もうすぐ桃の節句「ひなまつり」。そのひなまつりの行事食として欠かせないのが「白酒」です。ひなまつりに飲まれる「白酒」とは、どんな飲み物なのでしょうか。ここでは、白酒の特徴や歴史、甘酒との違いをはじめ、おすすめの飲み方も紹介します。
白酒ってなに?
白酒を作る材料は、保温された白米と米こうじです。そこに焼酎やお酒、みりんなどを混ぜ、熟成させたものを石臼ですり潰して作ります。甘味が強く、粘り気やとろみのある見た目が特徴的です。
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白酒が飲まれるようになったきっかけは?
白酒の起源は古代中国にあります。古代中国の人々は、桃の仙木に長寿や邪気を払う力があると信じており、上巳の日=(3月3日)に「桃花酒」を飲む風習が根付きました。この風習が日本にも伝わり、男女関係なく邪気を払う目的として、上巳の節句に桃花酒が飲まれるようになったのです。
やがて江戸時代になると、女の子の成長を祝う「ひなまつり」が定着し、桃花酒に代わって「白酒」が好んで飲まれるようになりました。この白酒が飲まれるようになったきっかけには諸説あります。
一つは、豊島屋の初代店主が、夢に出てきたおひな様に白酒の作り方を教えてもらったことをきっかけに、白酒を作りそれを売って民衆にはやらせたという説。もう一つは、大蛇を身籠ってしまった女性が、3月3日に白酒を飲んで大蛇を退治した伝説。この伝説をきっかけに、胎内に災いが起きないように、白酒が飲まれ始めたのではないかといわれてます。
「白酒」と「甘酒」は勘違い厳禁!
「白酒」と「甘酒」は見た目が似ていますが、両者は別物です。
白酒は、みりんと焼酎をベースに、米と米こうじを仕込んでから約一ヶ月間熟成させたもろみを荒く潰して作られています。
一方、甘酒は一般的に白米と米こうじを混ぜてから蒸して、米に含まれるデンプンを糖化させて作られています。そのため、アルコールをほとんど含まない甘口の飲み物になるのです。このようにして、ひなまつりの行事食として子供用に作られたのが甘酒。大人がたしなむために作られたのが白酒になります。白酒にはアルコールが含まれるため注意しましょう。
【3月3日はひなまつり】
ひなまつりと言えば「白酒」。
お子様が飲めるノンアルコールの「甘酒」が代用されますが、こちらは白酒の起源という説もある「博多練酒」
絹のようになめらかで甘酸っぱいお酒です。
子供は甘酒、大人は練酒でお祝いしましょう(・∀・)https://t.co/LWJujj2VX2 pic.twitter.com/r17DVJ3TZ0— 日本名門酒会 (@meimonshu) February 28, 2023
白酒のおいしい飲み方
白酒は、アレンジによってさまざまな風味を楽しむことができます。素材の味を楽しむのはもちろん、白酒をカクテルのベースとして使用するのもおすすめです。
ロック
ロックは、ストレートよりもスッキリとした味わいを楽しめます。白酒特有の粘り気ととろみのハーモニーを程よく感じることができます。
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ストレート
ストレートは最もポピュラーな飲み方。「ぬる燗」や「熱燗」にして飲むと、身体の芯から温まることができますよ。
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カクテル風
白酒は、リキュールに分類されるため、カクテルのベースとして使用するのもおすすめです。ジュースやリキュールを入れることで、白酒の風味を生かしながらもフレッシュな味わいを堪能できます。
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桃の花を浮かべる
ひなまつりの象徴といえば桃の花。昔、桃の節句に桃花酒を飲むと、邪気が払われ健康になると考えられていました。ひなまつりには、白酒に桃の花を浮かべて無病息災を祈ってみてはいかがでしょうか。
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まとめ
白酒には、健康を促進する成分が豊富に含まれているため、健康を願うこの祝いの日にピッタリの飲み物です。ひなまつりには、子供の健康や幸せを、自分へのねぎらいなども込めて白酒を飲んではいかがでしょう。