お正月飾りとしておなじみの鏡餅。
年神様にお供えした後は、鏡開きをします。神様の依り代でもあったお餅ですから、ありがたい気持ちで美味しくいただきたいですね。この記事では、鏡開きの意味や由来についてご紹介していきます。
鏡開きとは?
お正月に神棚などに飾っていた鏡餅を下ろして食べることを「鏡開き」といいます。
由来や意味など鏡餅や鏡開きについて詳しくみていきましょう。
鏡餅の由来
日本では古来より、お正月にはその年の神様である「年神様」がやってくると信じられてきました。神様は鏡に宿るものとされていることから、お餅を鏡に見立てて飾るようになったのが鏡餅の由来とされています。鏡餅はただの飾りではなく、年神様の依り代としての役割があるのです。
また、貴重なお米をついて作るお餅は、幸福や恵みを象徴する特別なものですから、鏡餅は年神様にお餅をお供えする意味もありました。
鏡餅に込められた意味
鏡餅の丸い形は、鏡を模している他にも、魂を象徴したものともいわれています。大小2段に重ねることで「月と太陽」、「陰と陽」を表すという説も。
鏡餅には年神様の霊力が宿っているため、お正月が明けたら鏡餅を食べることで、その力を分け与えてもらうことができると信じられてきました。
鏡開きのやり方
鏡開きとは、鏡餅を下ろして食べる行事のことをいいます。昔は、鏡開きは「歯固め」の行事ともされてきました。固くなった鏡餅を食べることで、丈夫な歯になることを願うのです。しかし、最近では鏡餅で歯固めをすることはあまりなくなり、柔らかく調理していただく家庭が増えているようです。
また、最近ではパックされた鏡餅も増えているため、普通のお餅と同じようにいただくことが可能になりました。ここでは鏡開きについて解説します。
本日の放送もお疲れ様でした。仰る通り、昔は今みたいに真空パックではありませんでしたからね。餅に黴が生えたらそこの箇所を削ぎましたが…。それと鏡開きはご存知の通り、包丁で割るのは忌嫌で、鑿 ( のみ ) を金槌で叩いて鏡餅を割るのが常道でしたね…。 pic.twitter.com/t9MJDNDJZM
— JG7MER / Ackee📡📶 (@inuwashi_10) January 14, 2021
鏡開きはいつやるもの?
年神様が家にいらっしゃる期間を「松の内」といいます。関東では1月1日~7日が松の内とされます。鏡開きは、年神様が帰られた後の1月11日に行うのが一般的ですが、関西では1月1日~15日が松の内とされているため、15日に鏡開きをします。ほかにも、20日に行う地域もあるようです。京都では1月4日に行われたりと、各地域によって違いがあります。
鏡開きでNGなことは?
「鏡開き」の「開く」という言葉は、末広がりの意味を持ち縁起がいいということで用いられるようになりました。また、年神様が宿ったお餅を刃物で切るのは縁起が悪いとされるので、金槌などで叩いて割るのが一般的です。せっかくのありがたいお餅ですから、残さず食べることも大切です。
食べてこそ鏡開き!
鏡開きには、鏡餅を食べることにより年神様の霊力をいただくという意味もあります。
おいしく調理して、鏡餅に宿っているパワーをいただきましょう。
おすすめレシピを紹介
鏡開きにおすすめのレシピをご紹介します。
■お汁粉
お汁粉は、小豆に魔除けの意味合いがあるため、昔からお正月をはじめ、節目の行事でよく食べられてきました。鏡餅をいただくメニューには最適ですね。
・材料
小豆150g、砂糖100~150g、塩ひとつまみ、水1~2カップ、餅
・作り方
1.小豆を鍋に入れ、4~5倍の水を加えて火にかける
2.沸騰したらザルにあけて水けを切る(ゆでこぼす)これを2回ほど繰り返す
3.鍋に小豆と4倍量の水を入れ、フタをして弱火で60~90分煮る
4.小豆が柔らかくなって、ゆで汁が少なくなってきたら、砂糖を加える
5.ごく弱火で10分ほど木ベラで練るようにしながら煮て、塩を加えて混ぜ火を止める
6.5のあんこに分量の水を加えて(好みの濃度にする)火にかけ、フツフツしてきたら砂糖と塩(各分量外)で味を調える
7.もちはゆでるかこんがり焼いて、熱々の6と一緒に椀によそう
■お雑煮
お雑煮は、年神様にお供えした農産物や海産物をまとめていただく食べ方として広まりました。お雑煮の作り方は各家庭や地域によって異なりますが、お餅を入れるのが一般的です。
・材料
餅、鶏肉80g、小松菜120g、かまぼこ、海苔1枚、だし3カップ、塩と醤油適量
・作り方
1.鶏肉はそぎ切りにしておく
2.小松菜はゆでて5~6cmの長さに切る
3.かまぼこは熱湯を通してから8枚に切る
4.だしを煮立て、鶏肉を入れて弱火で煮る
5.4に塩、醤油で味をととのえる
6.餅は焼いて椀に盛り、温めたかまぼこ、小松菜を入れ、その上から鶏肉と汁を注ぎ、
上に短冊に切った海苔を載せる
■お餅グラタン
ちょっと変わった方法でいただきたい方は、お餅グラタンはいかがでしょうか。お餅はチーズとの相性がいいため、グラタンがおすすめです。また、砕けて細かくなったお餅を残さず美味しくいただく方法としても良いでしょう。
・材料
餅、ベーコンやピーマンなどお好みの具材、ホワイトソース、チーズ
・作り方
1.オーブントースターで焼いた餅をグラタン皿に並べる
2.ベーコンやピーマンなどお好みの具を載せる
3.ホワイトソースとチーズをかけて焼き上げる
まとめ
鏡餅は年神様の霊力が宿る、ありがたいお餅です。鏡開きには、鏡餅を美味しくいただいて、1年の健康と幸運を願いましょう。