2023年9月12日から16日の日程で、岩手県盛岡市で「盛岡八幡宮例大祭」が開催されます!
今年は4年ぶりに山車も登場!目抜き通りを練り歩きます。この記事では、2020年公開のお祭り解説とともに、2023年の開催情報をお届けします!
目次
華やかなお囃子と音頭に彩られ勇壮な山車が練り歩く
秋の収穫が始まる9月、盛岡の街を優雅に彩る祭り「盛岡八幡宮例大祭」をご存知ですか。全国的にまだまだあまり知られていない祭りの一つかもしれませんが、最近は、地元民以外の祭り見物の方も増えてきました。この記事では、地元民として毎年参加している筆者が「盛岡八幡宮例大祭」の良さをご紹介します。コロナ禍の今年はこの記事で祭りを感じてください。
南部藩二十万石の城下町盛岡「みちのくの小京都」
東北新幹線の盛岡駅を降りると、岩手の県庁所在地、盛岡市の穏やかな風景が広がります。
盛岡市は、北上川、中津川、雫石川が流れ、南部富士とも言われる標高2038メートルの岩手山に見守られた静かな街です。春には、鮭が河を登ってくる自然に恵まれた盛岡の人々は、優しく温和なイメージです。そんな静かな盛岡の人々が熱く燃え上がる祭りがあるのをご存知ですか。某NHKの朝ドラでや第157回芥川賞を受賞した「影裏」にも登場した夏祭り「さんさ踊り」とはまた表情が違う、勇壮かつ華やかな神事、盛岡八幡宮例大祭です。
盛岡の鎮守、盛岡八幡宮の例大祭で毎年9月14日~16日の3日間行われ、期間中市内各地にある消防団(祭りの時は火消しの組名)が中心となり歌舞伎などを題材とした人形型の山車が街を練り歩きます。
又最終日には、盛岡八幡宮の境内では流鏑馬が行われ、商売繁盛や五穀豊穣、健康増進を願います。
消防の木遣りが息づく音頭上げ
盛岡八幡宮例大祭のおもしろいところは、鉄道オタクの乗り鉄、撮り鉄等のように山車好き、太鼓好き、笛好き、音頭上げ好きなどに好みが分かれ、それを追求して行くと益々祭りの深みにはまって行くところです。かくいう私も音頭上げにはまり、毎年春から仲間たちと練習や会合(お酒を飲んで・・笑)を繰り返し気持ちを高めている一人です。ここで、音頭上げを少し掘り下げてみましょう。
音頭上げとは、盛岡八幡宮でお払いをして頂いた者が、その年の組の山車のテーマにあわせ「七・七・七・五」の文句を各組独特の節に乗せ、山車の前や家の前で気持ちを込めて上げるものです。
盛岡山車には、第1分団は組から第19分団お組、そして南部火消し伝統保存会までの組 や同好会などをあわせると凡そ30組の団体が、毎年、及び何年かごとに参加しています。
私の師匠によると、音頭上げは、消防の木遣りを元祖とするものらしく、腹から声を出して 邪気を追い払うように「エイッ!」と上げるものなんだと教わりました。
音頭上げで組を聞き分ける
各組の音頭には、いわゆる歌詞に入る前の節があります。実は、コレがつかみと言うかとっても大事なところなのです。この節が、グーと心に響くかどうかで、その先の音頭の出来も変わります。上手いかどうかの聞き定めになり、一概に長くやっているから上手いと言えないところが音頭上げの奥深い部分でもあるのです。昔から盛岡に住んでいるネイティブな人々は、音頭上げが聞こえると何処の組かわかると言われるほど、組の名刺のような役割をしています。
始まりの節は「イ~ヤ~オ~オイワ~イェ~イ ヤ~レ~オワ~エ」などと始まり、ここで組を聞き分けます。
例えば、「イ~ヤ~オ~オイワ~イェ~イ ヤ~レ~オワ~エ」は「い組」。「イ~ヤ~イ~ワ~イェ~イ ヤ~レ~オワ~エ」は「は組」となります。
また、歌詞の途中で節が変わる二上がりという節だったら「め組」となります。
毎年、山車に合わせた内容は各組の音頭上げの持つ扇子に書かれています。この扇子の動きに合わせて、引き手や太鼓、などが「受け」と言われる掛け声をかけ、組一体となりそこにいる人々を魅了しているのです。
東北岩手 盛岡の熱い秋の祭りを体験しよう!
山車の勇壮さ、大太鼓の力強さ、小太鼓の軽快さ、笛の優雅さ、そして音頭上げの粋な節回しが盛岡の街に響き渡り、興奮の3日間が終わると静かに冬を迎える準備を始めます。盛岡の短く熱い秋の祭りを堪能してみませんか。
2023年の開催情報!
日程:
・盛岡八幡宮例大祭2023年9月12日(火)~9月16日(土)
・山車運行は2023年9月14日(木)~16日(土)の3日間
※一部の奉納組は9月13日も運行します。
場所:
盛岡八幡宮(岩手県盛岡市八幡町13−1)
主な日程:
・八幡下り(山車パレード) 9月14日13:00〜 盛岡八幡宮・正面鳥居前出発~八幡町
・山車大絵巻パレード 9月15日18:00〜 盛岡城跡公園(岩手公園)芝生広場出発~大通り「金属会館」
・流鏑馬 9月16日13:00〜盛岡八幡宮境内馬場