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【教養としての民俗芸能】#1 民俗学から見た民俗芸能学

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はじめに

日本の祭り。東京(江戸)でいうならば三社祭や神田祭が有名であろう。江戸の気風を今に伝える神輿や音色、人柄は非常に見応えがあるものの、もしかすると見た目の華やかさばかりに目を向け、「なぜそれをやるのか」までは考えずに会場を後にする人のほうが多いかもしれない。

ちなみに三社祭は1312年、神田祭は730年から始まった、長い歴史を持つ祭礼である。そこには代々受け継がれてきた日本人の心が確かにある。

そうした、私たちが日々の暮らしで連綿と受け継いできた日本人の文化や生活の風習、ひいてはそれらを支える日本人の心について探求する学問が「民俗学」である。その中でも、祭礼などで受け継がれた舞や踊りを探る領域も民俗学の対象ジャンルの一つで、それらの芸能を「民俗芸能」と呼ぶ。

芸術家たちが ...

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