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2023年の「国民文化祭」は石川県!いしかわ百万石文化祭2023で獅子舞やグルメを堪能!

2023/12/5
2023/12/5
2023年の「国民文化祭」は石川県!いしかわ百万石文化祭2023で獅子舞やグルメを堪能!

「国民文化祭」をご存じだろうか?
日本中で伝統芸能や文芸、音楽、美術、食文化など色々な文化活動に親しんでいる個人や団体が、日頃の成果を披露したり交流したりする「文化の国体」とも呼ばれる祭典だ。毎年異なる都道府県で順々に開催されているが、2023年は石川県で10月14日~11月26日までの44日間行われた。

「いしかわ百万石文化祭2023」というタイトルのもと、県内全19市町で約150の多彩な文化イベントが開催されたが、そのうちの11月18日・19日の2日間、石川県小松市のこまつドームにて行われた、北陸新幹線沿線「獅子舞・グルメ大集合」というイベントに伺った。

北陸新幹線沿線の獅子舞とグルメが一箇所に集結するだけでなく、ご当地キャラや北陸新幹線PR隊ほくりくアイドル部のステージなど、盛りだくさんの内容であった。今回は18日に現地を訪れた時の様子をお届けする。

「いしかわ百万石文化祭2023」とは?

国民文化祭の第1回大会が行われたのは東京都で1986年度のこと。今年度が第38回となるが、2017年度からは障害の有無にかかわらず共に参加して交流の輪を広げていけるよう「全国障害者芸術・文化祭」と一体的に開催されている。
よって「いしかわ百万石文化祭2023」というタイトルは、「第38回国民文化祭」と「第23回全国障害者芸術・文化祭」の統一名称である。

ちなみに前回2022年度の開催地は沖縄県で「美ら島おきなわ文化祭2022」というタイトルであった。来年2024年度は岐阜県、2025年度は長崎県、2026年度の高知県までは開催地が決定している。

「いしかわ百万石文化祭2023」では、石川ならではの文化資源を活用したイベントや文化団体による27の全国大会を含む約150の催しが行われ、盛況のうちに幕を閉じた。

石川県での国民文化祭の開催は1992年度以来2回目で、全国障害者芸術・文化祭は初開催。今回は県民総参加により、前回から31年のうちに地域に育まれた文化が、未来版にアップデートされ全国に発信された。

ではここからは、小松市のこまつドームで開催された北陸新幹線沿線「獅子舞・グルメ大集合」の詳しいイベントレポートをお届けする。

獅子舞が大集合!

石川県といえば、全国でも有数の獅子舞が盛んな都道府県であり、1997年の石川県教育委員会等の調査によると、1,000近くの獅子舞が実施されていたとされる。この石川県で、北陸新幹線が2024年3月に福井県敦賀まで延伸されるのを前に、北陸新幹線沿線の各地域で受け継がれてきた特色ある獅子舞を集めようというのがこのイベントだ。

2日間で埼玉県、群馬県、長野県、新潟県、富山県、石川県、福井県、そして次回の国民文化祭開催地である岐阜県を加えた数々の獅子舞が一堂に会するとても貴重な機会だった。各地域の多種多様な獅子舞が登場して、とても贅沢なステージとなった。

11月18日(土)出演団体

【新潟県(上越市)】折平の獅子舞(折平郷土芸能保存会)
【石川県(中能登町)】武部獅子舞(武部獅子舞保存会)
【富山県(黒部市)】沓掛獅子舞(沓掛獅子舞保存会)
【石川県(金沢市)】加賀獅子(河原市町瑞穂獅子舞保存会)
【福井県(小浜市)】雲浜獅子(雲浜獅子保存会)
【石川県(小松市)】龍助町大獅子(龍助町大獅子保存会)
【岐阜県(恵那市)】岩村町獅子舞(岩村町獅子舞保存会)
【埼玉県(本庄市)】台町の獅子舞(台町獅子舞保存会)

いくつか実際に拝見した獅子舞をご紹介しよう。こちらは地元・小松市の龍助町の大獅子!声を大きく張り上げて叫ぶ、口上の様子がとてもかっこよかった。さすが地元の小松市で大人気の五十鈴流の獅子舞だと感じた。

