※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響により神輿の渡御と区内巡幸をとりやめ、居祭(いまつり)稲荷祭として本殿にて開催されます。 2021年には例年通り開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。 (2020年4月9日 編集部)
「稲荷祭」とは、京都市伏見区にある伏見稲荷大社(以下、「伏見稲荷」と略します)のお祭です。伏見稲荷では、四季を通じてさまざまな祭礼や神事を執り行っていますが、この「稲荷祭」は、稲荷大神が年に一度氏子区域を巡幸される、大社最重要の祭儀になります。またこのお祭は、稲荷大社の巡幸になるので、稲荷大社が還幸されるまでの間、半月ほど続きます。ここでは、4月に開催される稲荷祭についてご紹介します。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年4月9日 編集部更新)
稲荷祭の基本情報
●居祭(いまつり)稲荷祭開催日時:
2020年4月19日(日) 神幸祭 午前11時
2020年5月3日(日・祝) 還幸祭 午前11時
2020年5月4日(月・祝) 後宮祭 午前10時
・湯立神楽は本社(神楽殿)にて執り行います
●場所:伏見稲荷
●最寄り駅:JR稲荷駅すぐ
今さら聞けない!?伏見稲荷について
伏見稲荷は、全国に3万社あるといわれる稲荷神社の総本社または総本宮(そうほんぐう)です。稲荷神社の御祭神(ごさいじん。鎮座している神様)は、五穀の恵みをもたらす農業神の宇迦之御魂(うかのみたま)ですが、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、交通安全、諸願成就の神様として全国で広く信仰されています。ところで、伏見稲荷と言えば、千本鳥居が有名ですが、我々が存在するこの現世から、神様が召します異界へと繋がる門として建てられたのが始まりとされ、江戸時代に奉納されたといわれています。なお「千本鳥居」は実際に鳥居の数が千基あるわけではなく、非常に多いと言う意味で千言葉が使われています。
稲荷祭のあれこれ
伏見稲荷大社稲荷祭(いなりさい)は、平安時代から開催されていると言われています。なお稲荷祭は、江戸時代では、葵祭(賀茂祭)・祇園祭とともに京の三大祭の一つに数えられていたそうです。先ほども少し触れましたが、稲荷祭とは、今ご紹介している神幸祭(しんこうさい)と、5月3日にある還幸祭(かんこうさい)を指します。稲荷祭(神幸祭:別称「おいで」)では、5基の神輿に神璽を移し、神輿・神職などを乗せたトラックが氏子区域を巡幸し、伏見稲荷大社御旅所の奉安殿に神輿を駐輿します。
稲荷祭の注目点
やはり「トラックに神輿が乗っている」ことでしょうか。人が神輿を担いでいるのが一般的だと思いますが、トラックに人も神輿も乗り込んで巡幸するのです。一説によると、このトラック巡行は、交通事情などを考慮して1962年より現在のトラックでの巡行になりました。初めてご覧になられる方は、おそらく初めて見る光景だと思われるので、どなたも驚かれるそうです。