3月26日は、今年2022年で最強の開運日、吉日といわれています。祝日という訳でもないのになぜ?と思う方もいるかもしれません。実は3月26日は十二支のうちの金運などが良い「寅の日」であり、さらに「一粒万倍日(いちりゅうまんばいにち)」と「天赦日(てんしゃにち)」という吉日が重なって3重に運気が良い日なのです。
この3種類を含め、日本の暦には様々な吉日が存在します。今回はその意味や、何をすると良いのか?他にも吉日はあるのか?4月以降の開運日は?など、吉日に関する素朴な疑問や基礎知識をご紹介しましょう。
目次
毎日ひとつ割り当てられている「六十干支」とは
日本の吉日がどのように決まっているかを知るには、「干支」を理解しておくと便利です。干支と聞いてパッと思い浮かぶのは、年ごとに12の動物が割り当てられている「十二支」ではないでしょうか。実は干支とは、十干(じっかん)と十二支の組合せで、十干には次の10個の漢字が割り当てられています。
十干 = 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
十干はもともと、日にちを10日ごとのまとまりで数えるための呼び名(符号)でした。10日ごとに「一旬(いちじゅん)」と呼び、3つの旬(上旬、中旬、下旬)で1か月になるため、広く使われていたといいます。
一方、十二支は、もとは12か月の順を表わす呼び名でしたが、やがて12種類の動物を当てはめるようになったものです。こちらはお馴染みの12個の漢字で表されます。
十二支 = 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
この十干十二支を、それぞれ先頭の甲と子を組み合わせて「甲子」とし、その次に乙丑、丙寅、丁卯…と順番に組み合わせていくと、10と12の最小公倍数である60番目でそれぞれ最後の「癸亥」の組合せとなり一巡します。これを「六十干支(ろくじっかんし)」と呼び、日ごとに干支が割り当てられ、60日で一周するようになっています。
この割り当て方で、2022年3月26日は戊寅、つまり「寅の日」になっているわけです。
①十干(じっかん)
甲乙丙丁戊己庚辛壬癸(10digit)②十二支(じゅうにし)
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥(12digit)③最小公倍数(さいしょうこうばいすう)
the least common multiple
60④十干十二支 (じっかん・じゅうにし)
六十進法(ろくじっしんぽう)
Calendar of sexagesimal system. pic.twitter.com/wC0304d9rA— Ken (@citizenken0502) February 3, 2021
このように干支は毎日に1つずつ割り当てられていますが、多くはその組合せで日々の吉凶が判断され、吉日は「暦注(れきちゅう)」と呼ばれる昔の暦の注釈欄に載っていました。
それらの吉日の多くは現在ではあまり使われなくなっていますが、近年注目を浴びているのが一粒万倍日と天赦日です。
「一粒万倍日」の決め方、意味、やると良いこと・ダメなこと
一粒万倍日は単に「万倍日」ともよばれ、干支と二十四節気の組み合わせによって決められます。
二十四節気とは、太陽の運行をもとに1年を春・夏・秋・冬の四季に分け、それぞれをさらに6つずつに分け、およそ半月ずつ合計24の期間に分けたものです。代表的な「節」には立春、立夏、立秋、立冬などがありますが、それらを聞いたことがある方も多いでしょう。
二十四節気をもとに月の区切りを決め、旧暦の正月にあたる期間中は丑の日と午の日、2月は酉・寅、3月は子・卯…というように12月まで決まった干支の日にあたる日が一粒万倍日となります。1か月に5日ほどと意外に多くの日が該当するので、1年間で60日前後は一粒万倍日がやってきます。
一粒万倍とは「一粒の種もみから万粒のお米が収穫できる」という意味です。この日に始めた物事は成功しやすいとされ、農家なら種まき、商家なら開店に適した日とされてきました。現代では以下のようなことに良い日とされています。
◎入籍や結婚式
◎お金を投資する(新しい財布をおろす、銀行口座の開設、宝くじを買うなども)
◎開店・開業、プロジェクトの開始
あとから大きく膨らんで返ってくるので、お金を増やすために何かを始めるのは良いとされる一方で、マイナスな事柄もトラブルや苦労が万倍に膨らんでしまうので次のことはやってはいけないとされています。
×借金や人から物を借りること
×家族や夫婦、仲間とのいさかいや喧嘩
「天赦日」の決め方、意味、やると良いこと・ダメなこと
天赦日は、干支と二十四節気の組み合わせで決まる、年4回の大吉日とされています。以下の干支が季節ごとに最初にやって来る日が天赦日となりますが、季節の最初の日にこだわらないとする決め方もあり、その場合は年間5~6回やってきます。
春(立春~立夏):戊寅の日
夏(立夏~立秋):甲午の日
秋(立秋~立冬):戊申の日
冬(立冬~立春):甲子の日
天赦日は、八百万の神が天で集まり、天が万物を赦す(許す)日。天の慈しみが万物を包み、すべての行動が吉であり何をやっても叶うとされます。
そのため一粒万倍日と同様に、入籍や結婚、金運アップ、開店・開業やプロジェクトの開始に良い日です。また、これまでに諦めたことへの再チャレンジや、欲しかったけれど遠慮したものを買うのにも吉日です。
天赦日にやってはいけないことは特にありませんが、退職や閉店などは「最後」や「終わり」といった意味合いが強いため、避けた方が無難といわれます。
「寅の日」はどんな日?やると良いこと・ダメなこと
十干十二支の組合せの六十干支は60日間で一巡することをお伝えしましたが、十二支だけ見ると12日間で一巡します。十二支にも動物ごとに吉日とされるいわれがあり、なかでも「寅」の日は、強力な金運・財運の吉日とされています。2022年3月26日もこの「寅の日」です。
古来中国では、寅(虎)は強く、邪気などを追い払う動物として神聖視されていました。また、虎の毛皮は金色であることから金運を高めると考えられ、寅の日が「金運招来日」とされているのです。
ちなみに、十二支の「巳の日」も、巳=蛇が財運を司る弁財天の使いであることから、こちらも金運アップの日とされています。寅の日のほうは、出て行ったお金を呼び戻すご利益もあるとされるので、お財布を買ったり、新しく使い始めたりするほか、宝くじを購入するのにも最適だといわれます。
お金を呼び戻す、というのは「虎は一日に千里往って千里還る」という虎の活力に満ち溢れた力強さを表すことわざにも由来しているようです。「必ず無事に帰ってくる」ということで、旅行の出発日にするにも良いとされる一方で、「出戻り」を連想させるので結婚にはふさわしくないともいわれています。
吉日は他にもいっぱい!意味、決め方、やるといいことは?