次に紹介するのは石川県金沢市河原市町の瑞穂獅子舞。棒振りの子ども達の勇壮な姿が見られた。大きな蚊帳(胴幕)が特徴的で、オレンジ色の獅子頭は明治初期に荒木八郎乗寛(のりたか)が制作、鹿の皮が張られている。

そして、福井県小浜市の雲浜獅子(雲浜獅子保存会)。3頭の獅子が踊り狂う様は、非常に獣のようであり、同時に長時間の演舞にもかかわらず、疲れずにキレのある演舞を見せていただいたことに感謝である。

この他にも魅力的な獅子舞が非常に多く見られた。

獅子頭の展示も

会場の入り口付近には、人間の身長を超える大きさの大獅子神輿(石川県加賀市山中温泉)が展示されておりその姿は圧巻だった。秋祭りの際にはこの大きな獅子頭をかつぐそうである。

その先には加賀市内の舞うための獅子頭も5頭並べられていた。このように獅子舞だけでなく、獅子頭の造形についても知ることができた。

獅子舞の体験コーナーも大充実!

体験コーナーでは、親子で獅子頭作り体験、親子で加賀獅子体験教室、獅子舞道具(武器)作り体験、加賀獅子頭の根付け色付け体験、上生菓子作り体験などの体験企画が充実していた。

こちらは石川県白山市の知田工房による「加賀獅子頭の根付け色付け体験」。ミニ獅子頭に色を塗ってオリジナルの根付けを作る体験ができた。また、魔除けの縁起物の獅子頭がも販売されており、とても可愛らしかった。

また、石川県加賀市による獅子頭づくり体験教室も行われていた。牛乳パックを使い、子どもたちが好きな装飾をほどこして獅子頭を作っていく。髪をつけたり、鼻や目を描いたりと自由な発想で行われており、これも個性が光っていて子どもたちは楽しそうだった。

こちらは富山県射水市から来た久宗獅子舞工房による彫刻の実演である。この他に、Tシャツの販売や獅子舞道具(武器)作り体験もされており、大充実のブースだった。

加賀獅子の獅子殺しという演舞に使われる、棒振りの体験ができるコーナーもあった。棒振りは獅子と対峙する花形の役柄。担い手でないとなかなか体験できない貴重な機会となった。

地元アイドルが盛り上げる

こちらは北陸新幹線PR隊ほくりくアイドル部のステージ。若さあふれる元気なアイドルたちに声援が送られていた。このメンバーは獅子舞の演舞前に各団体の紹介なども行なっており、大活躍だった。

ご当地キャラの登場

会場内ではご当地キャラもたくさん見られた。飲食ブース付近に突如現れて、子ども達の歓声もあり、記念撮影の人だかりもできていた。

さまざまなグルメを堪能

北陸新幹線沿線グルメとして、例えば石川県内だと小松市のうどんや、金沢カレーなどの出店が見られた。小松ドームの中の大部分が飲食ブースだったので、食べ物はとても充実していた。

こちらは小松うどん。地元の小松市ではうどんと白米を「うどん定食」として一緒に食べる文化があると聞いたことがある。大食いにはとても助かるメニューだ。

こちらは金沢カレーのブース。バターチキンカレーとゴーゴーカレーの「あいがけ」など、カレー好きにとってはかなり贅沢なコラボも実現していた。

文化の伝播と交流を体感する

北陸新幹線の敦賀までの延伸が2024年3月に迫っている。北陸新幹線が通ることで、石川県南部への東京からのアクセスが向上するが、大阪からのサンダーバードは敦賀止まりになる分、大阪方面へのアクセスは大変になるという声もある。

しかしながら、移動することが文化の伝播に繋がってきたことも事実だ。移動が変われば文化交流も変わる。その中で北陸新幹線沿線の獅子舞やグルメが大集合したことは、大きな文化交流の進展でもあっただろう。
石川県の加賀獅子に慣れ親しんだ人々が、埼玉県の一人立ちの獅子舞を見て「こんな獅子舞あったんだ」という驚きを感じる。これは地域に対する尊敬と誇りを作っていく。

北陸新幹線延伸後にどのような人の流れと文化交流が行われるようになるのだろうか。観光や仕事の人の流れも変わるだろう。今後の動向を見守っていきたいと感じた1日だった。

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