるあの巨大なかぼちゃは、普段私たちが食べているものと種類が違うかぼちゃです。そして、用途も少し違っています。
かぼちゃの種類
かぼちゃには大きく分けて日本かぼちゃ・西洋かぼちゃ・ペポかぼちゃの3種類があります。
今の日本で最も多く流通して普段食べられているのは、甘みの強さが特徴の西洋かぼちゃです。
こちらは、西洋かぼちゃで一番有名な種類の黒皮栗かぼちゃ(栗かぼちゃ)。他には坊ちゃんかぼちゃ、細長い形をした長かぼちゃなどがあります。
そして、日本かぼちゃは1960年代頃まで一般的だった品種で、甘味とでんぷん質が少なく、水分が多いため食感はねっとりしています。下記の菊かぼちゃのように縦の筋が深く切れ込んでいるのが見た目の特徴です。また、ひょうたんのような形をしたバターナッツも日本かぼちゃの仲間です。
ペポかぼちゃはどちらにも属さない種類で、北米南部が原産の園芸用品種です。観賞用や家畜の飼料用であまり食用には作られていませんが、種に栄養があるといわれます。
日本では「そうめんかぼちゃ」とも呼ばれる金糸かぼちゃが出回るようになっていて、また、ズッキーニもぺポかぼちゃの仲間です。
巨大なかぼちゃの品種は?
大会で大きさが競われるほど大きく育つのは「アトランティックジャイアント」という、ぺポかぼちゃの仲間です。しかし、この品種だからといって放っておけば巨大化する訳ではありません。
大きく育てるためには、ツルや葉を広げるための広い土地や豊かな土、十分な日光と水分が必要です。そして1つの株には1つの実だけにして、養分を集中させて育てなければならないようです。
アトランティックジャイアントは飼料用・観賞用に栽培されるため、食用にすることはまれですが、食べられないことはありません。味は水っぽくて甘みが少ないので、同じ仲間のズッキーニを思い浮かべるとよいかもしれませんね。食べるときは砂糖を足してパンプキンパイやジャムなどにしている方が多いようです。
どでカボチャの世界大会はレベル違い!?
「日本一どでカボチャ大会」の優勝かぼちゃは海を渡って、世界大会に進出します。
海外勢の作るどでカボチャは相当の大きさで、かなり手ごわいようです。ギネスブックに登録されている世界最大のアトランティックジャイアントはなんと約1190.5kgと、驚異の1トン超え!それでも世界制覇を目指して、ぜひ日本のどでカボチャに頑張ってほしいですね。
ちなみにアメリカでは、巨大かぼちゃの中をくり抜いて舟にして乗り込み、競争する大会があるそうです。ボートに乗るのは子どもかと思いきや、大の大人たちが乗り込んで全力でパドルを漕いでいます!大人が乗っても沈まないかぼちゃにも驚きですが、こんなお祭りが日本にもあったらとても楽しそうです。
まとめ
今回は優勝したら世界大会へも進出する「日本一どでカボチャ大会」と地方の予選大会、かぼちゃの豆知識などをご紹介しました。
かぼちゃの重さを競う大会はとてもユニークですが、大きく育て上げるには大変な苦労がありそうです。ハロウィンの日、周囲やメディアに映る巨大なかぼちゃを見かけたら、丹精込めて育てている人やコンテストのことを思い出して、今までよりもかぼちゃがちょっと身近に感じられそうですね。