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2023年は5年に一度の大祭!山車が31輌も集結「はんだ山車まつり」は今週末開催!

2023/10/25
2023/10/24
2023年は5年に一度の大祭!山車が31輌も集結「はんだ山車まつり」は今週末開催!

「はんだ山車(だし)まつり」は、5年に一度、50万人を超える人々が集う愛知県半田市のお祭りです。このお祭りでは、毎年「春の山車祭り」で曳き回される10地区の山車が31輌一挙に揃います。

横一列に並ぶ迫力ある山車の姿が見られるのは、5年に一度のまたとない機会。31輌の山車をこの目に収めんとする50万人の人々で、半田市が熱気に包まれます。

第九回となる今年の開催日は、来たる10月28・29日。新型コロナウイルスの影響により、はんだ山車まつりが開かれるのは6年ぶりです。そこで、多くの人々が待ちわびたこのお祭りの歴史や見どころをご紹介します。

半田市内の各地区から集う31輌の山車

名古屋駅から公共交通機関でおよそ一時間弱の知多半島に位置する半田市。6年ぶりの開催となる今年のテーマは、新型コロナウイルスの感染拡大の時期を乗り越えたことを、市民一人ひとりと分かち合う「慶(よろこび)」です。

はんだ山車まつり、山車31輌の勢揃いCC BY-NC-ND 半田市

最大のイベントは「山車31輌の勢揃い」です。巨大な山車が一列に並ぶさまは、見事の一言。また、31輌の山車は、毎年3月から5月までの週末に開催される「春の山車祭り」で、10の地区ごとに曳きまわされている市のシンボルといえるもの。

その一つである亀崎地区の「亀崎潮干祭(かめざきしおひまつり)の山車行事」は、ユネスコ無形文化遺産に登録され、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

亀崎潮干祭亀崎地区の山車は波打ち際ギリギリまで曳き回される/CC BY-NC-ND 半田市

亀崎潮干祭が大きく注目されたことは、半田市の山車の価値がより広く認められるきっかけにもなりました。「はんだ山車まつり」は、半田市を語るのに欠かせない位置づけの祭りの一つなのです。

絢爛豪華な山車文化を築いた半田市の経済発展

地区ごとに毎年開催される「春の山車祭り」「春の山車祭り」の様子/©CAC

300年以上もの歴史があるといわれている「春の山車祭り」と比べ、「はんだ山車まつり」は、昭和54年の誕生と比較的新しいお祭りでもあります。というのも「はんだ山車まつり」は、「春の山車祭り」で脈々と受け継がれてきた半田市の伝統文化を、まちおこしの一環として当時の青年会議所が企画したことがきっかけなのです。

新たな祭りは立ち上げに難航したものの、第一回には8万人、前回の第八回には55万人が訪れるほど、大きな成長を遂げました。地域をあげた「はんだ山車まつり」はこうして着実に認知度を上げ、規模を広げ続けているのです。

お祭りの主役ともいえる山車には、豪華な彫刻や華やかな幕、緻密な技巧のからくり人形など、装飾がふんだんに施されています。31輌もの数の山車に惜しみないお金と労力がかけられているのは、この地域が古くから海運業、醸造業などの産業で栄えたことと深い関わりがあります。

江戸時代、天然の良港「衣ケ浦」に面した半田は、海運業が発展する中で、醸造、織物、製塩の産業も伴って成長していきました。つまり、当時の地域の人々が築いた財力によって、それぞれの地区で山車が建造されていったのです。

また、実際に「はんだ山車まつり」が開催される半田運河沿いにも、醸造が盛んに行われていた当時の醸造蔵が多く残っており、半田のかつての賑わいの片鱗に触れることができます。

山車からくりと子供三番叟

からくり人形を上演する「山車からくり」も、半田の豊かさの象徴。尾張地方の山車の特徴の一つでもある山車からくりは、全国各地にある山車のうち、半数以上が尾張地方にまとまって存在しているそうです。

そして半田市の山車は、20輌が山車からくりで、30組もの人形たちの技芸を各地区の氏神に奉納します。お囃子や三味線、琵琶などと共に上演されるのは、三番叟(さんばそう)、巫女舞、布ざらし、面かぶり、太平楽などの技や物語。職人の手によって命を吹き込まれた人形の繊細な表現力に注目してみてください。

また、「はんだ山車まつり」では、伝統芸能の観覧も外せません。その一つに、小学校入学前後の男の子が舞台に立つ「子供三番叟」があります。

これは上半田地区のみ春の山車祭りで奉納している芸能で、別名「ちんとろ祭り」と呼ばれています。はんだ山車まつりでは半田運河に浮かべた「ちんとろ舟」の上、男の子二人が北組・南組と2組に分かれ、北組が男三番叟「住吉丸(すみよしまる)」を、南組が女三番叟「入宮丸(いりみやまる)」を舞います。

半田運河に広がる夕暮れ(写真はイベント「Canal Night」のもの)/CC BY 半田市

装いや化粧、踊り方に違いがある二人の子供による「子供三番叟」。見ごたえのある演技や舞いは、半田市の歴史とともにある半田運河に浮かぶ幻想的なちんとろ舟の上が一番に映える舞台となります。

2023年の開催について

今年の「はんだ山車まつり」は、その他にも終日イベントが目白押しです。例えば、31輌の山車が提灯で彩られる「宵祭り」は、今回が初の試み。一日目の締めくくりには、半田運河沿いに花火が上がります。

さらに半田運河の「+HANDAエリア」では、日本酒やクラフトビールなど、半田市の特産品も堪能できますよ。

CC BY-NC-ND 半田市

5年に一度という、長い年月を越え2日間にかける「はんだ山車まつり」。半田市の人々の情熱を、山車を曳く人々の姿や披露される伝統芸能など、たくさんの催し物から感じ取ってみてください。

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