2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2020年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)
桜と国宝天守を照らす
犬山城を知っているだろうか? 現存する日本の城の中で最古とされる天守を持ち、国宝指定された5城のうちの一つである。だが、そんな説明を抜きにして、とても美しい城である。城自体もさることながら、良いのは立地だ。愛知と岐阜の県境を流れる木曽川をたずさえ、小高い丘から優雅に姿を現す、何とも絵になる城である。
良い立地というのはそれだけではない。春には400~500本の桜が木曽川沿いを彩る。僕がとても好きなのは、船の上から眺める桜並木と犬山城。あるいは天守閣から眺める城下。日本が誇るべき景観だと思う。
そして、そんな桜が咲き誇る季節に開催されるのが「犬山祭」。見どころは13台の大きな車山(やま)を曳き回す雄姿なのだが、夜にはこの車山に365個の提灯が付けられる。500の桜と国宝天守、それを照らすおよそ5千の提灯。何と壮観ではないだろうか。
犬山城から犬山駅まで1台5トンもある車山を曳いていく。定刻を待つ間に、城の前に鎮座する13台の車山をぜひ見てほしい。
また、犬山は日頃から観光地として栄え、元々食べ歩きができる街ではあるが、この日はさらにたくさんの出店が並ぶ。木曽川で取れた「天然アユの串焼き」、知多半島名物「大アサリ」や、B級グルメ「ベトコンラーメン」など、愛知と岐阜のうまいものがそろう(※ベトコンラーメンとは、しょうゆベースのスタミナラーメン。小生のラーメンライフの中で上位に食い込む代物だ)。
名古屋駅からも特急を使えばすぐ来ることができ、愛知県、岐阜県を観光する際にはぜひ視野に入れてほしい。笑顔で車山を曳いていく人たちを追いながら帰路につくと、また遊びに来たいと思ってしまう。そんな魅力のある祭りだ。
▽開催地=犬山城下町一帯、名鉄犬山駅西口すぐ
▽アクセス=名鉄名古屋駅から犬山駅まで快速特急・特急で約25分
▽開催時期=毎年4月第1土日曜日開催