神戸・湊川神社が舞台のお祭り
今回ご紹介するお祭りの舞台は、兵庫県神戸市にある湊川神社。明治5年(1872年)創建で、鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した武将、楠木正成が主祭神として祀られている神社です!
湊川神社へは、最寄りのJR神戸駅から徒歩4分程で行くことができます。都会の中に自然の広がる美しい境内が目印です!
境内の楠本稲荷で行う初午祭
湊川神社境内にある楠本稲荷神社。こちらが今回のお祭り「初午祭」の舞台となります!
“初午”と言うお祭りは稲荷神社にとって重要な祭事の1つとして知られています。その起源には稲荷神社の総本社「伏見稲荷大社」が関係しているのですが、主祭神の稲荷大神が伏見稲荷大社裏の稲荷山へ降り立った日が2月の初午の日だったと言われています。その故事に因んで今でも2月最初の午の日「初午」にお祭りが行われているのですね!
楠本稲荷神社の入口は、稲荷神社のシンボルでもある連なる鳥居があります。
祭事に先立ち、境内ではこのような次第が配られていました。わかりやすくてありがたいですね!
11時を迎え、初午祭がはじまります!神主さんや巫女さんが社殿へとやってきました!
次第にもある様々な儀式が進んでいきます。こちらは神楽の様子です!
巫女が大釜で湯を沸かしていく!
社殿での儀式が終わった後は、いよいよ外で湯立神事が行われます!大釜の中にはすでに湯がぐつぐつ沸かされスタンバイOKです!
巫女さんがまずは釜の中にお米を入れていきます。
続いてお酒が入れられていきます。
最後に竹筒で湯をかき混ぜていき、お湯づくりは終了です!
できたお湯はお稲荷さんへお供え
できあがったお湯は楠本稲荷神社へと奉納されます。巫女さんが筒へと柄杓でお湯を移していきます。
お湯は巫女さんから神主さんへ渡され、社殿へと献ずられました!
笹束でケガレを払う!
お湯を神社に奉納して終わりかと言うと、まだまだここからが本番です!湯立神事のメイン「湯立」がはじまります!
束になった笹を、巫女さんが湯立っている釜の中に突っ込み…
勢いよくしぶきを撒き散らします!!境内はもとより、参拝者へもどんどんしぶきをかけていきます!!
このしぶきをかけてもらうことで、罪ケガレを祓うことができ、家内安全・商売繁盛・無病息災のご利益をいただくことができるんだとか!これはありがたいしぶきですね!
本日は令和初の初午!と言うことで、神戸の湊川神社の初午祭へ行ってきました!こちらは巫女さんによる湯だった釜での「湯立神事」があり、数ある初午祭の中でも独特な儀式を行います。笹から発せられるしぶきは良い香りでした!#祭り #初午 #稲荷 #オマツリジャパン pic.twitter.com/fihWq4JMkN
— 高橋佑馬@お祭りライター (@yuma_walking) February 9, 2020
湯立神事が終わった後は、参拝者におしるこのお振舞があるのもありがたいです(お湯は熱いですが、この日は極寒!あたたかいおしるこが嬉しい)。ケガレを祓ってもらった皆さんで食べるおしるこは格別でした!
湊川神社は見どころがいっぱい
湯立神事だけでなく、湊川神社の境内にはたくさんの見どころがあります!
まずはじめはオリーブの木!なんとこちら、日本最古のオリーブの木なんだとか!明治のはじめ頃に日本へ持ち込まれた数本のオリーブの木の1本と言うことで、明治末期にはこの場所に植え付けられていたんだそうです。貴重なものですね!
お次は湊川神社の主祭神でもある楠木正成のお墓。この墓碑の文字、なんと水戸黄門で有名な徳川光圀公が1692年に書いたものなのだそうです!この2人の接点は次の事情から来ています。
楠木正成は、後醍醐天皇を奉じて活躍した武将。徳川光圀は、神武天皇からの天皇家を中心とした歴史を取り上げた歴史書「大日本史」を編纂するなど、勤皇と言う点でつながりがあります。そんな縁から、徳川光圀が楠木正成の墓碑に「嗚呼忠臣楠子之墓」と言う言葉を刻むことになったそうです。
楠木正成の墓碑の前には、徳川光圀の銅像もありました。
境内には大楠公(だいなんこう)と呼ばれ親しまれている楠木正成の一生を描いた説明もあります。ぜひご覧ください!
湊川神社初午祭、いかがでしたでしょうか?稲荷神社特有の初午のお祭りですが、湯立神事を見られる場所は珍しいかもしれません!ぜひ来年の2月の初午の日には、湊川神社へ来てみてください!