「サシバの里」の栃木県南東部の市貝町
気温によって住む場所を変える渡り鳥の姿には季節を感じることができるものでしょう。タカの一種サシバは、春から夏にかけて繁殖のため、日本に渡ってくる夏鳥です。栃木県南東部の市貝町にも毎年、多くのサシバが訪れています。町内には道の駅「サシバの里いちかい」が設けられ、渡り鳥の飛来を歓迎しています。道の駅から北東に約2.5キロの観音山には梅園が設けられ、サシバが姿を現す少し前の3月上旬から中旬にかけて早春の彩りで包まれます。例年、「観音山梅の里梅園梅まつり」が開催され、2021年には3月14日~21日の期間で行われています。
なだらかな観音山の斜面に広がる梅園
「観音山梅の里」は桜川を望む約4ヘクタールの丘陵地に、白加賀、南高梅、豊後などなど5種類の梅が、約3,000本植栽されています。なだらかな斜面に梅林が広がっているので、様々な角度から梅の花を観賞することができます。
梅園内には、展望台や四阿が設けられ、眼下には梅林や市貝町の里山が広がります。
歴史感が漂う観音山
現在、梅園として整備されている観音山には、かつて村上城が建造されていました。1378年に村上新助良藤が築城し、その後3代にわたって村上氏が居城したと伝わります。当時の建造物は何も残っていませんが、山の中腹の千手観音堂が歴史感を漂わせています。
観音山の梅園は白梅が真白に彩っていますが、麓の農産物加工所を囲む梅林では、紅梅と白梅がバランスよく溶け合っています。
観音山へのアクセス
観音山にマイカーで訪れる場合は、入口前にトイレが設置される駐車場が完備しているので問題はありません。それに対して公共交通機関を利用する場合、決して便利とは言えません。JR宇都宮駅からJRバス茂木行きの路線バスに1時間前後乗車し、「芳賀地蔵橋」停で下車し約10分、歩くのが楽でしょう。ところが、この路線バスは1日3往復しか運行されていません。ただ、運行時間を確認すると午後過ぎに宇都宮を出発し、夕方に戻るという予定を組むことは可能です。バスではなく鉄道を利用する場合は、真岡鐡道のいちはな駅から徒歩で約30分です。
栃木県南東部の市貝町には毎年、渡り鳥のサシバが飛来し、「サシバの里」と呼ばれています。サシバが姿を現す少し前の3月上旬から中旬には、町内の観音山梅の里の梅園が早春の彩りで包まれます。