古来からの日本の暦の暦注のなかには、他にもたくさん「吉日」とされる日があります。主なものをいくつか紹介しましょう。
◎天恩日(てんおんにち)
「天の恩恵ですべての人が福を受ける日」としてお祝い事に良い日です。甲子、己卯、己酉から数えて各5日間、合わせて15日間がこれにあたるため、必ず5日連続で訪れるという特徴があります。
◎母倉日(ぼそうにち)
「母が子を育てるように、天が人を慈しむ日」です。特に婚姻にまつわることや引っ越しには大吉です。
春は亥・子の日で、夏は寅・卯の日。秋は辰・戌・丑・未の日で、冬は申・酉の日が該当します。他に四季の土用には巳・午の日がこれにあたるため、母倉日は毎月4~5日あります。
◎月徳日(げつとくにち)
「月徳(その月の神様)がいる日」として、すべてのことに差し支えが無い日。特にリフォームや土にかかわることに良い日です。
1月・5月・9月は丙の日、2月・6月・10月は甲の日、3月・7月・11月は壬の日、4月・8月・12月は庚の日が月徳日にあたります。
◎大明日(だいみょうにち)
「世の中の隅々まで太陽の光に照らされる日」「物事の始まりを天が明るく照らしてくれる日」という意味があります。特に移動することには先々まで見通すことができるとされ、引っ越しやお店の移転、旅行には吉日です。
大明日にあたるのは、甲辰・甲申・乙未・乙丑・丙辰・丙午・丁卯・丁未・戊辰・己卯・己酉・庚戌・辛未・辛酉・辛亥・壬午・壬申・癸巳・癸酉の日の19日ですが、異説もあります。
◎天一天上(てんいちてんじょう)
かつての日本では、天一神(てんいちじん)という方位を司る神がいる方角に向かうとたたりが起こると考えられていました。しかし、六十干支のうちの16日間は天一神が天上に帰って地上にいないため、祟りがなくどこへ出かけるにも吉とされ、相場にも良い影響があるとされています。癸巳の日から戊申の日までの16日間が天一天上です。
◎甲子(かっし、こうし、きのえね)
六十干支の甲子は、1番目であることから、甲子の日や年は吉日です。何かを始めるのに良い日とされるほか、子(=ねずみ)が大黒天の使いであることから、商売繁盛・金運の守り神である大黒様にお参りするとそのご利益がいただけるといわれます。
今年もまだある!吉日が3つ以上重なる開運日
3月26日は一粒万倍日・天赦日・寅の日の3つの吉日が重なる日でしたが、暦注に載っている他の吉日もご紹介したところで、これらが3つ以上重なる日を4月以降で探してみました。中には4つが重なる日もあります!
〇4月29日(金・祝):一粒万倍日・天恩日・月徳日
〇5月14日(土):一粒万倍日・天恩日・母倉日
◎5月26日(木):一粒万倍日・大明日・天恩日・母倉日
〇6月22日(水):一粒万倍日・大明日・月徳日
〇7月10日(日):天恩日・月徳日・甲子
〇7月16日(土):一粒万倍日・大明日・母倉日
◎7月28日(木):一粒万倍日・大明日・天恩日・母倉日
〇8月7日(日):大明日・母倉日・月徳日
〇8月10日(水):一粒万倍日・大明日・母倉日
〇8月22日(月):一粒万倍日・大明日・母倉日
〇8月25日(木):大明日・天恩日・母倉日
〇8月27日(土):一粒万倍日・天恩日・月徳日
〇9月3日(土):一粒万倍日・大明日・母倉日
〇9月23日(金・祝)一粒万倍日・大明日・天恩日
〇9月24日(土):天恩日・母倉日・月徳日
〇10月23日(日):一粒万倍日・大明日・天恩日
〇11月1日(火):一粒万倍日・大明日・母倉日
◎11月7日(月):天赦日・天恩日・月徳日・甲子
〇11月16日(水):一粒万倍日・大明日・母倉日
〇11月27日(日):大明日・母倉日・月徳日
〇12月24日(土):一粒万倍日・天恩日・大明日
〇12月25日(日):一粒万倍日・天恩日・月徳日
まとめ
今回は、3月26日に一粒万倍日・天赦日・寅の日の3つが重なることにちなみ、それ以外にもある「吉日」について、それぞれの日の決まり方、意味、やると良いことなどをご紹介しました。
日本の暦には、さまざまな吉日があります。知らなければ何もない日として過ごしてしまいそうですが、その日の吉凶を知ることで、物事への取り組み方や考え方なども変わってきそうですね。
特に、5月26日、7月28日、11月7日には4つの吉日が重なります。お祝い事を控えている方は日取り選びの参考に加えてみてはいかがでしょうか。ちなみに、一粒万倍日と天赦日の2つが重なる日は6月10日にあります。金運アップの吉日なので、この日も見逃さないようにしましょう。