※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響で中止となりました。
2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。
(2020年11月4日 編集部)
「なぐり紅葉まつり」は毎年11月に、白雲山を一山丸ごと境内とする鳥居観音で開催されています。山には遊歩道が設けられ絶好のハイキングロードとなっており、秋には紅葉狩りを楽しむ人の行列ができます。平和観音や救世大観音に設けられた展望施設からは、秋の彩りに包まれた白雲山の全景を一望することができます。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年11月4日 編集部更新)
毎年11月に白雲山鳥居観音で開催される「なぐり紅葉まつり」
※2020年開催中止
埼玉県の飯能は都心の池袋から1時間足らずで、西武線のキーステーションとなっています。ムーミンのテーマパーク「メッツァ」が開園したことで広く知られるようになりましたが、豊かな自然に恵まれ、市内に紅葉の名所が溢れています。中でも白雲山は、例年11月上旬から下旬の時期になると一山丸ごと、秋の化粧で彩られます。紅葉の広がりに合わせて、毎年「なぐり紅葉まつり」が開催されています。2018年は11月11日に行われました。
山麓から白雲山を見上げると、紅葉の合間に観音像や塔が点在しています。実は、白雲山は全体が鳥居観音の境内となっているのです。
鳥居観音は、埼玉銀行の初代頭取の平沼彌太郎を開祖として、1940年に白雲山の麓に観音堂を創建したことに始まります。その後、山中に救世大観音、納経塔、玄奘三蔵塔、平和観音などを建立したのです。各々の施設は遊歩道で結ばれ、急な坂道もないので、絶好のハイキングロードとなっています。道の両側には自然が残され、四季折々の姿を見せてくれます。時に秋の紅葉シーズンには、紅葉狩りを楽しむ人が行き交います。
白雲山を巡る遊歩道をハイキングしながら紅葉狩り
白雲山を巡る遊歩道は本堂の奥からスタートします。
遊歩道を登り始めて最初に見える建造物は仁王門です。厳めしい顔つきの阿像も呍像も、鮮やかな色彩に表情を和らげることでしょう。
仁王門を潜り階段を上ると、小ぢんまりとした堂が紅葉の下にひっそりと佇んでいます。開祖の母の遺言を実現するために建てた恩重堂です。
平和観音や救世大観音の展望施設から360度のパノラマで広がる白雲山の眺望
恩重堂から坂道を登っていると、視界の開けたエリアに出ます。ここには平和観音が建立されています。直径約5メートルの地球儀の上で霊水の入った壺を傾け、地球上のあらゆるものを浄化しているのです。地球儀の下には見晴らし台が設けられ、360度のパノラマで白雲山を一望することができます。
赤や黄色のグラデーションで着飾ったに色づいた白雲山の中に、救世大観音や玄奘三蔵塔などが浮かび上がります。白色の像や塔が色彩のアクセントをつけているようです。
平和観音から次に向かうのは玄奘三蔵塔です。本堂から続く遊歩道から、紅葉の彩りが途絶えることはありませんが、高度を上げるに従って密度が濃くなってきます。少し手を伸ばせばモミジの手と握手することができます。
玄奘三蔵塔には、『西遊記』の中で孫悟空として物語られる三蔵法師の霊骨が祀られております。傍らのカエデが温かく霊を慰めているかのようです。
玄奘三蔵塔からも紅葉の先に救世大観音や納経塔が見え隠れします。
納経塔は、玄奘三蔵塔と救世大観音のほぼ中間にある面白岩に建立されています。一万巻の般若心経などが収められています。
さらに進むと鳥居観音のシンボルの救世大観音です。高さ約23メートルの中央大観音の堂宇内には、阿弥陀如来像などの仏像が安置されています。展望台からは紅葉に包まれる白雲山越しに奥武蔵の山々の眺望が広がります。