今回は5キロにわたって約1000本の桜並木がつらなる兵庫県丹波市氷上町の「加古川堤防の桜並木」を紹介。近畿豊岡自動車道の氷上ICから青垣IC間 は加古川とピッタリ並行しているので桜並木を横目にドライブを楽しむことができます。あまり知られていない穴場なので、SNS映え間違いなしの絶景スポットを心ゆくまで散策できるのです。
加古川堤防で散策型の花見を楽しむ
桜の開花直前になって緊急事態宣言が解除されましたが、予断を許さない状況が続いているので、人の密集地への外出はまだまだ憚れます。今年のお花見を考えあぐねている時、ふと城崎温泉ドライブの途中でどこまでも続く桜並木を見かけたことを思い出しました。サイトによれば瀬戸内海から日本海を結ぶ延長約170km の河川沿い(武庫川〜篠山川〜加古川上流〜円山川)を約5万本の桜でつなぐ「ふるさと桜づつみ回廊」に、地域住民の憩いの場、地域交流の拠点として、「たけだお」「ひかみ」「きのさき」の3ヶ所の「さくらの名所」を兵庫県が整備。「加古川堤防の桜並木」は「ひかみ」のことで丹波市観光100選にも選定されています。開花状況を市役所に電話してみるともう八分咲きとのこと。天気予報を睨み翌日出発。穴場なので密とは無縁の散策型のお花見になるでしょう。
有料道路からのぞむ唯一無二の絶景!
大阪から丹波までは約200kmのロングドライブ。自宅からほど近い新名神高速道路よりスタート。
3年前の開業以来、一躍人気スポットとなった宝塚北サービスエリアでひとまず休憩。宝塚大劇場をイメージした外観で、館内では宝塚歌劇団や手塚治虫ゆかりの作品が展示されています。
お土産購入には関西有名ブランドのスイーツが一堂に集まる「SELECT SWEETS」コーナーが便利です。
新名神高速道路〜中国自動車道~舞鶴若狭自動車道と乗継ぎ、一気に近畿豊岡自動車道へ。
氷上ICを過ぎるといよいよ「加古川堤防の桜並木」が見えてきました。
ここから青垣IC間は加古川と並行しているので、果てしなく続く桜堤が右や左に現れます。
降り続いた雨によって朝まで立ち込めていた霧や曇も嘘のように晴れてきました。
喧騒とは無縁、美しい桜を心ゆくまで堪能
青垣ICで近畿豊岡自動車道をおり「丹波の森街道」を南下します。無料駐車場やベンチも整備されていて、桜並木を見つけては停車して川堤を歩き、また車で移動するというドライブ&ウォーク形式で快適にお花見を楽しむことができるのです。車で桜並木の下を走れる区間も一部ありますが、くれぐれも迷惑駐車はやめてください。
加古川畔を臨む丹波市立植野記念美術館が見えてきました。5月30日まで「アニメサザエさんとともに50年 -エイケン制作アニメーションの世界-」を開催しています。「サザエさん」を中心に「鉄人28号」「エイトマン」「宇宙少年ソラン」「サスケ」などで用いられた原画、セル画、絵コンテ、設定資料など、約300点に及ぶ貴重な資料や放送当時の映像を展示中とのこと。リアルタイムで見ていた世代には堪らない企画です。
桜並木はほぼ満開だというのに誰もいません。絶景を独り占めです。おかげで喧騒から離れて静かに花見を楽しめますが、その光景は何か違和感があります。
昼食は「道の駅あおがき」でざるそば定食をいただきました。
地元の食材をつかった手打ちの二八そばに、地元で取れた野菜のてんぷらと丹波産のお米を使った手作りおにぎりがつきます。人気№1だけあってとても美味しくお腹一杯になりました。
道すがら、農作業をされている方や散歩中のお年寄りに加えてサイリングあるいはバイクツーリング中の若者たちを見かけました。
インスタ映えを狙って桜並木をバックに愛車をパチリ、自撮りでパチリと自由に動きまわっています。
桜堤では近くの幼稚園の園児たちがクラスごとに集まって桜並木の下で遊んでいます。
桜を楽しんでいるお年寄り、若者、子供たちを眺めていると、ホッとすると同時にうれしくなってきます。元気一杯の園児に「ハハハ」と笑っている自分に驚きました。先ほど桜の絶景を独占しながらもなぜ違和感を感じていたのか。それは見慣れたはずの「お花見を楽しむ人たち」の光景が失われていたからなのです。
お花見は桜を見て楽しむだけではなく、桜の花の香り、幹などの手触り、鳥のさえずりや子どもたちの歓声など、五感全てで楽しむことができます。さらに同じ場所で同じ時間を共有している人たちを見かけるだけで心の底から喜びが湧き出てくるのです。これはお花見に限らずオマツリ全ての本質ではないでしょうか。私たちの幸福感につながるオマツリ。だからみんなオマツリが大好きなのですね。
桜スポットをハシゴしてドライブ
「加古川堤防の桜並木」に感激したので、来年はバイクで瀬戸内海から日本海まで170km5万本の「兵庫ふるさと桜づつみ」に挑戦したくなりました。その下見も兼ねて行きとは違うルートで帰りました。
加古川堤防から「氷上さくら公園」に移動し、さらに水別れ街道経由で「水分れ公園」に向かいます。ここは本州一、標高の低い分水界で一方は日本海へ、もう一方は瀬戸内海へとそそぎます。雨水はここを分岐点に約70km先の日本海か、約70km先の瀬戸内海のどちらかに流れていくそうです。
どちらの公園もいろいろな花を咲かせ、子供たちものびのび遊べるのでファミリーにおすすめです。
必ずまたお花見に行こう。
今回のお花見は、四季の素晴らしさを体感でき、運動不足とストレスの解消に大いに役立ちました。
特にここ丹波路はドライブに絶好の地です。牡丹鍋や蕎麦などのグルメ。黒大豆、大納言小豆、丹波栗、氷上野菜や青垣米などの名産品。そして「織田家ゆかりの城下町・柏原」や「丹波竜化石工房 ちーたんの館」など見どころが満載です。
お花見スポットを楽しみながら、グルメや名産品、観光スポットを巡ってドライブするのも楽しいですね。
帰り際に柏原に本店を構える老舗・中島大祥堂のカフェで「丹波黒胡麻とほうじ茶」をいただきました。
コロナがいつまで続くかわかりませんが、日本にオマツリがあるかぎり喜びに満ちた日々が戻ってくることを信じてやみません。一日でも早く平穏な日常が戻ってきますように。